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映画『叢雲~ゴースト・エージェンシー~』浅井星光/北川貴英/白川竜次/虎牙光揮 特別インタビュー【後編】

〈浅井流鞭拳空手 継承者 浅井星光〉
〈合気道神武錬成塾 道場長 白川竜次〉
〈システマ東京 代表 北川貴英〉
その道の達人たちによる本物のアクション映画がここに誕生!


俳優、アクションコーデネーター、脚本家、演出家のほか、浅井流鞭拳空手継承者として活躍する浅井星光師が主演/プロデューサーを務めた注目アクション映画『叢雲 〜ゴー スト・エージェンシー〜』(製作:テアトルアカデミー×dexi)が、 渋谷 HUMAXシネマ、横浜ブルク 13 、T・ジョイ梅田ほかにて、7月28日(金)より公開! フォーラム仙台でも9月22日から1週間の上映が決定!!


本作の公開決定を記念し、主人公・凛子役を演じる浅井師のほか、システマ東京・北川貴英師、合気道神武錬成塾・白川竜次、そしてボス役を務めたアクション俳優・虎牙光揮氏に行った特別インタビュー、その後編を以下に紹介!!
(※前編はこちらから)



[caption id="attachment_15921" align="aligncenter" width="600"] 原田監督、主要キャストらによる公開記念舞台挨拶の様子![/caption]
●ほしみんちゃんねる 【ありがとう】初日舞台挨拶満員御礼★映画むらくも応援
https://youtu.be/C2eMDcnSyg4

●Aikido Shinburenseijuku - 合気道神武錬成塾 【速報】映画 叢雲(むらくも)が満員御礼!初日舞台挨拶&サプライズ!Yahooニュースにもなりました
https://youtu.be/II2vwQ7XtxA





アングルこそがアクションの決め手!




白川 
普通の監督とアクション監督とは完全に別物なのが、今回初めてわかって驚きました。ほしみんの師匠である髙橋伸稔監督が、アクションをどうやるか、どういうアングルで撮るかまで決めるんですよね。


北川 カメラの角度までね。知らなかった、あれ。


虎牙 “殺陣師”さん、“アクションコーディネーター”と言われる人は、基本的に手までつけて終えるんですけれども、“アクション監督”とつく人は、編集のことまで全部考えてアングルまで決めていく。みんなアングル気狂いですよね。アクション監督と呼ばれる人たちを何人も知っていますけれども、全員ほぼ、寝ても覚めてもアングルのことばっかり考えている。本当にわずかな角度の違いで、見え方が全然違うんですよ。


白川 投げるシーンで「合気道のこの技をやりたい」と気軽に言ったら、50回ぐらいずーっとそれをやらされるんですよ。簡単に言えないなと思いましたもん。


浅井 それは予算がないからですね(苦笑)。予算があれば、それをスタントマンの方がやるんですよ。



──監督とアクション監督を分けているのはどうしてなのですか?


浅井 やっぱり“餅は餅屋”ですよね。ぜったいそこは任せた方が良いものができるんですよ。日本ではアクション監督にやらせたがらない監督さんも昔は多くいて…。結果、せっかくのアクションがっていうのが……


虎牙 みんな体張っているのに……というのが。この15センチ、20センチ違うだけでしょぼく見えてしまうというか、アクションそのもののクオリティが落ちて見えてしまうという、もったいない現象になってしまう。今の日本の映画界はその辺りもだいぶわかってきてくれていて。それこそ『るろうに剣心』とかね。


浅井 大友監督と谷垣健治さんでね。


虎牙 『キングダム』とか『HiGH&LOW』とかもね。アクション監督が入るとこんなに違うんだと、最近日本でもやっと根付いてきましたよね。



ダメージを与えない打撃術


虎牙 アクションでは「当てない」とか「怪我しない」とか言いますけれども、怪我する覚悟は持ってますよ、アクション俳優は。ただ、相手に怪我させないようにと。自分が怪我する分にはいくらでもっていうのがあるじゃないですか。


浅井 ありますね。自分が怪我しないようにというのももちろんあるんですけれども、怪我させるよりかは怪我する方がほっとする。


虎牙 こっち側としては「もう当ててくれ!」くらいに思って挑むから。


白川 でも当てても良いと言われても、本番前にテストを30回くらい繰り返すので、ダメなんですよね。1回や2回ならいいんですけれども、10回、20回繰り返すと、ダメージが蓄積する。だから本当に当てちゃダメなんですよね。そこがアクションの厳しさですよね。


虎牙 でもアクションの当て方があるんですよ!


浅井 ミッキーは全力で打ってくるんですけれども、全然ダメージが残らないんですよ。


──その秘訣を教えていただけないですか?


虎牙 こればっかりは難しんですよね。感情的な部分、あえて感情を乗せなければいけないけれども、乗せている自分を見ている自分がここにいて。それってでも、武術でも一緒ですよね。寸止めでもなく、バーンと止めるわけでもなく、当たったタイミングで自分を殺すというか……。ただチカラは相手に伝えたいので、ぐーんとそこに乗せてあげるみたいな。「ドン」じゃない。「スーーン」みたいな(笑)。




[caption id="attachment_15857" align="aligncenter" width="500"] 衝撃ではなくチカラを伝えるやり方を示す虎牙氏。[/caption]

浅井 「スーーン」ってすごいわかる(笑)。


虎牙 するとリアクションがとりやすい。これが最初の壁かもしれないですけれども、覚えるとみんなハッピーです。


白川 リアクションは難しいですよ。普通受けたら首を動かさないようにするじゃないですか。そこを「こう行け」「胸を出せ」と指示が出る。すると頸椎が痛かったですもん!


虎牙 どこを攻撃されてダメージを喰らっているかで、胸を出さなきゃいけないとか、背中でリアクションをとらなきゃいけなかったりとか、違うんです。どの攻撃がどの角度から入っているかとかね。


白川 やっぱり北川先生に“リアクション”やってほしいですよね。映画では“やる側”だったので。


虎牙 でも全部システマで吸収しちゃいますから(笑)。俺が思うに、相手の攻撃の角度の捉え方は一番システマが上手いかもしれない。だって、どの角度から来て流すかはわかっているから。


北川 システマで痛い顔をしなきゃいけない! 次作はボコボコに殴られる(笑)。



演技と呼吸、感情のコントロール


──北川先生は今回、原田監督から直接演技指導を受けられたそうですね。それはどのような感じだったのですか?



北川 演技では自分の中にあるものを出していくというふうに教わりました。その場面のその登場人物を、自分の中にないもので演じるのではなくて、深層にある自分を出していくんだと、ざっくりと言うとそういう風に習って。「ルーム」というものを設定するんです。今自分は何をしようとしているのかの背景を、シーンごとに作っておく。例えば僕が張り込みをしているシーンだと、張り込みをしているんだけれども、これからお見合い相手に会うのをすごい楽しみにしている。だけど、それだけだとウキウキしているだけで、すごい浅いじゃないですか。それによって娘を安心させたいとか。そこに娘への想いとかが出てくるわけですよね。そうやって場面場面を掘り下げていって、演技に臨む。


白川 私はセリフ自体は少なかったんですけれども、台湾語のセリフとかもあったので、まずは日本語でそれを覚えてから、再び台湾語に……。北川先生のセリフの量はものすごく多くて、だからすごく練習したのがわかりますよね。一回北川先生の演技の練習を見たことがあって、あまりにもうまくて驚きましたね。



──演技と呼吸は関係があるんですか?


北川 そうですね。みれどさんというもう一人の演技指導をしてくれた方が教えてくれたのが、呼吸の仕方だったんですよ。呼吸に感情が出るから、呼吸を変えることによって感情表現が全然変わってくるからと。深さとかテンポとか。


浅井 うちの父が私に芝居をやらせたのはそういうところなんですよね。呼吸、感情をコントロールして、人を魅了するために芝居をやれと。「観客を殺せて初めて武術家だ!」と、意味がわからないでしょ(笑)。


白川 場を作って自分に注目させると!!



金髪合気道家の苦悩と尽力


虎牙 僕が「白川先生、大変だな〜」と思ったのは、「映画に出た! 俳優になったぜ!!」とかじゃなく、それをひた隠しにしなきゃいけなかった時期。


白川 髪の色まで変わって、俳優面すんなよと。「調子に乗ってるの? あいつ」とかいろんなことを言われましたよ(苦笑)。


北川 秘密にしなきゃいけない期間が結構長かったんですよね。


浅井 情報公開を長い間できなかった一番の理由は、白川先生だったんです。白川先生が金髪ってありえないじゃないですか。それをひた隠しにしたかった。サプライズでドーンといきたかったんですけれども……


虎牙 それが金髪だけが先走っちゃった。YouTube武術界隈では。


白川 撮影期間中、他のアメリカのTVの取材があった時も、その日だけ黒く染めたんだんですよ。いきなりアメリカのTVが金髪の日本人合気道家を取材してたら、誰を取材しているんだってなりますよね。


金髪にするのも最初は私、ちょっと抵抗があって、「カツラでお願いします」と言っていたんです。武道だから髪染めるといけないんですよね。でもやっぱり浅井先生とか北川先生とか虎牙さんと接していて、みんなこれだけ真剣に映画に向けて情熱を燃やしているのに、私だけカツラは申し訳ないなということで。それで決意して染めました。


──白川先生は出演の合間にYouTube用の撮影もしていたとのことですが、その動画はいつぐらいから公開を予定されているんですか?


白川 映画の公開後ですよね。北川先生の戦闘シーンから全部撮りました(※Aikido Shinburenseijuku - 合気道神武錬成塾「【衝撃】合気道の白川竜次が金髪になります!映画「叢雲むらくも」の舞台裏を大公開。」!!)。


浅井 白川先生が一番苦労されていますよね。自分も出演していて、その後、ずっとカメラ持って……。


北川 役者とYouTuberを行ったり来たりしている。その切り替えがすごいよね。俺も白川先生を見習って撮った方がいいかなと思ったけれども、やっぱりできなかった(苦笑)。

白川 やっぱり現場の大変さを伝えたいなと思ったんですよ。完成した映画は綺麗にまとまっているのですが、これだけ大変なんだよと。1カットにどれだけのエネルギーと時間がかかっているのかがわかると思います。舞台裏じゃないですけれども、それを知ってもらって作品が完成するのかなと。


カットされたシーンが私のチャンネルでは復活して入っているかも。本当はカット割りしないで、連続でアクションしていたんですよ。それもYouTubeで伝えられるかなと。あとは星光さんのスクリーンでは見せない接写。YouTubeならではの近距離で撮れるんですよ。


浅井 気がついたらものすごい近くにカメラがある。なんだろうこれ?みたいな(笑)。


白川 星光さんの美しさも、ありえないほど近くからYouTubeで伝えられる。


浅井 白川先生しかそれ言ってくれないです(笑)。




[caption id="attachment_15860" align="aligncenter" width="500"] 映画出演の傍ら、自身のYouTubeにて共演者の見所まで撮影する超人・白川師。[/caption]

静と動、正気と狂気、武術と炸裂する鞭拳アクション!


──先ほど原田監督とも少し話させていただいて、武道武術をエンターテイメントとして、作品として世界へきちんと発表していきたいとおっしゃられていました。『叢雲』でも道場でのシーン、大会・演武場面がすごく綺麗だったり、静謐に感じられたり、武道に対するリスペクトが感じられました。


浅井 ありがとうございます。撮影がずっと長年一緒にやってきている、『VERSUS』や『あずみ』なども手掛けた古谷巧さんで、武道のこともよくわかっていらっしゃる。あとは監督がちゃんと武道を映し出したいという思いが強いんです。監督自身も元プロボクサーなんですよね。あとは、松涛連盟の空手家・山口貴史先生が本当に審判役として来ていただけたので、山口先生がそこで「セリフもちょっと違う、紹介の仕方が違う」と直してくださって。


虎牙 アナウンスも撮り直しましたよね。まあまあ撮ってから気がつきましたから(笑)。


浅井 山口先生もずーっと言いたかったらしいんです。でもまあまあ撮ってから、「やっぱり言っておこう」と。


虎牙 編集になってからだったら終わってましたから、本当に助かりましたね。



それでは最後に主演、そしてプロデューサーとして、浅井さんの方から本作の見どころを。


浅井 システマの北川先生のちょいだしアクション、そして俳優として演技をがっつりやっているところ、それから白川先生の合気道を凶器に使っているところはここだけでしか見られません。普段だったらやらないことをすべてやっている白川先生。これから狂気の白川先生が映画の中で開花していきます。それを操っているミッキーの狂気……


白川 見たら一瞬で分かるクレイジーさですよね。


北川 みんながどんどんミッキー化していく。


浅井 ぜひそこも見所ですよね。


白川 また何と言っても浅井先生のスーパーアクションですよね。みんなと戦っていますしね。


虎牙 鞭拳を出すのは作品としては初めてでしょう。正々堂々、もう覚悟を決めて「鞭拳」を背負っていますから。なかなかそういう名前を作品に出すって大変じゃないですか。そこがやっぱり一番の見所じゃないですか。


浅井 えー、そうなの!? 台本にそう書いてあったから(笑)。


白川 武術ファンとしては、改めて浅井星光さんの女優としての演技、そしてアクションの素晴らしさ、その二つに注目して欲しいですね。


北川 YouTuberとしてのとぼけたほしみんしかみんな知らないでしょうから。これが本業ですからね。


白川 浅井星光さんの魅力再発見ですね。


虎牙 これからもね、年一でね、『男はつらいよ』シリーズみたいなね。


浅井 『風天の叢雲』ね(笑)。


白川 女性の武術家の活躍も嬉しいですよね。


浅井 あとはこれからの若い世代、ファンマユミだったり、小学生の竹井咲希だったり、彼女らは鞭拳を学んでいますので、また皆さんと戦っていただけるようにしていきたいと思います。




──いよいよ7月28日から公開が始まりますね。劇場で先生方の勇姿を見られることを、楽しみにしています。本日はありがとうございました!

[caption id="attachment_15877" align="aligncenter" width="900"] 7月28日渋谷HUMAXの10時からの回では、上映後、舞台挨拶(浅井星光・虎牙光揮・白川竜次・北川貴英・黒石高大・ファンマユミ・竹井咲希・原田監督・MC : ANGELLA ※予定)も行われます![/caption]




『叢雲 ~ゴースト・エージェンシー~』

公式サイト:https://murakumo-movie.com/
公式Twitter:@murakumo_movie
公式Instagram:@murakumomovie



 

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728日(金)より、渋谷HUMAXシネマほか
全国順次公開

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配給:ギグリーボックス
©2023『叢雲 ~ゴースト・エージェンシー~』製作委員会




◎浅井星光師 関連商品:
DVD『浅井星光 鞭の空手』


◎白川竜次師 関連商品:
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