運動科学総合研究所所長・NPO法人日本ゆる協会理事長兼推進委員。日本極意武術協会会長兼創始師範・剣聖の剣主宰。学術専攻:運動科学・運動医学・運動哲学・運動言語学・身体意識学・高度能力学・細胞哲学・護身学・運動進化論他。武術専攻:剣術・杖術・柔術・合気・空手・槍術・短刀術他。
千葉県生まれ。東京大学卒・同大学院教育学研究科修了。室町時代以来の武術を伝承し各種鍛錬法・医治療法の研究実践家でもあった父親の影響で、幼少時より各種武術・鍛練法・医治療法に親しみ、少年期には更に狩猟・山行に励み、青年期には更に哲学・医学・言語学・物理学・生物学・心理学の独学や各種武道・スポーツ・水中スポーツ・登山・滝行などにも励む。
東京大学大学院では、人間の精神・身体及び高度能力に関する西洋科学と東洋哲学を統合し「運動科学」を創始。その継続研究過程で人間の能力を根底から支える本質である「身体意識」を解明し、更に「身体意識」が精神と身体の境界領域に存在する第三の領域であることをも解明し、その知見をもとに『意識のかたち』『身体意識を鍛える』『センター・体軸・正中線』『上丹田・中丹田・下丹田 』などの著書を発表。
スポーツ・芸術領域において、ゆる体操に始まり自ら開発した多数の専門的な「高度能力開発法」を使い、数多くの競技選手・チーム・音楽演奏家・舞台芸術家を育成・支援し、オリンピック金メダル・国体6連覇や国際的な芸術コンクール入賞・芸術賞獲得など大きな成果を挙げてきた。
運動科学の理論と方法の実証実験として、自ら40歳で始めたスキーにおいてゲレンデ練習23日で現役の全日本優勝スキー選手の2倍以上の速度で滑るという実技能力を達成した。このトップ選手を2倍以上の速度で抜き去る滑りはNHK総合TVでも生放送された。またもう一方の運動科学の実証研究として、「運動科学の理論と方法を使うことで凡人を後天的に天才に育てることができる」という、凡人にとって夢の「後天的天才仮説」を提示し、約30年の歳月をかけ3人の後天的天才を育成することに成功し、仮説を実証した。その3人が日本舞踊家の花柳壽惠小英・ニュルブルクリンク優勝レーサーのクラゴン・日本伝統舞台芸術の某役者である。
東西の医治療法の研究を通じて『身体調整の人間学』などの著書を発表したが、一対一の医治療法の限界を打ち破る運動医学的発想転換を課題に、音楽や映像文化の一対多の論理で人間の生命・健康を護る方法を創造すべく研究を重ね、医治療法にも勝る効果を最低のローコストで実現する一対多の「ゆる体操」システムの開発に成功。2002年に三重県健康長寿事業で初採用、その後全国各地の自治体に正式採用され、医療機関の処方から助産施設の妊産婦ケア・トレーニング法としても採用されるなど、健康・医療・助産・介護など多方面の領域のインフラとして浸透している。
現在は、日本でトップレベルのスポーツ選手・舞踊家・音楽家・俳優・企業経営者・国会議員・大学教授・医師などに「高度能力開発法」を指導しながら、幅広い人々に「ゆる体操」を普及し、オリンピック選手から高齢者・妊産婦にいたるまで、多くの人々に支持されている。東日本大震災後は復興支援のため、ゆる体操プロジェクトを指揮し、2万5千枚のゆる体操手ぬぐいの無償配布をはじめ、自らも被災者の健康維持と疾病予防を目的にゆる体操による指導・支援にあたった。著書は『究極の身体』『宮本武蔵は、なぜ強かったのか?』(講談社)、『武道の科学化と格闘技の本質』(恵雅堂出版)、『極意化の時代』(BABジャパン)『一週間ステップアップゆる体操』など100冊以上におよぶ。
「ゆる」は本来「由流」という漢語で表記される概念であり、「森羅万象の根本法則は流動である」との意味を担い、「ゆる思想(YURU Ideology)」の根本原理を示す概念である。インド発祥で人類の普遍的文化として世界普及したヨガに、その理論的・方法的体系性において匹敵し、ヨガとはまったく異なる発想・原理で構築された、日本発祥の本格的心身行法哲学として、「ゆる理論(YURU Theory)」と「ゆる行法(YURU Practice」を包含する「ゆる思想(YURU Ideology)」を開発し、2014年8月の『THE POWER OF BODY AWARENESS』(by BABEL PRESS)の海外出版を皮切りに、YURU Ideology 世界普及事業に着手する。
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