【巻頭】漫画家・細川忠孝先生に訊く『ツワモノガタリ』制作物語
リアルな流派の技法で迫る!「幕末最強の剣客とは?」
【特集】小よく大を制す!
武術の工夫、逆転の方法論
【新連載】作家・細川呉港、執筆
田辺又右衛門の口述筆記に記された柔道vs柔術“闘いの秘史”
【注目記事】藤原将志 主宰「画期的打撃稽古会」を直撃!
“技の爆発力”を体現する「秀徹」一撃必殺の鍛錬
月刊秘伝2022年1月号が、12月14日(火)に発売されます。
巻頭の「今月の秘伝なヒト!」は、大注目の“幕末最強剣士譚”を描く漫画家の細川忠孝先生に、『ツワモノガタリ』制作秘話について物語っていただきました。実際の古流道場への綿密な取材と、漫画家ならではの想像力と筆勢で迫る連載作品『ツワモノガタリ』の魅力に迫る!
特集は、「小よく大を制す! 武術の工夫、逆転の方法論」です。取っ組み合いや殴り合いにおいては、体格に勝るものが断然有利であり、「小が大を制す」ことは困難を極めます。だからこそ、「小よく大を制す」は、武道の一つの理想として捉えられ、多くの武道家がその実現のために技術を磨き続けてきました。しかし、古くから伝わる武術には、その理想を体現するための術理が元より備えられている。本特集では、武術が有する「小よく大を制す」ための知恵と工夫を紹介するとともに、「小が大を制す」ことがより困難である競技武道も取り上げ、体格差に負けない心身の鍛え方に迫りました。
特集序章は、体格差を覆すことがいかに難しいかについて言及した上で、武術の世界に存在した「小よく大を制す」を体現してきた達人たちを幾人かあげました。競技武道や格闘技との比較も示しつつ、日本の武術が有する「体格や体力を凌駕する智慧と工夫」について紐解く。
第一章は、「小よく大を制すための“戦略”」。「大男に名人なし」と喝破した、太気拳(太気至誠拳法)・澤井健一宗師より全伝を受け継いだ岩間統正師に、「小能く大を制す」ための戦略を自身の体験と共に語っていただきました。オランダの巨人、ヤン・カレンバッハ師との戦いを通じて磨かれた、“手が触れた瞬間に勝負を決する”究極の兵法を紹介します。
第二章は、「小よく大を制すための“心身”」。新極真会の緑健児代表が登場。1991年、極真空手第5回全世界大会を制したのは、「小さな巨人」と謳われた緑健児選手でした。自分よりはるかに大きい選手たちと何試合も戦い抜き、優勝を勝ち取ることができた要因には、徹底的に鍛え抜かれた心身の充実があった。緑代表に選手時代のことを聞かせてもらうとともに、2019年の世界大会を制した現役選手の南原朱里選手にも協力いただき、極真空手における「小能く大を制す」ための鍛え方、戦い方に迫りました。
第三章は、「小よく大を制すための“術”」。塩田剛三師範の直弟子にして、養神館合気道龍を主宰する安藤毎夫師範に、なぜ塩田師範が154センチの体格で、自身よりはるかに大きい相手に対しても“効く”技を生み出すことができたのかについて解説してもらいました。塩田師範が、合気道の技術の根源として表現していた「腰が乗る」とは、どのような技術なのか? その要諦が明らかになる!
第四章は、「小よく大を制すための“剣理”」。特集最後の章は、日本武術の要たる剣術の理合について。長短さまざまな武器が戦い合う古流において、「小よく大を制す」はどのような理をもって成立させたのか? 名門「小野派一刀流」の小太刀技法について、同流を伝えた笹森順造先生に直伝を受けた白嶺北天会の宮内一先生にお話を伺いました。
特集以外にも注目記事が続きます。
◎柳生心眼流兵法術・吉田朗師範と、吉田師範の先輩である沖縄空手道剛柔流尚礼館・飯嶋利夫師範。「柳生心眼流と剛柔流」、二つの武術を知る両師範に、相手を弱体化させて勝ちを得るための“術と技”について、伺いました。
◎武道やスポーツなど、あらゆる運動にとって重要な要素である「脱力」。では、正しい脱力とは、どういう身体の使い方を指すのだろうか? 長年武術を修めてきた広沢成山師範は、「それは、ただ力を抜くことだけを言うのではない」と説きます。力を適切にコントロールする技術を身につけるための考え方とトレーニング法を解説してもいました。
◎江戸城無血開城の立役者にして、一刀正伝無刀流の開祖・山岡鉄舟。禅によって剣の道を極め、剣によって禅を深め“剣禅一如”の境地へたどり着いたという鉄舟の人物像を、新進気鋭の歴史学者・濱田浩一郎氏に前後編にわたって紹介いただきます。この“ラストサムライ”から現代人こそ学ぶべき、「武士道」について考え直してみたい。
◎空手の世界チャンピオンをはじめ、多くの著名な空手指導者や格闘技選手たちが、その無類の“技の威力”に教えを請う道場「秀徹」。武術・格闘界を席巻せんとする「秀徹」の誕生秘話と、その特徴を直撃取材。驚異的な“爆発力”を生む、その稽古の模様を公開します!
◎“勝つ”ことよりも、“負けない”術(すべ)を構築することを提唱する「剣─TSURUGI─護身術」。その創始者である通称ヒーロ黒木師は、大東流合気武道に出会い、武術の深奥に触れるとともに、独自の護身武道を体系づけた。一般人はもちろん、企業の護身研修や教育機関における防犯指導などでも広く活用される、「敵を倒さず、無事帰宅する」ことを旨とする考え方と技術の一端を紹介いただきました。
◎柔道は柔術の初期段階だけで成立した!? 90年の時を経て、今初めて明らかになる柔術秘史。明治以降、柔道創成期の影で、江戸時代から各藩、各城に伝わっていた多くの技が柔道の普及とともに失われていく過程を、作家・細川呉港氏により発見された不遷流柔術第四世・田辺又右衛門の「口述筆記」より、今初めて明らかにします!
◎合氣道の理合は剣の理合であり、真剣を用いる居合と合わせて稽古すれば、さらなる高みに達することができる。山梨学院大学教授にして、書道十段・合氣道八段を持ち、国際居合道連盟鵬玉会の国際委員会委員長及び山梨支部長を務めるウィリアム・リード師に、自身が発見した居合と合氣道の相乗効果についてご紹介いただきました。
そして、◎現代を生き抜く智恵をニンジャの術と心に学ぶ山田雄司氏の「忍の細道」(最終回)、◎元・一ノ矢こと松田哲博氏が相撲に秘められた身体文化を物理学的視点で解き明かす「漱石と寅彦の『相撲の力学』問答」、◎真北斐図師範が”十牛図”の流れとともに様々な瞑想法を紹介する「十牛図と瞑想法」、◎初見良昭宗家より二流派の家元を相伝した逆井則男師範の「”双伝!初見神流”──武神館武道の極意」、◎黒田鉄山師による直問直答「鉄山に訊け」、◎高岡英夫師が開発した「歩道」を解き明かす「歩きで鍛える”歩道”入門」、◎今は失われた日本槍術流儀の技法の復元・復興を試みる全日本槍術連盟・石川哲也代表による「失われた“戦場の華” 槍術の復元・復興」、◎日野晃師による”武道”的エッセイ「武道者徒歩記」、◎刀剣ジャーナリスト・土子民夫氏による「戦後日本刀事件史」、◎鍼灸師の宮下宗三氏が過去の医学書群から現代に効く養生法を示す「温故知新養生法」、◎武道ライター・ミリアレシス氏が世界の道場を紹介する「世界の古武道道場通信!」、◎古武術研究家・高橋賢師が迫る古流柔術の謎とロマン「”日本柔術師”新研究」など、大好評の連載陣も必見です!
内容充実の「月刊秘伝2022年1月号」は、12月14日(火)の発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでお求め下さい。