HOME > 達人・名人・秘伝の師範たち > イミ・リヒテンフェルド Imre “Imi” Lichtenfeld – クラヴマガ

イミ・リヒテンフェルド Imre “Imi” Lichtenfeld – クラヴマガ

イスラエルの武道家、クラヴ・マガ創始者。イミ・リヒテンフェルドは1910年5月26日、ハンガリーの首都ブダペストに生まれ、スロバキアの首都ブラチスラヴァに育ったユダヤ人である。警察官であり、部下に制圧術や護身術を指導していた父親から実戦的なストリート・ファイトのテクニックを学んだイミは、同時にボクシング、レスリング、体操などの選手として活躍、数々のタイトルを獲得したアスリートでもあった。しかし1930年代に反ユダヤ主義者によるユダヤ人迫害が始まると、イミはファシズムを信奉する暴漢たちを相手に、来る日も来る日もストリート・ファイトを戦い続けることになる。そして、このときスポーツ競技としての格闘技には、街中で遭遇する”実戦に役立つ要素が非常に少ないことを実感したという。そこでユダヤ人による自衛団の先頭に立ったイミは、父から学んだ実戦のテクニックを基に、短期間で習得できる簡単且つ実用的な護身術を考案し、これをブラチスラヴァ在住のユダヤ人たちに指導した。このとき考案されたテクニックが、クラヴマガの母体となっている。その後、ナチスによる迫害から逃れるためパレスチナに脱出したイミはユダヤ人による軍事組織ハガナーの一員となり、イスラエルの戦闘員やパルマッハ(突撃隊)に近接戦闘術を指導した。1948年にはハガナーを中核としてイスラエル国防軍が設立されたが、イミはそこで1964年に退役するまで教官を務め、退役を機に軍の承認を得て、軍事教練として指導していた技術を護身術として民間人にも教え始めた。これが現在のクラヴマガの出発点となっている。その後、国外でもクラヴマガが教えられるようになると、警察・軍関係向けのトレーニングとして採用されるなどして知名度は高まり、世界中へ普及。多くの愛好家から護身格闘術として支持されている。1998年1月9日、創始者イミは88歳で亡くなった。





▶ キーワード検索

ページトップへ