月刊秘伝10月号が9月14日(土)発売となります!
巻頭記事には、シリーズ"Next Generation秘伝の継承者たち!"特別版として、新陰流兵法二十三世・渡辺忠久先生(新陰流兵法転会)が登場。剣聖・上泉伊勢守信綱を祖とする 天下の名流の系譜を今に受け継ぐ若き後継者に、 新陰流を伝えることへの想いをたっぷりと訊きました。インタビューには先代の渡辺忠成先生も同席、忠久先生とともに新陰流 本伝 「猿廻」も披露いただきました。
本号の特集は"秘伝的現代武道考"と称して、「演武と形試合」についてさまざまな角度から論考します。古来、"教えを隠す"という秘匿性も秘めていた型(形)は、 現代においては試合競技や演武という 新たな"見せる"側面も発達させてきています。 本特集では、空手・武術太極拳・躰道・少林寺拳法という 現代を代表する武道が、「形試合」や「表演」「演武」において それぞれ独自の工夫と研鑽を重ねてきた様子に 焦点を当てて迫ってみました。
特集序章では、沖縄から日本、そして世界へと拡がった空手を例に、形(型)という武道が蔵する遺産が、いかなる目的を持ち、困難を乗り越えて「形競技」という新しい分野を確立したのか、その歴史について、WUKO第6回世界選手権で男子形の部を制した小山正辰氏に話をうかがいました。
続いて第1章では、空手界において初めて、公式試合として「形試合」を実施した日本空手協会の事例を紹介。先日開催された「第62回全国空手道選手権大会」の結果も踏まえて、 連綿とその伝統を堅持してきた日本空手協会の形試合の変遷と現状、そして形と組手が両輪となす武道空手の根幹について、同会の泉屋誠三師範(日本空手協会常任理事。第40回大会総合優勝)にお訊きしました。
第2章では「武術太極拳の表演」について紹介。中国武術における形試合である表演競技。 その国内最高峰の大舞台である 全日本武術太極拳選手権大会の模様から、 表演競技が秘める伝統武術の粋を考察しました! お話をうかがった竹中保仁先生(同大会審判委員会副委員長)は、「表演では武術としての攻防の理解と、勁の存在」が欠かせないと語ります。表演の世界で頂点に輝くためには、速さや美しさだけでなく、 極めて伝統的な武術性が必要とされるのです。
第3章は「躰道の法形と展開競技」について、注目の躰道家・中野哲爾教士(己錬館主宰)を直撃。躰道において基本の姿勢・突き・蹴りが三次元空間を駆使する武技へと変幻自在に生まれ変わり、それらの武技が法形(空手でいう「形」のような一連の単独攻防)においてどのように構成され、創作演武である「展開競技」へと発展するのか。"新技創造"を理念に掲げ、それをなし得る躰道の体系は必見です!
第4章では「少林寺拳法の組演武」の意義について、少林寺拳法連盟理事・井上弘先生をインタビュー。二人の拳士が攻守を交代しながら技をかけあう組演武。そこには開祖・宗道臣が込めた「相手とともに進み、相手とともに上達を楽しみ、"自他共楽"の道として楽しく修行できる」という"人作り"の理念と方法が明確に見て取れます。また、演武で問われる"護身の技としての強さ"を、いかに少林寺拳法の体系が創り上げているのか、そのキーポイントについてもご教授いただきました。
そして、特集の最後を飾るのは、凱風館・内田樹先生による特別コラム「能楽と武道」。型稽古を極めし芸能者たちが上がる「舞台」という本番、 そこに立ち現れる芸の動きと観衆が目にする武術性とは!? すべての武道修行者必見の寄稿文をぜひお楽しみ下さい!!
特集以外にも注目記事が盛り沢山。
◎「ミカエル&ダニール ・リャブコが見せた 『非接触制敵の原理』─ロシア武術システマ"ノンコンタクトワーク"」 触れることなく相手を崩してしまうという、 武術ロマン溢れるこの"秘術"を、 "現代の達人"ミカエル師とダニール師は いかに解き明かしてみせるのか!? 大注目のセミナーの模様を北川貴英師(システマ東京)がレポート!
◎「滄州武術館日本支部『滄州劈挂拳講習会』」本邦中国武術界で数々のタイトルをものにした 古謝雅人館長による、 〝武術の郷〟滄州の伝統拳術の深みには、 中国武術全般に通じる身体作りの要が存在します。 多くの他門派指導者からも注目される"変幻自在にして強烈無比! 全身鞭化の身体養成法"とは!?
◎ネット放送番組『EDGE OF JAPAN』にて、特別対談が実現!「ウィリアム・リード(書道十段・合氣道八段)×サカクラカツミ(パフォーマー 「ORIENTARHYTHM」主宰)」"青い目のサムライ"と世界的パフォーマーが、 世界に誇る日本武道・文化の「カッコ良さ」を再発見!
さらに必見の記事が勢揃い!!
◎「相手を掴まず、 掴ませて投げる!『合気投げ』の極意』大東流きっての実戦派として知られる石橋義久師範が、 達すれば神技のごとき威力を発揮するともいわれる、 この大東流独自の投げ技の極意を徹底解明!
◎「居合・体術に 変革をもたらす手形『浮き握り』とは!?」石田泰史師(武術操身法・遊武会)が無双直伝英信流居合術を中心に、様々な武術と身体の追究から石田師が見出した手形 「浮き握り」を伝授! 居合・体術における動きの質そのものを大きく変革する 独自の手之内とは!?
◎「古伝空手の突きを求めて─深部にまで 到達する"勁力"に迫る!」国際武道連盟 極真空手 清武会 西田幸夫師範が、中国武術、大東流合気柔術、沖縄空手などの長年の追求の果てに導かれた〝空手の極意〟「古伝空手の突き」について解説。
さらにさらに、
◎福岡雅巳が綴る「秩父柔術史跡紀行 (前編)」
◎異色対談:加来耕三(作家)×真仙明(転神流)「ゲームの世界へ浸透する"武道の世界の極意"」も掲載!
そして、◎山田雄司「忍の細道」、◎真北斐図「図形と武術」、◎今野敏「探究! チャンミーグヮーの手(ティー)」、◎修武堂・小山隆秀「ツガルの剣」、◎池本淳一「中国伝統武器の手触り」、◎長谷川智「"修験道"是即ち身心向上」、◎黒田鉄山「鉄山に訊け」、◎高岡英夫師創始「総合呼吸法が導く呼吸の達人 第三教程編」、◎日野晃師「武道者徒歩記」、◎那嵯涼介「What is CATCH-AS-CATCH-CAN?」など、大好評の連載陣も必見です!
内容充実の「月刊秘伝10月号」は、9月14日(土)の発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでお求め下さい。