月刊秘伝2022年6月号
身体開発法の横綱 「相撲トレ」腰の力の鍛錬!
四股・腰割り・すり足・テッポウ
◎第一幕 漱石と寅彦と“一ノ矢”の
ハッケヨイ!「大相撲量子論」問答
◎第二幕 二所ノ関親方(元・稀勢の里)×松田哲博
ごっつぁんです!! 「横綱の“極み”稽古論」
◎第三章 武術格闘家・菊野克紀&合気道家・白川竜次の
ガチンコ!!! “秘伝”相撲鍛錬「四番」稽古
本DVDは富樫宜弘総帥率いる梁山泊空手独自の技術を紹介したものであり、テーマは「タメ」だ。
例えば、シンプルな「追い突き」も、足から腰から体幹から、全部をダイナミックに使う。筋肉は縮める前に伸ばす事によって大きな力を合理的に出す事ができるが、この伸ばしこそが「タメ」だ。
突く手をその直前に柔らかく大きく引く。これによって体幹がダイナミックに稼働するようになり、大きな威力を生み出すようになる。一見、動きが大きくなるので「相手に読まれやすくなる」懸念から忌避されやすい操作だろうが、これこそが、最大の威力を生み出すために、まず体に思え込まさなければならない操作なのだ。最初から読まれにくい、早く小さい動きから始めて威力を高めていこうとしても、なかなか思うようにいかない。それは、稼働すべき部位が最初から働かないままだからだ。
最大稼働を体が覚えてしまえば、それを小さくシャープにしていく事は比較的容易い。この「最初に”最大稼働”を体に覚えこませる」という原理を、梁山泊空手は大切にしている。
梁山泊空手は「一打必倒」を掲げているが、ともすればこれを絵空事と感じる方が多いかもしれない。しかしこのDVDを見れば、それが一挙に現実味を帯びてくる。これは本来の空手の姿なのではないだろうか。
巻末には、富樫龍一師範による実戦レベルに昇華された動きが示されているが、これが圧巻。最小限の動きに見える連打が、サンドバッグを宙に浮かせ続けるほど。「タメ」を利した体動がここまでシャープに威力あるものになるのかと驚かされる。
梁山泊独自の技術ではありながら、ここに伝えられているのは「原理」であり、稽古法は誰にも応用がきくだろう。突きの他にも蹴りやステップワーク、防御なども含むバランスの良いコンテンツで、ぜひとも参考にしたい一本だ。
DVD『空手革命─振り抜く拳”タメ”で突く!』
指導監修◎富樫宜弘
紹介動画◎梁山泊空手・富樫宜弘総帥 一撃打倒を目指す!最大威力を生み出す”タメ”の養成
関連作品◎書籍『柔らかい空手』