月刊秘伝2025年4月号
■特集 “一撃粉砕”を実現する、鋼の拳足獲得への想い
人体の武器化とその必然
試割る鍛錬
◎第1章 岡崎寛人 (極真館)
「試し割り」の中に空手の原点を見る!
◎第2章 空手道尚武会
“試割りの達人”藤本貞治が示した鍛錬の精華
◎第3章 朴禎賢 (テコンドー・ファラン朴武館)
テコンドー 技の威力への矜持
◎第4章 上地流空手道振興会修武館
「試割り」は攻撃のみならず 上地流空手“キタエの矜持”
……
今、世界から最も支持を受けている武術家と言えば、忍術伝承者として知られる初見良昭宗家だろう。世界から初見宗家のもとに学びに来ているのは、軍や警察のバリバリの実戦部隊だ。伝統文化の"カタチ"を学ぼうというのではない。シビアな現場で"使える技術"を学びに来ているのだ。
初見宗家が主宰する武神館では、師である高松寿嗣師から受け継いだ「戸隠流忍法」「神伝不動流打拳体術」「虎倒流骨法術」「高木楊心流柔体術」「九鬼神伝流八法秘剣」「玉虎流骨指術」「義鑑流骨法術」「玉心流忍法」「雲隠流忍法」という九つの流儀が伝承、教伝されている。
やらねばならぬ事が多い、というよりは、あらゆる手段を尽くすのが忍術の本質である、と言った方が正しいだろう。そんな多彩な武神館武術のうちの、武器を用いた技術群をまとめたのが本書だ。剣、槍、棒、薙刀、仕込杖、鎖分銅......と、本書で取り上げた使用武器だけを列挙してみても実に多彩。
今や多彩な武器を駆使すると言うよりはもはや、"指一本"で暴漢を制圧してしまうレベルに達している初見宗家の、バックボーンとなっている技術を見て取れる、貴重な一冊となっている。
本書は『月刊秘伝』に掲載された連載記事を編集・再構成したもので、武器術をまとめた本書に対し、徒手技術を収録したものが「体術編」として別途刊行される。
いずれも、本当に実戦に通用する武術がどんなものかを示しつつ、初見良昭という稀代の達人が何によって成立しているかを明確に示す、重要な技術書と言えるだろう。
書籍『初見良昭 武神館の秘法 忍術教伝(武器術編)』「月刊秘伝」編集部 編