秘伝2015年8月号

特集　発動！背骨の力
動きと強さのバックボーン

頭蓋骨を支え、身体の真ん中を貫き、骨盤へと至る〝背骨〟は、武道やスポーツはもちろんのこと、日常の動作においても、身体を動かす行為の多くに関わっている。つまり、身体の幹とも言える背骨をいかにうまく動かし、その力を運動のエネルギーへと変換するかが、身体機能を高める大きな要素となるのだ。本特集では、背骨の力を活かして用いている武術家、医師、トレーナーに、強くしなやかな背骨を作る方法と、その運用方法を紹介いただいた。そこから見えてきたのは、ケガを防ぎ、動きの質を高め、そして心身の向上にも繋がる効果であった。

特別記事「SYSTEMA MASTERY SEMINAR 2」
ミカエル＆ダニール・リャブコセミナー　特別対談：日野晃（日野武道研究所）

第１部：セミナーレポート「システマ式近接生存術　近距離での心の余裕」

第２部：特別対談　ミカエル・リャブコ×日野晃　盟友三たび、邂逅する！「防衛本能を欠いた日常─重心と恐怖心」



いつも気になる、システマ創始者ミカエル・リャブコ師の佇まい。
「悠然、自在、包容……」あの余裕はどこから来ているのだろう？
本記事では、ミカエル＆ダニール・リャブコ来日セミナーの模様と、
「日本武道の雄」日野晃師範との対談を通して、
システマとその創始者の心の余裕に“近距離”から迫りたい！

武道・格闘技の組技力を磨く、画期的“一人稽古”
次世代型身体練法
「中井祐樹メソッド」

総合格闘技の黎明期……修斗ウェルター級王者として熾烈を極めた「バーリトゥード・ジャパン95」を戦い抜き、その代償として右目を失明しながらも柔術家として再起し、日本の地にブラジリアン柔術を根付かせた格闘技界の〝レジェンド〟——中井祐樹師。
そんな中井師が自身のルーツである高専柔道やレスリング、柔術の動きを統合・整理して考案し、幾人もの王者を育成したのが単独トレーニング「中井祐樹メソッド」だ。
それは打撃・組技系のみならず武道・格闘技の垣根も越える、次世代型身体練法である。

ＹＳＰＣ 渡邊康人
〝一大事なら身体は動く！〟 進んで身体が機能する本質的手段
「コンセプトが導く 身体コントロールの真理」

ＹＳＰＣ──ヤッシーズ・セルフ・プロテクション・コンセプト、
あるいはヤッシーズ・シークレット・プリンシプルス・オブ・コンバットの頭文字からなる「ワイエスピーシー」、
これを提唱する渡邊康人師は、古今東西の武が内在する「事前に防衛するという準備としての護身コンセプト」を
体験的かつウィットに富んだ具体的なレッスンで、単なるセルフディフェンスに留まらない
「セルフプロテクション」を指導している。そんな師に今回、脱力や身体操作ではないところから展開する、
動物的本能に基づく身体コントロールについて御寄稿いただいた。

次号予告

身体機能を変革し、“武術を完成へと導く”秘密とは!?

八卦掌

神秘の拳法の実像へ迫る

◎“中国拳法“八卦掌とは何か？◎伊与久大吾師範「“奇正相生”姜氏門八卦掌の身体」◎藤本靖×本田唯人「走圏を解く」◎臼井真琴「八卦完成」etc.

・「鼎談！　武術と医術の最前線」　時津賢児×矢山利彦×松村浩道

“脳・意識・量子論”現代医学が解明する合気現象

・中島章夫×浅谷康（「地球体操」創始者）×北川貴英

身体を自在に操る“重心力メッソド”に迫る！

・潜入! 忍者講座　久松眞三重大学名誉教授

忍びの携帯食「兵糧丸、水渇丸」を科学する！

・河野智聖師範が体験したシステマストライクの衝撃！

動体学からみた「ミカエル・リャブコの達人性」

・蕨合気道会 田中安彦師範が語る「西尾昭二の合気道」

「体術、剣、杖、居合道」西尾式“合気道”探求法

・新連載！ 　日本刀の原点とは何か？

大村紀征「私論・百花繚乱“戦う日本刀”」

・好評！連載・福井雅一「首里手三大要素と“達人技”への手引き」

・浅山一伝流・関展秀「武石兼相と常陽古流武術の系譜」

・快調！隔月連載・安田洋介「太極遊戯──練拳秘訣──」