月刊秘伝11月号が10月12日(土)発売となります!
巻頭記事には、剣道で養った勘をキックボクシングの世界で活かす異色のキックボクサー、吉野友規選手にお話をお訊きしました。直線的な前後の主となる剣道と、リングの中を縦横に動き回りながら相手を追い込んでいくキックボクシングとの違い、その中で「足から踏み込んでいくことの大切さを再確認した」という吉野選手の実感は、武道・格闘技といった枠を超えた、戦いの真理を垣間見せてくれました。
続く本号の特集は、沖縄の二大潮流の一方を担う"那覇手"の伝統を堅持しつつ、本土においてはいち早く「組手(自由組手)」への試みを開始して、堂々、四大流派の一角をなした「剛柔流」空手を大特集。
序章「謎に包まれた、その誕生"剛柔流"とは何か?」に始まり、第一章では、「剛柔流拳法」を名乗った初期を頃から連綿と受け継がれたその身体作りに焦点をあて、沖縄空手道拳法会(久場良男師範主宰)の静岡県支部を預かる剛琉館の佐藤哲治師範に「全ての技の源泉となるチンクチ・ガマクの養成」について解説いただきました。
続く第二章では、開祖宮城長順の高弟の一人として、本土で剛柔流普及に尽力した渡口政吉師範の薫陶を受け、現在、宮崎県で尚禮舘を主宰する平川樹高師範に、「"型の裏を読む"実戦技法」を生み出す、渡口伝「解裁」の考え方と技法を御紹介いただきました。
また第三章では、本土空手黎明期に「自由組手」への試みを開始した山口剛玄師範の直系としてその御子息、山口剛史師範が牽引する「全日本空手道剛柔会」が実施する、競技としての「自由組手」を題材に、同会が連綿と培ってきた"剛柔流ならではの技法体系"について、様々な角度からお話をお訊きしました。
そのほか、コラムとして、空手史研究家でもあり、WUKO第6回世界大会男子形王者でもある小山正辰氏に、剛柔流と競技空手との関係性についてまとめていただいた「競技空手と全空連剛柔会」、また、フルコンタクト空手の総本山「極真空手」を生み出した大山倍達師範と剛柔流をの関わりを、その技術体系の面から考察いただいた極真館首席師範の岡崎寛人師範による寄稿文など、「剛柔流」が織りなす未曾有の空手ワールドを俯瞰する内容となりました。
また、特集以外にも注目記事が盛り沢山です。
◎「梶原一騎と燃焼の時代」 "スポ根"というジャンルを築き上げ、日本の劇画史に燦然と輝く作家、梶原一騎。『空手バカ一代』『あしたのジョー』等々、武道・格闘技の世界へも多大なる影響を残したこの巨星とは、一体、何だったのか? 独自の視点から改めて考察してみました。
◎「大村紀征『真説"戦う日本刀"特別編─日本刀に関する一考察"刀は祈り"の真意」実用としての日本刀の在り方について、現代の刀剣界へ一石を投じた本誌好評連載「真説"戦う日本刀"」の特別編として、著者・大村紀征氏が改めて「日本刀とは何か?」を問う特別企画です。
◎「マエストロ・ラヲヨが示す! イタリア伝統ナイフ術」イタリアにおいては「騎士の道」を象徴するものであるというナイフ。その伝統技術を基に、現代に適したナイフ・システムを作り上げたラヲヨ氏による注目のセミナーをレポートしました。
さらに必見の記事が勢揃い!!
◎豊かな武芸文化を今に遺す、"火の国"の「水の達人」小堀流踏水術第十一代師範、古閑忠夫師範に訊く「肥後国熊本藩の『游と武芸、人づくり」。
◎開祖植芝盛平の技術を探究する、「成城合気道クラブ」主宰、飯田イチロオ師範による「植芝盛平翁の合気道研究稽古」レポート。
◎「伝統」と「競技」が織り成す百花絢爛の功夫フェスタ「第8回世界カンフー選手権大会」の現地参戦レポート。
さらには、
◎隔月連載「身体論者・藤本靖の意識のホームポジション」では特別編として、『「古典フラ」から「生命力」の極意を学ぶ』と題した、古典フラ演者の河合夏美氏を迎えてのコラボ・セミナーの模様をお届けします。
◎同じく隔月連載としてリニューアルされた、高橋賢氏の「"日本柔術史"新研究」や、重低音と倍音が導く"超心鋭"の境地「ディジュリドゥ瞑想」を提唱する星祐介氏の御紹介など、注目記事が目白押しです。
そのほか、◎山田雄司「忍の細道」、◎真北斐図「図形と武術」、◎今野敏「探究! チャンミーグヮーの手(ティー)」、◎修武堂・小山隆秀「ツガルの剣」、◎池本淳一「中国伝統武器の手触り」、◎黒田鉄山「鉄山に訊け」、◎高岡英夫師創始「総合呼吸法が導く呼吸の達人 第三教程編」、◎日野晃師「武道者徒歩記」、◎隔月連載・倉部至誠堂「合気速習 next stage」、◎合気道錬身会「第12回全国大会」レポートなど、大好評の連載陣も必見です!
内容充実の「月刊秘伝11月号」は、10月12日(土)の発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでお求め下さい。