月刊秘伝2024年4月号
■特集 “浸透する威力”獲得法
長大武器に学ぶ身体革命!!
◎第1部 武壇日本分会 大柳勝
李書文が極めた六合大槍の発勁
◎第2部 葉問派梁相系詠春拳 新部敏
六點半棍が養う“胴体力”
◎第3部 陳氏太極拳 安田洋介
纒絲勁を鍛える春秋大刀の効用
◎第4部 許式意拳・六合八法 許傑華
大杆子を通じた意拳站樁へのアプローチ
◎コラム 尾張貫流槍術 赤羽根大介
二間槍が導く尾張貫流の真価
■巻頭グラ ……
氣空術とは空手家、畑村洋数が長年にわたる修練の中で編み出した武術です。それは筋力に頼ることのない、日本武道の奥義と言われる「合気の技」を用いています (注:合気道とは異なります) 。稽古では氣空術独自の「二方向」、「二触法」などの動きで倒す、投げる、崩すという技術を体得しますが、従来の筋力行使による技とは異なります。また、関節を決めるような技でもありません。一言で言うと、相手に対処しようとする反応を起こさせない技。これが正しく決まれば抵抗感なく、気持ち良く倒し、倒されるのです。力対力の衝突、ぶつかり合いではなく、柔らかく自然な動きを行使する事で技ができる…ここが氣空術のポイントです。通常の意味で言われる肉体的な鍛錬はしないため、武道、武術の経験者から未経験の方や女性、年配の方まで幅広く学べる稽古が行われています。
・技に活かせる基本を学ぶ!
氣空術の稽古は身体の柔軟性を高める独自の操体法から、基本である「くっつく掌」、「合気起こし」、「合気上げ」「重みは真下の感覚会得」などを行います。初めて、これを体験される方は「こんなことがどう、技に応用されるんだろう」と戸惑うかもしれません。しかし、こうした動きを体内感覚でつかんでいくことが実際の技に応用・発展していきます。
・力を入れずに力を出す!
氣空術の重要な基本キーワード。それは「力を入れずに力を出す!」です。人間が本来、有する無駄のない動きを培う稽古。筋力由来のスピード、パワーの技ではありません。通常の武道とは違い、「鍛える」のでもありません。だから、武道・武術・格闘技未経験者の方でも、あるいは非力な女性でも無理なく、その技や動きをつかめる稽古内容になっています。
・自然な動きを感覚でつかむ!
氣空術の技は「合気」という武術の動きを術として、体系化したものです。代表的なものとして、相手に対処しようとする反応を起こさせずに投げ、崩す「二方向」、「二触法」などの技がありますが、いずれも型稽古、演武的な稽古をするのではありません。僅かな圧と結びで合気をかける。その感覚を心身両面にわたって、体感しながら習得していきます。