宝蔵院流槍術(宗家:一箭順三)の護持組織である「奈良宝蔵院流槍術保存会」は、6月13日(土)の総会において、会長職に花山院弘匡(かさんのいん ひろただ)春日大社宮司が選任されました。
※宝蔵院流槍術は、柳生新陰流とならび、約450年前に興福寺の子院である宝蔵院住職「胤栄」が創始した奈良発祥の古武道。
宝蔵院流の槍は、鎌槍と称する十文字型の穂先に特長があり、胤栄は興福寺境内の猿沢池に浮かぶ三日月を突き鎌槍の技に工夫し、宝蔵院流を創めたと伝えられている。
宝蔵院流の鎌槍は攻撃と防御の両方に優れ、やがて全国を風靡し、「突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 とにもかくにもはずれあらまし」とうたわれ、日本を代表する最大の槍術流派へと発展した。
現在は、平成24年1月に就任した一箭順三宗家の指導のもと、奈良本部道場をはじめ、大阪・東京・名古屋・ハンブルグ(ドイツ)の各道場で約100名の伝習者が稽古に励んでいる。
※奈良宝蔵院流槍術保存会は平成3年、西川源内第十九世宗家から、第二十世を継承した鍵田忠兵衛前宗家継承を機に、保存と槍術文化及び奈良市の観光発展のために奈良市、興福寺、観光、剣道、銃剣道、なぎなた等多くの関係者により結成。以来24年にわたり奈良を拠点に国内外で活躍する伝承者達の稽古・継承活動を支え、流儀「宝蔵院流槍術」の興隆・発展に寄与している。
歴代会長
平成3年〜平成5年 西田栄三(奈良市長)
平成5年〜平成6年 谷井孝次(奈良市観光協会会長)
平成6年〜平成27年 松岡泰夫(奈良商工会議所副会頭)
平成27年〜 花山院弘匡(春日大社宮司)