月刊秘伝2025年4月号
■特集 “一撃粉砕”を実現する、鋼の拳足獲得への想い
人体の武器化とその必然
試割る鍛錬
◎第1章 岡崎寛人 (極真館)
「試し割り」の中に空手の原点を見る!
◎第2章 空手道尚武会
“試割りの達人”藤本貞治が示した鍛錬の精華
◎第3章 朴禎賢 (テコンドー・ファラン朴武館)
テコンドー 技の威力への矜持
◎第4章 上地流空手道振興会修武館
「試割り」は攻撃のみならず 上地流空手“キタエの矜持”
……
剣道、空手、合気道、弓道...、どれにしても長年に亘って武道をやっている人は、なぜかそれらしく見える。なぜか? それは、「スッ」と背筋が伸びた姿勢に現れるからだろう。武道をやってない人と比べて、歳を重ねるとますますその佇まいに差が出てくるようだ。
いつも姿勢が良いということは、骨格の根本「背骨」が整っているということ。腰痛、肩こり、高血圧、頭痛、便秘などの不定愁訴を訴える人は、整体やカイロプラクティックで背骨を整えてもらうと改善するケースがあるが、武道家は常に自分自身で自然と背骨を整えている訳である。近い将来、人生100年の時代が訪れるといわれるが、健康で長生きしてこそ、周りの人の手を借りず人生を謳歌できる。あらゆる武道が最重要事項として伝えてきた「整った姿勢」。武道指導者で元看護師、現在はデイサービス運営者として多くの高齢者と関わってきた著者だからこそ、今広く一般の人にもそれを伝えたいと強く望んでいることが伺える。
武道は個々の技より何より、まず姿勢。健康維持の方法として書かれているが、実は武道の核心に迫る一冊である。