月刊秘伝2025年4月号
■特集 “一撃粉砕”を実現する、鋼の拳足獲得への想い
人体の武器化とその必然
試割る鍛錬
◎第1章 岡崎寛人 (極真館)
「試し割り」の中に空手の原点を見る!
◎第2章 空手道尚武会
“試割りの達人”藤本貞治が示した鍛錬の精華
◎第3章 朴禎賢 (テコンドー・ファラン朴武館)
テコンドー 技の威力への矜持
◎第4章 上地流空手道振興会修武館
「試割り」は攻撃のみならず 上地流空手“キタエの矜持”
……
1980年代、格闘技雑誌などで“サンボの怪物君”として登場、様々な格闘家、武道家とも交流されていた萩原幸之助氏が2023年4月3日、肝不全のため、ご逝去されました。享年55。約1ヶ月ほどの入院の末、帰らぬ人となられ、8日には親族のみによる葬儀が行われたとのこと。
萩原氏は1968年3月19日生まれ。岡山県出身。柔道を皮切りに旧ソ連の国技として知られるサンボを本格的に学び、1991~1993年に行われた全日本サンボ選手権大会の82kg級で3連覇の偉業を達成。サンボ世界選手権でも5位入賞の実績を持つ。リングスで一世を風靡したコマンドサンボの名手、ヴォルグ・ハンにも師事して、スポーツにとどまらない武術・格闘技としての技術を追求。今はなき高田馬場のスポーツ会館ではコマンドサンボスクールのコーチも務めた。
サンボナショナルチーム技術強化委員や日本ウェルネススポーツ専門学校講師などを歴任し、全国各地で「萩原サンボスクール」を開催、国内サンボの普及にも貢献した。また、空手、キック、レスリングから中国武術や古流武術まで研鑽、研究を重ねた末に、護身に特化した独自の技術体系を構築、これを「靭術」として広く普及活動に従事した。講道館柔道五段、国際サンボ連盟八段。日本靭術協会主宰。
本誌「月刊秘伝」誌上では、2010年8月号において、“サンボの神様”こと故ビクトル古賀師と、柳生心眼流師範の島津兼治師との対談企画において、平直行氏と共にご協力をいただき、また、同年12月号から翌2011年1月号、2月号にかけて、「バエボエサンボを基盤とした護身制圧術 靭術」をご寄稿いただき、好評を博した。
ここに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。