月刊秘伝2024年12月号
■特集 力を0化する!!
武術が到達した“柔の極致”
化勁
序章『化勁とは何か』
第1章『化勁の実戦用法』 宮平保(天行健中国武術館)
第2章『合気と化勁を繋ぐ術技』 高瀬道雄×臼井真琴×有満庄司
第3章『推手で磨く化勁の理』 日本武術太極拳連盟
第4章『化勁を錬る一人稽古』 遠藤靖彦(太我会)
■巻頭グラビア
中達也「形稽古の極意指南!」
佐久間錦二「新始動! 佐川合気実験室」
ベンジャミン ……
月刊秘伝2021年3月号が2月13日(土)に発売となります。巻頭の「今月の秘伝なヒト」は、片や人気作家にして、沖縄の達人・喜屋武朝徳の伝えた首里手・泊手を中心とした沖縄空手の探求に心血をそそぐ空手家、今野敏師範。片や、沖縄空手道拳法会静岡県支部長として、同会会長である久場良男師範に師事し、沖縄古伝剛柔流空手拳法の技と心を追究する気鋭の空手家、剛琉館の佐藤哲治師範。"沖縄空手に魅せられた"二人の空手家によるスペシャル対談!前編となる今回は歴史面における探求について、両者の意見を戦わせていただきました!
そして今号は「歩き」特集! 全ての身体運動の原点であり、最も身近な運動である「歩く」ということ。そこにはあらゆる武道・武術、スポーツや芸事にも通じる身体の極意が秘められています。今回は身体科学の専門家をはじめ、日本古来の歩法の探求者、古流武術家、忍者など、多種多様なジャンルのスペシャリストたちが、それぞれ独自の指針のもとに追究してきた合理的にして驚異的な歩きの妙技を、全章連動ムービー付きで徹底紹介! 誰もが当たり前に行っている「歩き」が持つ無限の可能性に気付いたとき、これまで知らなかった新たな世界への第一歩を踏み出せるでしょう。
まず序章は、「人類にとって"歩き"とは何か?」という根本的な命題を、本誌2020年11月号より始まった連載「歩きで鍛える"歩道"入門」において、「歩き」を極めるための鍛錬法を紹介している高岡英夫師に解説いただきました。運動進化論の見地から科学的に研究開発することで、あらゆる分野の人間の能力全てに影響を与えることができる「歩き」という運動に迫ります!
第一章は日本古来のナンバ歩き。かつて日本人の誰もが行っていたとされる歩法であり、現代ウォーキングとは全く異なる伝統に磨かれた合理性は、各界で一大ブームを巻き起こしました。ナンバ術協会最高師範・矢野龍彦師(桐朋学園大学教授)と、ナンバ術協会特別師範にして書道十段・合氣道八段を持つ青い目のサムライ、ウィリアム・リード師(山梨学院大学教授)による日米ナンバ対談開幕!
第二章は義足ランナーとブレード開発に「歩く」と「走る」のエッセンスを学びます! ボディワーク界のトリックスターとして活躍する藤本靖氏(環境神経学研究所代表)が、「身体と意識の進化」をテーマに、パラアスリートたちの"超感覚世界"を直撃するシリーズ企画。今回は特集特別版として、陸上競技である「義足スプリント」を総力取材。「良い走り」は「良い歩き」へとつながり、「生活の質」も高まる!歩法改善のワークも多数紹介!
第三章は柳生新陰流の極意にして最重要の歩法「風帆の位」。その神妙無比なる武技の中に内包された、江戸武士の身体操法を現代に伝える柳生新陰流。特集3章では、春風館関東支部・赤羽根龍夫師範とその御子息である大介師範に、柳生新陰流の極意にして最重要の歩法「風帆の位」をご示演いただきました! また、その流麗な足捌きを以て行う「燕飛」の型も必見です!
第四章は不及流歩術「万民千里善歩傳」の研究。 一日四十里(160キロ)を歩くという忍者の驚異の歩驟(歩く走る)能力。その秘密の一端を知ることができるかもしれない伝書が存在します。伊賀流の歩行術との説もある「不及流」。その内容が記された伝書「万民千里善歩傳」の実践検証の模様、また「遠足」修行について、忍道家の習志野青龍窟(五十嵐剛)師に紹介いただきました!
ジャンルを超えた「歩」の達人たちが集った本特集。この機会にぜひ、ご自身の歩き方をリニューアルしてみてください!
特集の他にも注目記事が続きます。 第二特集ではカラテ本来の「組手稽古」とされる "カキエ"の謎を「PART.1 誰がカキエを生み出し、伝えたのか?」「PART.2 源流!?中国南派拳術の雄 詠春拳の対人練法 黏手チーサオ」の前後編にわたって追います! "空手本来の戦い方とは、如何なるものなのか?"──現在、伝統派、フルコンタクト、防具と様々な形態で試合競技が行われる「空手」。 しかし、その元々の技法を活かす、本当の戦い方とはどのようなものだったのでしょうか。 その一つの答えとも成り得るのが、剛柔流で伝統的に行われてきた「カキエ」にあるのではないかと考えられます。そして今号より、不定期掲載ながら、この困難な命題に立ち向かう「"カキエ"の謎を追え!」がスタート! 第一弾は「誰が"カキエ"を生み出し、伝えたのか?」を主軸に、沖縄から中国大陸の武術まで探求の旅を繰り広げます!
塩田泰久師範が代表を務める塩田合気道(SIAF)。 現在、その運営を取り仕切っているのは塩田将大師範は、達人・塩田剛三師範の孫であり、父・泰久師範から 塩田合気道を受け継ぎ、合気道の普及に尽力しています。「より多くの人に合気道を伝え、その世界に 触れてもらうために」。今回は、そんな将大師範の 合気道普及にかける思いや、そのための工夫について 話を聞かせていただきました!
"神傳不動流柔術"──その名に聞き覚えのない読者諸兄も多いでしょう。しかし、この無銘の流儀がかの名探偵シャーロック・ホームズに登場する謎の日本武術「バリツ」に関係すると噂され、空手四大流派の一つ「糸東流」創始者である摩文仁賢和にも学ばれ、糸東流成立に少なからずの影響を与えた、と聞けば、がぜん興味が湧いてくるのではないでしょうか?昨年末、都内・某所で開かれた、忍道伴家忍之傳研修所主催による関東講習会において、そんな神傳不動流を中心とした興味深い流派がベールを脱ぎました!
ともすれば、神秘的イメージを以て語られがちな合気系武道。しかし、それは本来、神秘性ではなく合理性によって成立しているはずです。ならば合気が武術として戦うために、本当に必要なものとは何か?御歳80を超えてなお、大東流実戦の雄として名高い石橋義久師範が、技を効かせるための"絶対条件"である「崩し」、剣の術理に基づいたその極意と鍛錬法をここに示します!
「背骨の役割は、身体を支えるもの」とイメージする人は多い。ゆえに、「背骨を支えとしては使っていても、動くものとして使いこなせている人は少ない」と、広沢成山師範は言います。「背骨は固い」から「背骨は柔らかい」という意識の転換と、その"柔らかい背骨"の活用によって、身体の使い方は格段に向上する!身体操作の次元を変える背骨の活かし方、再発見!!
新隂流に現在伝えられる参學圓之太刀は 「今遣い」または「連也型」と呼ばれ、戦国期に流祖・上泉伊勢守信綱が 発案した当初の姿から、何度か改変が加えられています。「沈なる身」が「直立たる身」へと変更され、「前向の身」が多く用いられる様になった、その変化にはどのような意味があるのだろうか。「新隂流武學 精鍊會」主宰・井澤秀雄師範に解説いただきました!
シリーズ「武と馬」第3回では、前回に引き続き、新陰流兵法・三好妙心師範にご参加いただきながら、「軍馬」復興の歴史と特徴を考察します。激戦に動じない馬、戦いの激情にとらわれてもすぐ冷静になれる馬、そして長時間の戦闘にも耐えられる心臓と筋肉の強さがある馬、そんな資質を備えた古の軍馬がいなければそもそも馬上武芸は成立しません。紅葉台木曽馬牧場では絵巻物の軍馬再現を目指す長い試行錯誤を経て現在、いよいよ本格的な軍馬が育ちつつあります!
日本に住み、合気道とその源、大東流をともに学びながら、資料を調査し、高名な師範を訪ね、取材の模様を英語記事、動画として、自身のサイトで発信しているフランス人"合気道研究家"ギヨーム・エラール師。その功績は、海外においてすでに著名です。かつて「合気ニュース」を主宰したスタンレー・プラニン氏を思い起こさせるギヨーム師の合気探求への情熱。「大東流と合気道」二つの世界の架け橋となりうるこの要注目研究家を、ギリシア人武道ライター・ミリアレシス氏が直撃インタビュー!!
他にも宮下宗三氏の「温故知新養生法」、岡部武央師の「瞑想で強くなる」、小山隆秀師の「津軽の剣」、土子民夫氏の「戦後日本刀事件史」、山田雄司先生の「忍の細道」、高橋賢師の「"日本柔術史"新研究」など連載陣も絶好調! 黒田鉄山師、日野晃師らお馴染みの師範たちの連載も当然必見です!
武道・武術の魅力満載の月刊秘伝2021年3月号は、2月13日(土)発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでぜひお求め下さい!