空手への憧れの原点に、硬い器物をも一撃で粉砕する〝鋼のような拳足の威力〟があったことは、誰もが首肯するところだろう。
一撃に対する想い、そのこだわりの中に、空手という武道のアイデンティティの一つが確実に醸成されていた時代があった。その〝想い〟を具現化したものが、「試し割り(試割り)」であろう。
一方、競技全盛とも言える昨今の空手界では、選手の拳の握りの甘さを指摘する声も聞かれる。
「今の日本選手には昔日の選手に感じた〝恐さ〟が感じられない」という海外空手関係者の声もあるようだ。「試割り」という空手ならではの方法論の中に、その裏付けとなるべき「鍛錬」の真実を追って、現代においてなお、その道を歩み続ける武道家たちの姿を今特集では探ってみた。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
「試割り」とは、もはや時代遅れなのか?
「試割り」を実現する裏に付随される「鍛錬」の意義を、改めて問い直す。
空手界のレジェンドである盧山初雄極真館会長にも「試割り」の意義について改めてお訊きした。
鍛錬に裏打ちされた驚異的な試割りの数々で斯界に知られたのが、空手道尚武会初代会長の故・藤本貞治師範(1931~2019)だ。特集第2章ではこの伝説的な〝試割りの達人〟の教えを、そのご子息であり同会現会長の藤本治豪師にお訊きした。数々の工夫された試割りが示した、固定されない物体を瞬時に捉え、粉砕する技のスピードとキレとは!?
特集第3章では、華麗にして驚異的な蹴り技で知られ、特に武道であることにこだわりを見せるITFテコンドーが登場。
その技の威力へのこだわりをファラン朴武館、朴禎賢師範にお訊きした。
特集のトリを飾る結章では、上地流空手・上原勇師範がかつて本誌の取材を通じて語った、驚異の試割りの背景にある上地流ならではの徹底した肉体鍛練と、そこに込められた“キタエの矜持”に今、改めて迫ってみたい。
フランス発祥の打撃格闘技「サバット」。靴を武器として用いるその特徴的な足技は、かのブルース・リーも参考にしたという。
今回は、サバット元全仏王者にして一流の建築家でもあるマニュエル・タルディッツ氏に、サバットと建築に通底する
「距離」と「反応」の対人哲学を語っていただいた!
太極拳の真髄にして、太極拳を太極拳たらしめている根本と言っても過言ではないもの──それが化勁である。
本場中国で数多の名師より教えを受け、一意専心に功夫を練り続けてきた“本邦太極拳界のレジェンド”遠藤靖彦老師が語る、化勁の真髄とは何か?
「流れる勁」を理解することから始まるという、太極拳の高級技法実現への道標をここに示す!
イスラエル出身のアヴィ・ナルディア師はクラヴマガの発展に大きく貢献した人物であり、イスラエルの特殊部隊や世界中のエリート警護機関に指導を行う護身術のエキスパートである。
そんなアヴィ師の来日特別セミナーが、昨年10月、マガジム主催により東京都内で開催された。
多くの日本武道も学んだという“護身術の巨匠”が今回のセミナーで示したのは、日本伝統武道の技と精神であり、また、進化と革新の護身術「クラヴマガ」の現在地であった!
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