月刊秘伝8月号がいつもより一日早い7月13日(土)に発売されます。
巻頭の「今月の秘伝なヒト」は「剱伎道」の創始者にして「剱伎衆かむゐ」を率いる"サムライアーティスト"島口哲朗師と、本誌連載でもお馴染み
書道十段・合氣道八段の"青い目のサムライ"ウィリアム・リード師範によるスペシャル対談!
戊辰150周年記念ドキュメンタリー『AIZU』でも共演した日米のサムライ二人が語る、武士の"美"と"道"。武道ツーリズムをはじめとする、武道の世界発信から広がる無限の可能性。日本伝統のサムライ文化の素晴らしさを今一度思い出させてくれる、まさにCOOL JAPANな対談となりました!
そして今号の特集は、刀をはるかに凌駕する長さと斬撃力を兼ね備え、かつては合戦における華と謳われた驚異の戦場兵器、薙刀の実戦力と術理に迫ります!
本特集は主として三つの章で構成されており、まず先陣を切るのは、黒田鉄山師の駒川改心流剣術之内薙刀。順体、無足、等速度、力の絶対否定など剣術と通底するの理論的身体運動が存在し、神速と称される黒田師の剣と同じ理を以て振るわれるそれは、すなわち「神速の薙刀(剣)」と呼ぶに相応しいものです。黒田師が感動するほど美しかったという、祖父泰治先生の薙刀とはこういうものだったのではないかと思わせるような、滑らかで止まることない薙刀捌きは必見です!
続く第二章は「なぎなたVS剣道」の異種試合です。天道流薙刀術第十七代木村恭子宗家のご協力によって実現した本企画。違う得物を持つ者同士の対戦にはたまらないロマンがあります。しかも勝負を分ける重要な局面で炸裂したのは、なんと古流の技!? 夢の対戦の模様を徹底レポートでお届けします!
そして特集のラストを締め括るのは、春風館の赤羽根大介師による柳生新当流薙刀です! かの柳生兵庫助の伝を受け継ぐ古流の薙刀術は、現代のなぎなた競技とは全く異なる、武術としての凄味に溢れています。なかでも薙刀最大の特徴である"反り"を活かした実戦技法は、古の戦場でなぜ薙刀が最強と呼ばれたのか、その答えの一端を教えてくれるものでした。また早世した実戦内家の探求者、佐藤貴生師が遺した「薙刀による畳一刀両断実験」についても、コラムで紹介させて頂いております。本特集を最後までお読み頂ければ、おそらく「薙刀=女子武道」というイメージは頭の中から消え去っていることでしょう。
特集の他にも注目記事が続きます。 本年4月29日にスペインにて御逝去された、『拳児』の人気キャラクター"蘇崑崙"のモデルであり、 八極螳螂拳を標榜して日本国内でも広く知られた蘇昱彰老師の追悼特集。小柄痩身ながら高い功夫で中国武術の魅力を体現したその武術人生を、八極螳螂武藝總舘 日本分舘のご協力も得て今一度振り返りました。また、今号より始まる真北斐人師の新連載「図形と武術」も注目です。古来より伝わる図形には、多くの人たちが気付いていない"意味"が隠されており、太極拳の師範にして、長年、図形の研究もライフワークとして行ってきた真北師が、様々な形の図形に含まれた"真の意味"を解説していきます。そこからは、武術動作の奥義にも通じる真理が見えてきます。
日野晃師の「達人のワークショップ」レポートは、まさに目からウロコの武道上達のヒントの宝庫です! わずかな気付き、わずかな認識の違いが圧倒的な差を生むこと、武道においては技よりも感性が何より重要であることが示唆されています。さらにインド伝統武術カラリパヤットの「最終訓練法」とされる鉄製武器の大系をニディーシュ・カリンビル師にご紹介頂きました! 日本武道とは何もかもが違う異国の武器。特に雷の意を持つ「ウルミ」は一見の価値アリです。鞭のごとく長く柔軟な鉄の剣には度肝を抜かれることでしょう。
第57回全日本合気道演武大会レポートでは、日本が世界に誇るべき合気道家たちの勇姿をお伝えしています! 特に昨年度の記事では紹介しきれなかった師範の方々にスポットを当て、かなり新鮮味のある内容に仕上げました。蘭州馬家通備武芸嫡伝人である郭乃輝老師の「鞭杆」講習会レポートも見逃せません! ただの棒を恐るべき武器へと変貌させる通備武芸の勁。まだ日本ではあまり馴染みのないこの武器の操法を、郭老師が懇切丁寧に教授してくださいました!
他にも、高橋賢氏の「"日本柔術史"新研究」山田雄司先生の「忍の細道」、小山隆秀師の「ツガルの剣」、今野敏先生の「チャンミーグヮーの手」、長谷川智師の「"修験道"即ち心身向上」、那嵯涼介の「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン概史 WHAT IS CATCH AS CATCH CAN?」、小口昭宣氏の「即効回復のための『ケガ学』」など連載陣も絶好調! 高岡英夫師らお馴染みの師範たちの連載も当然必見です!
武道・武術の魅力満載の月刊秘伝8月号は、7月13日(土)発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでぜひお求め下さい!