驚異的な試割り演武と、それを実現させる弛まぬ鍛錬で知られた国際空手道尚武会会長、藤本貞治師範が1月26日(土)に御逝去されました。享年87歳。
藤本師範は昭和6年(1931)、東京都品川区戸越に生まれ、幼年時代より空手道、剣道、柔道、古武道一般などを修行。特に古武道においては、当時、品川で活動されていた古武道統成会に入門し、疋田陰流剣術、柳剛流剣術、制剛流柔術、合気体術などを学び、それぞれ印可などを受けている。空手道は初め剛柔流を9歳より始め、参段を修得。のち、松濤館流を学んだ後、金城裕師範の研修会に移籍し、沖縄伝の首里手を学ぶ。長年、伝統的な部位鍛錬に力をそそぎ、各方面で実施した驚異的な試割り演武などで、空手界の世間一般への認知に貢献する。
空手界の大同団結の機運が高まり、1964年に結成された全日本空手道連盟では、技術委員会の指導委員として尽力し、第3回世界空手道選手権大会(WUKO主催。ロサンジェルス開催)ではナショナルチームの監督に就任、チームを優勝へ導いた。
1981年に「国際空手道尚武会」を設立し、会長に就任する。東京品川区の本部を中心に、国内はもとより広く海外へも空手道を普及する。特に、マイアミ国際映画祭の記録部門でグランプリを受賞した受賞した記録映画「永遠なる武道(アート・オブ・キリング)」に出演、ビール瓶斬りなどを披露し、各界の度肝を抜く。
「月刊秘伝」では、2005年9月号の特集「手刀真伝」において、その代名詞ともいえる貫手による試割り(ここでは小ぶりのスイカ)などの演武を高速度撮影させていただきました。生前の御厚情に感謝し、ここに謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
なお、通夜・告別式については以下の通り。
通 夜:1月30日(水)18時より19時まで
告別式:1月31日(木)11時より12時まで
式 場 羅漢会館(ラカンカイカン)(目黒区下目黒3-19-1 Tel 03-3792-6758 東急目黒線「不動前駅」より徒歩8分)
※国際空手道尚武会ホームページ=http://www.shoubukai.com/wp/