秘伝2015年9月号

特集　八卦掌──神秘の拳法の実像に迫る！

ある人は言った。「八卦掌の高手（達人）には、それまでに他の門派を一定以上に修めた人が多い。そのあり方は一種、意拳に近いものが感じられる。まるで、八卦掌によって自らが求める武術を完成させたかのような趣がある」

数多の中国武術の中で、比較的初期より日本に紹介され、親しまれながらも、その実態は今一つ明かでない不思議な拳法「八卦掌」は、拳ではなく五指を伸ばした「掌」を繰り出し、あたかも舞いを舞うかのごとく円周上をひたすら歩き続ける「走圏」を核として、円運動、螺旋の動きを巧みに活かした身法を養う。その動きは時に神秘的でもあり、武芸の「芸」たる深奥を表現するかのようでもある。一方では、日本における合気系武術に通じる趣きもあって、多くの他武道修業者から注目される八卦掌。その実態とは、いかなるものなのか？

今特集では、この〝よく知られながらも、よくは知らない〟特異な拳法の深奥を訪ねるべく、その「身体練法」、「対人技法」、そして最大の特色である「走圏の謎」に迫るべく、本邦の各派伝承者たちに御協力をいただいた。

〝人体の神秘的な働きを発現する〟伝統中国武術の最終形（？）「八卦掌」の秘密とは!?

新連載　大村 紀征「新説“戦う日本刀”」

「武器性能が追求された世界に誇るべき「日本刀」観への原点回帰」
７月号特集「日本刀の戦闘力と誇り」において、「美術刀剣だけが日本刀にあらず」と題する御寄稿をいただいた、日本近代刀剣研究会顧問、大村紀征氏による新連載「真説〝戦う日本刀〟」が今号よりスタート！

〝日本刀、本来の価値とは？〟〝数多の刀匠たちがひたすら追い求めた日本刀の姿とは!?〟……etc.

現代においては忘れ去られようとしている、日本刀の原点〝戦う日本刀〟の実像を、あらゆる角度から考察していく。

鼎談　北川貴英×浅谷 康×中島章夫
「重心力調整メソッド」とは？［ 前編 ］
三次元的な重心操作で 滑らかな動きをつくり出す！

グルグルと滑らかに回転し続ける。プロダンサーとして、またスタントパフォーマーとして活躍してきた
浅谷康師のブレイクダンス。筋力だけに頼らずにしなやかな動きを生み出す方法を探す中で、ムダな力を用いない身体操法を数多く編み出してきた。キーワードは「重力」と「重心移動」。親交の深い中島章夫師と北川貴英師を交えて、身体の動かし方について語り合ってもらった。

蕨 合気道会
武を極めることで“相手を赦す”道を拓く！
西尾昭二師範が遺した剣の理を活かす合気道とは!?

2005年3月15日、合気道開祖植芝盛平の直門の一人にして、海外から「西尾スタイル」と呼ばれ独特の指導理念で合気道普及の一端を担った西尾昭二師範が御逝去された。

それから10年の時を経た現在、西尾師範の合気道は、その武の本質を失うことなく、後進の手によって脈々と受け継がれてきている。

西尾師範のホームグラウンドと言える埼玉県の（公財）合気会傘下「合気道会」を訪ね、今なお〝生き続ける〟西尾合気道の息吹をレポートした。

次号予告

“秘伝的マインドフルネス”強い心の作り方

心を解き明かし、心を御する「心法」に迫る！

◎「マインドフルネス対談」湯川進太郎×松村憲　◎河野昭典「イップス克服法」　◎渡邊康人「武術的“心”発“身体”アプローチ」、etc.



・鎧武者による実演で検証する！！

香取神道流、甲冑を着けての組太刀術と槍術

・世界屈指のブルース・リーコレクター、秘伝初登場！

デビッド・タッドマンが追う「ピュアなエネルギー」

・柳生心眼流春風吉田会・目黒吉田鍼灸治療院　吉田朗師範

鍼と武術──気と経絡の流れを操作する

・鼎談 浅谷康×中島章夫×北川貴英 「重心移動調整メソッドとは」（後編）

重心移動を運動エネルギーに変換する！

・松原秀樹が提唱する、新たなる肩甲骨活用術

「肩甲骨」を100パーセント使いきる身体操法

・システマ　 アダム＆ブレンダン・ゼットラー　大阪セミナー

動きの中でのテンション・コントロールと力の出し方

・吉田始史「意識で造る強い体幹部」

・日本古武道振興会創立80周年記念演武大会

・松田隆智先生三回忌追悼演武会