中国武術もう一つの極意「化勁」
相手の力を化し、ゼロにする高級技法を徹底解明!
月刊秘伝2024年12月号
好評発売中!

相手の力を「化」し、ゼロにしてしまうことで「四兩撥千斤」の達人技法を実現させる。
「化勁」は太極拳をはじめとする内家拳で重視され、発勁の対となる存在といえる。
本特集では、この中国武術が到達した柔の極致と呼ぶべき秘伝的技術を、推手に代表される各種習得法や要訣、さらに実戦用法を通じて徹底解明する!

発売日:2024年11月14日
定価:1,000円(税込)

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書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。

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特集序章 化勁とは何か?

中国武術の「柔」を識る!

中国武術における柔的技法の結晶ともいうべき「化勁」。
相手の「力」を「化」すとは、一体いかなるものなのか?
特集序章では、その技術的背景や正しい言語解釈をはじめ、化勁に触れる前に知っておくべき基礎知識を紹介しよう!

第1章 化勁を実戦で使うための絶対条件

武術の間合いで戦う!
宮平 保(天行健中国武術館)

中国武術、とりわけ内家拳における高級技法と呼ばれる化勁。
それを実戦の場で用いるためには、一体何が必要なのか?
特集第1章では、沖縄の実戦中国武術家として名高い宮平保師範に、化勁を実用化するための各種練習法や心構え、そしてそこへ至る絶対条件ともいえる「武術の間合い」について語っていただいた!

宮平 保 Miyahira Tamotsu
1964年沖縄生まれ。10歳より沖縄伝統空手を学ぶ。20歳で中国湖北省・武漢体育学院に5年間武術留学し、温敬銘教授、劉玉華教授より実技と理論の指導を受け、外国人としては初となる中国の体育学院武術専攻(在籍は研究生部)を卒業した公認指導者となる。また第11回アジアオリンピック科学大会に日本代表の一人として出席し、論文《中国武術和日本武道的淵源》を発表。帰国後、空手の本場・沖縄の地を中心に中国武術を指導。 空手関係者、県内外、海外の武道、格闘技関係者(居合、フルコンタクトカラテetc.)との交流も多い。代表作DVD『究める! これが武術だ(全二巻)』、 『戦う! 中国武術』(BABジャパン)。

第2章 鼎談 合気と化勁を繋ぐ術技

力を逸らし、無力化する!
高瀬道雄(練心館)
有満庄司(合気錬体会)
臼井真琴(臼井日中武術探究会)

大東流の根幹を成し、相手を無力化しコントロールする「合気」。
そして相手の力の方向を逸らし、吸収してしまう中国武術の「化勁」。
特集第2章では、日本と中国で伝えられてきた、この柔の技法の共通点と相違について、高瀬道雄師範(松田伝大東流)、有満庄司師範(佐川派大東流)、臼井真琴師範(八卦掌)ら、合気と化勁の双方を深く知る三人の達人たちに語り合っていただいた!

高瀬道雄 Takase Michio
1964年、栃木県生まれ。19歳の時に前田武師範の練心館に入門。97年に教授代理となり、群馬・栃木・埼玉を中心に活動。大東流各派との交流も盛んに行い、 ネットワークを拡げている。代表作DVD『松田敏美伝大東流合気柔術(全二巻)』、『合気の原型』(BABジャパン)。

有満庄司 Arimitsu Shouji
鹿児島県出身。2001年、佐川幸義宗範の薫陶を受けた吉丸慶雪師範の著書『合気道の奥義』を読み、合気錬体会へ入門。2004年に吉丸師範が体調を崩され、以後、会の存続も危ぶまれる中、師範を助けて上げ手講習会などを開催。吉丸師範より合気錬体会第二代総師範に任命され、現在に至る。東京都渋谷区において30年以上にわたり院長として有満整体院を営む。代表作に、書籍『できる! 使える! 合気上げ』、DVD『絶対出来る! 合気上げのコツ (全二巻)』・『秘伝! 合気下げ』(BABジャパン)がある。

臼井真琴 Usui Makoto
1960年、東京生まれ。1975年より全日本中国拳法連盟に入会し、佐藤金兵衛師範の下で修行。太極拳・形意拳・八卦掌・少林金鷹拳及び大和道、柳生心眼流兵術を学ぶ。1980年 中国武術代表団来日の際、随行員として同行。コーチとして来日していた沙国政老師に師事し、通背拳・八卦掌を学ぶ。1993年 中国河北省で開催された第一回国際八卦掌大会の出場を機に多くの八卦掌名師と知遇を得て、研究を深め、独自の八卦掌を編成する。元全日本中国拳法連盟統括師範。現在は独立し、臼井日中武術探究会を主宰している。代表作DVD『八卦掌を使う!』(BABジャパン)。

第3章 推手で学ぶ化勁の要訣

自然の理が力を化す!
(公社)日本武術太極拳連盟
川﨑雅雄 孔祥東 平田優花 磯野水響

化勁を習得するための最も代表的な練功法といえる推手。
そして数ある中国武術門派の中で、それを最も洗練させたのが太極拳である。
特集第3章では、(公社)日本武術太極拳連盟の川﨑雅雄副会長を中心に、四正推手対練をはじめとする太極拳推手の要訣を解説いただいた!

川﨑雅雄 Kawasaki Hiroo
(公社)日本武術太極拳連盟副会長兼専務理事。NPO法人大阪府武術太極拳連盟副会長。

孔祥東 Kong XiangDong
1972年生まれ、北京出身。元武術世界チャンピオン。北京武術隊の主力選手として、各国に武術を広めることに貢献。中国武術7段。中華人民共和国 国際級運動健将(運動選手の最高級称号)を授与。(公財)日本オリンピック委員会 選手強化本部 委員 。(公社)日本武術太極拳連盟 特別招請コーチ・選手強化委員会 委員長。文部科学省スポーツ功労者顕彰受章。

平田優花 Hirata Yuuka
1997年生まれ。埼玉県武術太極拳連盟所属。 主な競技成績は、第41回全日本武術太極拳選手権大会 太極拳2位・太極剣2位。第40回大会 太極拳6位・太極剣5位。特別国民体育大会 総合太極拳1位。第77回国民体育大会 総合太極拳1位。

磯野水響 Isono Hibiki
2002年生まれ。千葉県武術太極拳連盟所属。 主な競技成績は、2024年アジア大学選手権大会 太極拳6位・太極剣2位。第10回アジアジュニア選手権大会 太極拳1位・太極剣4位。第41回全日本武術太極拳選手権大会 太極拳6位・太極剣3位。

第4章 単独練習で磨く化勁の“精”

纏絲勁・放鬆・套路で「最高レベルの同化」する!
遠藤靖彦(太我会)

特集最終章では、長年にわたって功夫を重ね、本場中国で数多の老師に師事し、陳式太極拳を修めた“本邦太極拳界のレジェンド”遠藤靖彦師に、化勁技巧の核と一人で稽古する際の秘訣、そして最高レベルの化勁の境地について、珠玉の論考を寄稿いただいた。

遠藤靖彦 Endo Seigen
1955年東京生まれ。15歳から武術を始め、1973年からは「本物の師」を求めて中国、香港、台湾へ渡り、修行に明け暮れる。1982年から陳家溝四傑の一人である陳 小旺老師より陳式太極拳を学ぶ。1984年4月、中国武漢国際太極拳(剣)表演大会で優勝。同年6月には第1回全日本太極拳・中国武術表演大会で優勝を飾った後、同年11月から馮志強老師に師事し、陳式太極拳を学ぶ。2007年9月に「太我会」を組織し、これまで学んできた各種武術を土台として中国武術の指導を開始する。

【巻頭】ライオーン・マカヴォイ
“武道家・プロレスラー・映像監督”3つの顔を持つ
獅子の眼光が捕えた日本の問題!

オーストラリア出身のライオーン・マカヴォイ氏は、近年ブーム再燃の兆しを見せつつあるUWFスタイルのプロレスラー(リング名:藤原ライオン)であり、合気道家、ドキュメンタリー監督としても精力的に活動する多才な人物だ。多くの領域を横断する氏の来歴とモチベーションに迫った。 
取材協力◎スネークピットジャパン

【特別企画】日野武道研究所・日野晃
体重移動と歩き方の徹底追及
「体重自体がそのまま力となる」

武術の世界では、「達人、名人は年老いても若い者に負けなかった」といった逸話が多く残されている。日野晃師は、「その話は本当かどうか」ではなく、「それは、どうすれば可能となるか」という視点で考え、何十年という歳月をかけて、その探求を重ねている。その中で導き出された「自分自身の体重を移動させる事自体が力となる」という一つの答えは、身体操作を練り上げていく上で、最も重要な項目の一つとなっている。今回の取材では、日野師に体重移動の実際について、改めて詳しく解説いただいた。

【特別企画】高橋景樹(東京慈恵会医科大学弓道部監督・アスレティックトレーナー)
矢を発する形に繋がる
「引分け」の要訣

突きや蹴り、そのほか様々な技を有する徒手武術、あるいは多種多様な武器を用いる武術に比べ、現代弓道は極端に動きの少ない武道と言える。しかし、その少ない動作の中において、身体を最良に扱う極意が秘められている。今回は、東京慈恵会医科大学弓道部監督で、アスレティックトレーナーでもある高橋景樹師に、弓道における身体の運用について、打起した弓を左右均等に引く「引分け」の動作を中心に、武術的身体操作の観点と、また身体構造的な解析を交えて解説していただいた。

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