月刊秘伝2026年5月号
■特集 整体の祖・野口晴哉
「枯れぬ身心の教え」
◎第1章 鈴木光彌(宗教法人阿吽阿教団 主管)
「野口晴哉物語」
◎第2章 河野智聖(武医藝 心道)×さえぐさ誠(互道/合気道)
「偉人が遺した武医同術」
◎第3章 日比祥友(野口整体指導室)
「野口整体の愉気と活元運動」
◎第4章 鈴木洋子(たんぽぽヨーガ主宰)
「和ヨーガに活きる整体の知恵」
◎第5章 藤田一照(曹洞宗僧侶)
「整体から学んだ禅の道」
陳式太極拳の修行体系には、
長い歳月をかけて身体を練り、力を養成する「一路」と、
奮闘や跳躍を伴い、発勁を多用して攻撃性を鍛える「二路」があります。
太極拳発祥の地として知られる陳家溝は、近隣の村々から「砲捶陳家」と呼ばれ、
砲捶(二路の別称)が陳家溝の代名詞でした。
こうした呼称から「二路」が一般に実戦で用いられていた可能性があると推察されます。
すなわち「二路」は、単なる発勁の練習にとどまらず、
「危険な状況下で命を守るために必須の即戦力を得る」ための体系だったのではないでしょうか。
「一路は身で手を導き、二路は手で身を導く」と言われますが、
「二路」は「一路」のような内部の練りを主目的とするのではなく、
むしろ「機動性」や「実戦性」を重んじた体系であったように感じられます。
言い換えれば、“生き残るため”の実戦性としての「二路」があり、
その先に「一路」があるという構図です。
「二路」で培われるのは発勁だけではなく、決断力や闘争心といった精神の発動でもあり、
その総体が最終的に「一路」へと通じていくのだと考えております。(遠藤靖彦)
◉「二路」とは何か
◉斬手 ~ 翻花舞袖 ~ 掩手肱捶 ~ 海底翻花
(套路動作演武・実戦連続演武・用法解説・武器による実戦連続演武)
◉轉身六合 ~ 左裹鞭砲
(套路動作演武・実戦連続演武・用法解説・武器による実戦連続演武)
◉掃趟腿 ~ 撃地捶 ~ 翻身二起脚 ~ 掩手肱捶
(套路動作演武・実戦連続演武・用法解説・武器による実戦連続演武)
◉金剛搗碓 ~ 戳脚 ~ 奪二肱 ~ 連環砲 ~ 玉女穿梭
~ 回頭当門砲 ~ 玉女穿梭 ~ 回頭当門砲
(套路動作演武・実戦連続演武・用法解説・武器による実戦連続演武)
◉風掃梅花 ~ 左趙一根 ~ 転身連環三踢 ~ 撩掌 ~ 旋転斬手
~ 斜飛勢 ~ 翻身拗鸞肘 ~ 穿心肘 〜 雲手 〜 井攬直入
(套路動作演武・実戦連続演武・用法解説・武器による実戦連続演武)
◉陳家溝 ◉「二路」の円運動 ◉「二路」の上下運動
◉太極拳の距離 ◉「一動全動」 ◉「二路」の実戦性
◉実戦における合理性 ◉武器の用法について
◉成長段階における訓練 ◉高手の「掃趟腿」
◉実戦における「化勁」 ◉実戦における「二路」の効用
◉「抖勁」について ◉「二路」のリアル
遠藤靖彦(えんどう せいげん)
1955年東京生まれ。1971年から中国武術を学び始め、1979年には周元龍老師より初めて陳式太極拳の指導を受ける。1982年には陳小旺老師に師事し、1984年には中国武漢国際太極拳(剣)表演大会および第1回全日本太極拳・中国武術表演大会で優勝を果たす。また、陳式太極拳の馮志強老師にも師事する。その驚異的な技術は動画を通じて視聴者に感銘を与え、入門希望者が後を絶たない。
著書に『功夫への道』『功夫の練り方』、DVDに『真の功夫を求めて』『陳式太極拳』『遠藤靖彦の化勁』(いずれもBABジャパン)がある。
撮影協力◎池田茎枝・大野紗永子・徳武聡・幡野哲哉・八橋進