空気投げは、本当に再現可能?→その答えは、Yesです!
半ば伝説となった三船久蔵十段の柔道技法「空気投げ(隅落)」。
この詳細なメカニズムを、日本で唯一の空気投げ研究家・田島大義氏が丁寧に解説。
武術・武道の精緻な技法を探求・研鑽する全ての人に贈る、本邦初公開の貴重な映像資料です!
【空気投げ】…「手も足も触れずに相手を倒したい」と思った三船十段の理想から生まれた「足腰を相手に触れず、体捌きによって倒す」技
【三船久蔵(みふね きゅうぞう:1883-1965)】…最高位の十段を授けられ「名人」「柔道の神様」と敬われた柔道家。「理論の嘉納、実践の三船」といわれた。
・技法研究法のひとつの提案:辰巳返しを例に
1)手順とポイント…誰でも実現出来る仕組みの理解
・空気投げの手順
・ポイント1:浮落で掴むタイミング
・ポイント2:体捌きの方向
・ポイント3:引き出して真っ直ぐ落とす
2)八方向の投げ…前後左右斜めの方向
・真ん前への空気投げ…浮落(前)
・左右前隅への空気投げ…渦落(右前)(左前)
・左右横隅への空気投げ…隅落(右横)(左横)
・左右後隅への空気投げ…隅落(右後)(左後)
・後隅への空気投げ…浪落(後)
3)基礎練習…姿勢と脱力を養う
・東京タワーのポーズ…姿勢をキープする(確認①:ジャンプ 確認②:姿勢の強さ)
・辰巳返し…手に体幹部の力を伝える
・正面押し…壁に寄り掛かって
・謙譲の美徳…重心の移動を相手に伝える
・投げ込み練習…止まっている相手に対して掛ける
4)実践編…動きの中で掛ける
・相手の動きをもらって掛ける1(浮落)
・相手の動きをもらって掛ける2(渦落)
・相手の動きをもらって掛ける3(隅落)
・防御姿勢の相手に掛ける(渦落)
・押し込んできた相手を押し戻して掛ける(浪落)
・小さく速く掛ける(隅落)
・動いている相手に対して掛ける(自由な方向)
5)応用編…他の柔道技に展開する
・浮落の背負落への展開
・渦落の支釣込足への展開
・隅落(右横隅)の体落への展開
・隅落(右後隅)の大外落への展開
・浪落の小内刈への展開
6)特別編…空気投げ応用技法
・組み合ってから相手に踏み入って掛ける(柄杓投げ)
・袖を絞り落とされた状態で掛ける(柄杓投げ応用1)
・釣り手を突き出された状態で掛ける(柄杓投げ応用2)
著者プロフィール
指導/監修◎田島大義(たじま たいぎ:空気投げ研究家)
構造動作研究会・中村考宏氏より『骨盤おこしトレーナー』認定、武術研究家・甲野善紀師より『松聲館技法研究員』許可。’07年にDVD『甲野善紀身体操作術』(アップリンク)で武術の世界に触れて以来、身体の不思議、面白さを楽しむようになり、日本で唯一と言える空気投げ研究家となる。中島章夫師主宰の半身動作研究会(現:動作術の会)会員。講道館柔道・初段。「空気投げ研究」http://air-throw.blogspot.jp/
指導協力◎小磯直樹 五十嵐剛
写真・映像提供◎久慈市立三船十段記念館