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蘇れ!柔道最強説

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定価
¥1,650 (税込)
著者名
磯部晃人
判型
四六判
頁数
228頁
発売日
2019年4月23日
[目次]

柔道が求めるのは、
勝者か? 強者か?

明治14年、嘉納治五郎によって古流柔術をもとに創始された柔道。それは、自由に技を掛け合う乱取を採用した画期的な武道だった。しかし、昭和39年の東京オリンピックで競技に採用されて以来、まずルールありきのスポーツへと変質の一途を辿る。二度目の東京オリンピックを控えた今、様々な問題点を明らかにし、新しい柔道の方向性を示す!

本書は辛口の柔道批評が出発点となっている。ところが読み進めると、改めて柔道の「面白さ」に気付くだろう。(「はじめに」より)
格闘技K-1、あの一大ムーブメント仕掛け人の一人が柔道を語る!

「タックル可否」「組み手争い」などの問題点から、復興への道が見える!!



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●第1章 「柔道が面白くない」という現象
〝近頃の〟柔道/柔道凋落の〝あのとき〟/いつから柔道は面白くなくなった?
〝ポイント柔道〟の台頭/一本のインフレ化/メダル・ラッシュの現代スポーツ界

●第2章 「初めにルールありき」ではない宿命
〝初めにルールありき〟のスポーツ競技/スポーツ化への認識
コードにおける「正しい柔道」/グローバル化の中で問われること
美的感覚とルールからの純化/主観的真剣勝負と客観的真剣勝負/武道界の構造理論派

●第3章 採点競技の呪縛(じゅばく)
間接的採点と直接的採点/採点基準の曖昧な採点競技/〝時間〟という制約
戦術の二極化と劣位戦の工夫/リスク回避の柔道/呪縛を跳ね返す実力

●第4章 着衣格闘技の記号論
様々な着衣格闘技/〝記号論的〟とは何か?/密着柔道の正体/相撲の特異性
プラスの格闘技とマイナスの格闘技/相撲と合気の意外な関係/共通言語としての柔道技

●第5章 記号論の衰退と技術の不明瞭化
衰退したメリハリある柔道/ルールで歪められた柔道/精緻な「記号論的でない技術」
認識されない新技開発/二つの柔道技の捉え方

●第6章 タックル禁止論争の是非
タックルの有用性と問題/二点二方向性の柔道と一点一方向性の空手
タックルの「ヤリ得」/タックルを毛嫌いする日本柔道/「脚取り技」創始伝説

●第7章 現代柔道の病巣〝組み手争い〟
組もうとしないJUDO選手/「組み手争い」と「組まない柔道」
「きちんと組む」は、武道として正しいか?/スポーツ的概念としての「正しい柔道」
「組み手争い」無意味説/「組み手争い」の存在意義を問う!

●第8章 左組み選手の増加による柔道の変質
左のクセ者と右の天才/それぞれの左組み事情
「ケンカ四つ」は体力差を補える?/組み手争いを助長する「左組み」

●第9章 魔法のような「調子技」の妙味
柔道の華「背負い投げ」と鮮やかな調子技/特徴際立つ「体落とし」
「体落とし」と組み方/体落としのバリエーション/「浮き落とし」の名手たち
「隅落とし」がつなぐ柔道と相撲の達人

●第10章 柔道の奥深き技の数々
ショータ・チョチョシビリの「裏投げ」/プロレスでの裏投げの特性
幻の技となった「跳ね腰」/消えた内股のバリエーション「高内股」
「消された技」で失ったもの

●第11章 柔道家が求めるのは、勝者か強者か?
勝者は強者たり得るか?/打撃格闘技の宿命!?「勝負証明不可能性」
〝第三の身体〟のコントロール/期待はずれの「番狂わせ」
エトスに反する「悪いルール」

●第12章 柔道はどうしたら面白くなるのか?
タックルや組手争いについて/このままでは滅びる柔道/柔道人口の現実
面白い柔道への試み/情報戦略の統括機関を/柔道の構造を知り、適切な改革を実行する

●特別鼎談 柔道とユーラシア大陸格闘文化・交流史
富川力道(モンゴル相撲)×田中康弘(サンボ)×磯部晃人(日本柔道)

著者プロフィール

著者◎磯部 晃人 Akito Isobe
1960 年生まれ、新潟県出身。新潟県立新潟高校、青山学院大学文学部史学科卒業。フジテレビ勤務。フジテレビのスポーツ局でK-1を企画し初代番組担当となり、K-1やPRIDEの事業プロデューサーを務める。「ゴング格闘技」誌で柔道コラムを長年にわたり連載。柔道三段、少林寺拳法三段。柔道史(主に戦後競技史)の研究をライフワークとするが、柔道との関連から武道・格闘技の動向にも幅広く関心を寄せている。

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