「武術で身につけられる『強さ』は『誰かより強い』という相対的なものではありません」。稽古の前提を、そのように説明する中野由哲先生(古伝体術心水会主宰)。自分の内面と向き合い、その状態を整えることで「絶対的な存在」になること。これが今回中野先生が伝えたい、武術で身につけられる強さです。
そのために重視すべきことが、それぞれの武術が伝えてきた「型」。この稽古で、自分の体・動き・意識をクリアにして、心身を統一化していきます。その一例として中野先生は、中国武術・形意拳の構え・三体式を紹介。
「指先・足先・鼻先は一直線上」「肩関節と股間節を結んだ四角形を崩さない」「腕は肘の骨を真下に」「股間節に窪みをつくる」。この条件で形をとっていくと、心身は統一化されていきます。そして「調和のエネルギーを通す器」となります。
ここから検証として、相手に腕を持っててもらい、肘を抜きます。この「抜き」も型稽古の重要動作のひとつ。ポイントは「関節を曲げずに、関節の力を抜くこと」。そうすると、三体式の器を保ったまま、相手とはぶつかり合いを起こさずに、動くことができます。つまり、相手の力と調和ができるので、結果として相手は崩れていきます。
他にも八卦掌の走圈(歩法)、空手型の内歩進など、そのポイントと共通する身体原則を、実感できる検証と共に分かりやすく解説。ジャンル・流派を問わず、自分が稽古している武術のさらなる深め方として、さまざまなヒントが得られるDVDです。
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