秘伝トピックス

『月刊秘伝』2015年5月号が、4月14日（火）発売となります。

今月号は本誌では定番企画の一つである「療術特集」。今回は特に武術と関係深い療術が、日本、アジア、欧州と、世界を股に掛けて集結しました。"武の先にある理（ことわり）で身体を直す（ただす）"、題して『武術印のカラダ活法！』の数々をご紹介します。

かつて甲野善紀師範を先生に招いて研鑽を積んでいた「旧・武術稽古研究会」。そこで共に学んでいた若林理砂（鍼灸師）と北川貴英師（システマ東京）に、"真のハイパフォーマンス"を導く身体と「ボディワーク」について語り合っていただきました。私たちは武術の技以前に、あたりまえの日常動作すらあたりまえにできていないことが多々あるのかもしれません。がむしゃらに稽古に励む方々へ向けて両師が提言する新たな「身体へのアプローチ」に注目です！

本特集ではこれまで"知る人ぞ知る"存在であった碓井流活法・碓井誠師に初登場いただきました。古流武術の伝統が培った「活法」を現代に甦らせ、身体の根源的な活力を療術としていかす碓井流活法。「人間の体は一手で変わる」と言われるその技法は、「超自然体・軸・同調同化・導引・観念力・透し・活（蘇生術）」と、武術に共通するキーワードに溢れていました！

インド伝統武術カラリパヤットに伝わるオイルマッサージでは、マルマ（ツボあるいは急所）やナーディ（経絡）といった、人のカラダを癒すために集大成された様々な知識が、実践されていました。その療術のキーワードは、ズバリ「スムーズさ、パワー、バランス、フロー」とニディーシュ師は語ります。オイルと武術の達人が可能とする縦・横・斜めに身体をひと流れする療術の中に、インドという悠久の歴史が育んだ活殺の深奥を垣間見れます。

ロシア・古武術システマの修練者の間で行われている「スティックコンディショニング」を今回、体験取材することができました。施術して下さったのは、世界で10人ほどしかいないというスティックコンディショニングのインストラクター資格を持つ元島道信師（システマ熊本）。トラウマを解消するほどの激痛（!?）を伴うことで有名なその療術は、"痛いからこそ"身体・精神・武術に効くんです！　その理由をぜひ本誌記事にてご覧下さい。

また、"最後の忍者"川上仁一師（甲賀流伴党第21代宗師家）に、「忍者に伝わる身体自己調整術」の数々についてご紹介いただきました。



本号では、本年１月にご逝去されました大東流合気柔術六方会宗師　岡本正剛師範の功績を追悼の念とともに振り返りました。かつて謎と憶測に覆われていた大東流の合気を、自らの神技とともに初めて書籍や映像を通して世に送り出し、その存在を知らしめた岡本師は、まさに合気の"具現者"でした。
38歳という武術家としては異例な年齢から武の頂へ歩み始めた師の【一代記】、小太刀の間合いから考察した師の【精妙な術理】、生前の師と縁を持つ出口衆太郎師（自然身法研究会代表・日本混元太極研究会理事）、河野智聖師（整体武術"心道"代表）、高岡英夫師（運動科学総合研究所所長）による【追悼コメント】から振り返った岡本正剛師の足跡は、大東流史のみならず武術の歴史を変えたあまりにも大きなものでした。


その他、韓国の地に飛び「朝鮮古来の武芸"テッキョン"」の現在に迫ったレポート、塩田剛三師範生誕百年を記念し、塩田国際合気道連盟（SIAF）・塩田泰久師範とご子息の将大氏へインタビューした「三代にわたる合気　塩田剛三の合気を伝えていく決意」、空手の聖地沖縄で存在を示す中国武術家「天行健中国武術館　宮平保の〝打〟〝摔〟 〝拿〟を貫く戦闘理論」、古流武術を実践し、剣とペンを手にする漫画家・とみ新蔵師へのインタビュー記事「剣の理を体現し、劇画に描く！」、注目のガチバトル！日本甲冑と西洋甲冑が鎬を削った「STEEL! 第2回リーグマッチ」レポート、第５回撃剣大会レビュー＆誠斬会・籏谷嘉辰師範に訊く「研ぎ師・刀剣商・真剣試合......日本刀剣への熱き情熱！」など、特別記事が盛りだくさん！

本号より始まる注目の新連載「平直行の『グレイシー護身術』武的考察」をはじめ、好評連載の数々とともに充実の内容で送る月刊秘伝5月号は4月14日（火）発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでお求め下さい。