9月24日吉日 曇り空の中、東京講習会が開催されました。
王喜成老師をお呼びしての講習会は中国伝統武術 掌友会と袁天輝老師との協同により王映海師父をお呼びしてから数年つづいています。そして今回も袁天輝老師と中国伝統武術 掌友会との協同で実現いたしました。
開始はやはり丹田功(蹲猿勢)でまずは身体をならすため軽く動く、これを戴氏心意拳では軽動(けいどう)とよび形を整える練習とウォーミングアップを兼ねています。初心者も上級者もこの丹田功を練習するのが慣わしです。
丹田功で身体が暖まってきたら発勁を入れた丹田功を練習します。
これは早い丹田功(重動)ですが、闇雲に早くすれば良いものでもなく、少しづつ速度を上げていくのです。
ゆっくりの練習ばかりをしていると時には叱られることもあります。それは「いつまでも一年生の練習をしていてはいけない。二年生になったなら二年生の練習をしていかないと成長はない」とよく言われたものです。
戴氏心意拳の早い丹田功(重動)を練習する意味はこの発勁の力を上げていくことに意味があります。つまりゆっくりの練習ばかりしていると発勁の威力が上がらず使用時にも滞るであろうという考えです。
同様に技(手法)においても早い発勁を練習する意味合いは、遅くゆっくりを練習しすぎると、上記と同様に、実際に使うときに早く打つことが出来ない恐れがあるからです。
虎歩(こほ)、またの名を搬丹田といい戴氏心意拳の中心となる歩法の一つです。
昨年くらいよりこの歩法に関しては、ある程度できる者が増えてきたため、あまり言われなくなりましたが、初日はこの練習を少しだけ専門的に練習しました。
今回の講習会では四日間を通して「龍調膀」「三拳」「摩精摸勁」を教わりました。
「龍調膀(りゅうちょうぼう)」は戴氏心意拳の膀法(肩での攻撃、または身法)の一つであり、今回の「龍調膀」の説明では相手を動かさずに背後に回るとの説明を受けました。
皆さんにもやっていただきましたが、熟練を要し皆さん中々上手くできません。しかし、受講者の方々は楽しそうなご様子でした。
「三拳(さんけん)」は鑚拳、裹拳、践拳という近距離での使用法が似ている手法の集合体であり、距離の変化を学ぶ技の用法を練習しました。
「摩精摸勁(もうじんもうじん)」とは戴氏心意拳における感覚練習の一つととらえています。使用法もありますが基本的には皮膚感覚の練習の手法だそうです。
今回は四日間を通じて上記の三つの手法を丁寧に習いました。
二年前に比べてずいぶんとハイレベルな練習が入ってきました。三棍という棍(棒術)の型も上級者は練習を許されていました。
基本の技術(丹田功、虎歩等)はもちろん当たり前のように注意していただき、新しい事もならえました。それも長く続けてくださっている方々が増えているおかげで、最近は技を多く習えるようになってきました。
最近では発勁のメソッドとして戴氏心意拳を練習する方も増えてきていて今後が楽しみな武術です。また来年王喜成老師にお越しいただければ幸いと存じます。
2015年9月27日講習会終了。