武器を持たない徒手同士での闘いでは、打撃での応酬か、組み合っての攻防か、そしてその両方が混じり合った形を含めて、大きくはこの二つのスタイルに分けられる。
本特集では、このうちの組み合っての攻防、つまり、組討・組技を中心とした武術、格技に深く迫っていく。
近世以前の戦場において用いられた甲冑着用での柔術とも言える「甲冑組討」から、他の格闘技との他流試合も想定された普遍性を持つ「ブラジリアン柔術」や様々な組技格闘技の長所を集約して創られた「サブミッション・アーツ・レスリング」までの第一人者に、その術理を詳しく示してもらった。
また、寝技中心の「七帝(柔道)」ルールでの試合と伝説的な「寝技」の名手による技術講習が行われた催しも取り上げた。
「組んで制す」「掴んで極める」組討・組技の技術の要諦がここにある!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
正しく手順を踏んでいけば、誰でもできる。合理的な技術を駆使して極めに至る。それがブラジリアン柔術の根幹を成す特長である。特集第1章では、競技者として輝かしい戦績を残し、引退後は指導者として世界チャンピオンを育成するなど多くの成果を上げてきた早川光由師範にブラジリアン柔術の技術体系の一端を示してもらった。他の競技や武術では不利と考えられている状況から脱して攻めに転じる。そんな方法を含めて、再現性のある技術をお届けしよう。
旧帝大の柔道部で行われている七帝柔道は、高専柔道の流れを汲み、寝技がより重要な要素となる。3月30日、東京都内の日本大学柔道部合宿所で、七帝ルールによる対抗戦、並びに“寝技の名手”として名高い柏崎克彦先生を招いての寝技研究会が行われた。試合は激しい戦いが繰り広げられ、柏崎先生による指導は奥深い技術の数々が示された。柔道家、柔術家たちの熱気で溢れた本催しのレポートをお届けする。
組技・組討の原点といえば、鎧兜に身を包んだ甲冑武者による甲冑組討。命のやり取りが行われる戦場において、古の武者たちはどのような戦闘を求めたのか? 一名「甲冑柔」の名で知られる東北発祥の柳生心眼流は、甲冑組討を基礎に置いた独特な体系を現代に伝えている。特集第3章では、その一端を柳生心眼流教伝所「竹翁舎」二代舎主を務める多田輝夫師範にお訊きした。
高校時代はレスリング、大学時代は寝技中心の七帝柔道で腕を磨き、その後、シューティング(修斗)、そしてブラジリアン柔術の世界で激戦を闘い抜いてきた中井祐樹師。ブラジリアン柔術の指導者として活動する現在の中井師に柔術への思いと考察を綴ってもらった。他の分野・競技と競い闘いながら、共存することが想定されてもいる柔術の“懐の深さ”が説かれると共に、柔術家として目指すべき道が示される!
日本における総合格闘技ブームに大きく先駆け、1980年代に総合的な組技格闘技「サブミッション・アーツ・レスリング」を創始し、日本格闘技界に絶大な影響を与えたパイオニア──それが麻生秀孝師範だ。本特集のトリを飾る第4章では、麻生師に自らが極め尽くした組技の真髄と、「必技極」の深遠なる武道哲学を語っていただいた!
武術、身体調整、ダンス界、屈指の3人のマスターが集結した「超軸セミナー」が、去る3月東京都内にて開催された。
“軸”を中心として、人間の可能性を内から究極に拓いていく探求の道と方法の数々が紹介された、大注目の講座の詳細をお届けしよう!
日野晃師範は、伊藤一刀斎らの達人の言葉に込められた実際を現代に蘇らせるべく、自身の体を通して長く探求を重ねてきた。なぜなら、その言葉の中に、現代において失われてしまった、また人間性を取り戻すための何かがあると感じているからだ。
今回は、日野師範に、その探求の軌跡の中から、「胸骨操作」や「肘だけを動かす」といった稽古法を示してもらった。そこに、日本の伝統的な身体操法の粋がある!
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