「勝たせる」とは何か。現代の武道・武術の文脈において、勝敗は最終的に個人の行為として現れるものである。とは言え「勝つ状態をつくる」ことは、師匠の力によるところも大きく、遡れば、武将たちは部下を率いて軍の活路をひらいてきた。それは間違いなく武に必要な力であったに違いない。
勝てる状態を整え、最適な瞬間にそれを引き出す。身体で伝え、全体を見て、間を制し、個を活かし、自らが規範となる─
そのようなリーダーがいるとき、人は本来の力を発揮する。武道・武術はそのための方法を、長い時間をかけて磨き上げてきた。そして、その術は「身体・心理・戦術・倫理」を一体として鍛え養成する稀有な構造を持った、「勝たせる」ための、今なお極めて有効な基盤となり得る。
本特集では、そんな「武道的リーダー」の秘伝に迫りたい。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
教育者にしろ、指揮者にしろ、いくら自身が優秀であっても、その生徒なり部下のやる気がなければ、どうすることもできない。逆に、その存在が、教わる側や指示を受ける側を自ら奮い立たせてしまうカリスマがいる。
そんな武のカリスマたちの言葉を作家、松宮康生氏に紹介、分析いただいた。
若き日々を極真空手とその「最強伝説」に捧げ、2004年本誌の企画を縁に、沖縄古伝武術空手と出会った岩﨑達也師。
自身の修行の果ての境地で見出した武術性を、現在は空手の枠をも超えて、平本蓮選手をはじめ、多くのMMAトップファイターたちに伝えている「勝たせる道場」剛毅會の稽古を直撃取材した。
「心技体」のうち、最も重要なのは“心”――。孤高のファイターとして頂点を走ってきた平本蓮選手が、初めて「師」と呼べる存在に出会い、武道的精神と“チーム=一門”の力に目覚めていく。型や站樁、道場訓に込められた意味、試合前の恐怖との向き合い方、そして自らの内に神を創るという独自の精神論まで――。トップMMAファイターが語る、“勝つ技術”を超えた「心」を鍛える“平本蓮の武道論”を特別紹介。
日本武道にも深く精通した護身術の巨匠、アヴィ・ナルディア師は、元イスラエル国防軍少佐、特殊作戦部隊のインストラクター、そして近接戦闘と身体鍛錬を通じたリーダーシップ論の第一人者として、国際的に知られる存在である。
特集本章では、アヴィ師に、指揮官の身体をテーマに、その資質と指揮の思想について、話を伺った。
取材協力◎マガジム
陸上自衛隊特殊作戦群初代群長、明治神宮武道場「至誠館」館長を経て、現在は「熊野飛鳥むすびの里」を開き、荒谷流武道を伝えている〝現代のマスラオ〟荒谷卓師範。
本誌1月号でのご登場に続き、本特集では、改めて荒谷師範が、神話に始まる日本の宇宙観から武道の根源を紐解き、歴史上の武将の姿を通して、「将帥の武威」とは何かを明らかにし、現代に通じる指揮統率の要諦を紹介する。
特集最終パートは、甲冑を纏って戦う戦国の合戦場を再現することで、武術の本質へ迫る日本甲冑合戦之会、横山雅始師範。
ガチ甲冑合戦というリアルの中で体感された、武が培う統率力の重要性を改めて検証していただいた。
本特集を締めるコラムでは、時と場所を明朝末期の中国に移し、名将・戚継光が倭寇に対して備えた、新兵器、陣形、そして個性を活かした“温故知新”の用兵術について紹介しよう。
古来より「武医同術」「活殺自在」といわれるように、武術と医術は表裏一体のものとして伝えられてきた。
これを弓道の世界において体現する数少ない武人の一人が、今回ご登場いただく高橋景樹師だ。
東京慈恵会医科大学弓道部監督を務め、日本体育大学でも指導。さらには柔道整復師として自身の整骨院を営む高橋景樹師に、
「弓」と「医」、二つの道から観た身体の理を語っていただいた!
エネルギーを通し身体の天才性を呼び起こす「JIDAIメソッド」開発者であり、マイムアーティストとして数々の舞台作品を発表しているJIDAI氏。
あらゆる動きの「質的転換」を実現する氏のメソッドは、各界から注目を集めてやまないが、今回、動きの土台であり、最基本とも言える「立つ」ことの質について紹介いただこう!
陳式太極拳の双璧をなす套路(型)、「一路」と「二路」。日本では、相手の力を柔らかくいなす「守」の一路が太極拳の一般的なイメージとして定着しているが、明日にも戦わなければならなかった昔日の太極拳では、自ら打って出る「攻」の二路こそが重視されていたという。
今回は陳式太極拳のレジェンド・遠藤靖彦老師が、徒手と武器、双方に通じる二路の戦闘法を公開する!
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