弓を手にしたことがなければ、「弓力30 kg」と言われてもその強さにピンと来ないかもしれないが、おそらく多くの方々は引き分けるのにも難儀することだろう。
それをはるかに超える「寸弓」(約50 kg)をも使いこなしたという、かつての弓豪たち……。
弓引き憧れの「強弓遣い」とは、単なる力自慢なのではなく、今も昔もまさしく〝術〟の求道者たちなのである。
本特集では、失われつつある先人の教えと強い弓が導く正しい身体使いを探求し、チカラの先にある武術としての新地平を、今一度、切り拓いて行きたい。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
特集第1章では、古代から現代にいたる我が国における強弓の使い手たちを、伊達印西派弓術研究会を主宰する黒須憲師が紹介する。
また、現代の弓道においては、強弓はどのような意味をもたらすものなのかについての考察を示してもらった。
武術としての真の弓術を探求する「啓進会」を主宰する守屋達一郎師と顧問・高橋景樹師の御用達が「長谷川弓具店」である。その店主であり、三代にわたる伝統を継ぐ矢師でもある長谷川英一師。
本章ではお三方の鼎談を通して、強弓にまつわる弓道界や職人・素材の現状と問題点、そして術の上達とも直結する伝統の弓矢と弓具店との付き合い方などについて、ご指南いただこう。
かつて、弓道日本一を決める大会「天皇杯」を三度制した岡﨑廣志範士八段は、山形の地で弽を制作する職人でもある。
若き日に志した強弓稽古の様子や理想とする大離れと弽との関係についてお尋ねした。
千葉県成田市に「安藤弓術場」を構える弓術家・安藤光太郎師は、「強弓とは強い矢のための一つの手段」であると語る。
特集本章では安藤師に、武術としての強弓が求める強い矢の成立条件と、強弓を引くためのフィジカルトーニング法について紹介いただこう。
特集本パートでは、第2章の鼎談に続いて、啓進会主宰の守屋達一郎師に、強弓に臨むためにも必須の「真の安定」した身体、いわゆる居着いた〝カカシ〟とは次元を異にする、「縦線」の再考と、その修練法を紹介いただこう。
知られざる強弓遣いとその教えを伝える特集コラム。その1では、現代の本多流で随一の強弓を引いていた山本実師について、弟子の尾木紹学師(本多流 指月庵)に紹介いただいた。
特集最後を飾るコラム2では、本号の表紙にも掲載の“知られざる豪傑”川島堯(直心影流16代・弓道範士)について、その貴重な著書『日置流雪荷派 弓道回顧録』の監修も務めた松尾牧則氏に紹介いただこう。
空手のメッカとして、今や世界中から尊崇と憧憬を集める沖縄。その地で報道人の立場から、幾多の達人たちと共に戦後の沖縄空手の歴史を創り上げてきたのが、今回「秘伝なヒト」に登場いただく濱川謙氏だ。
沖縄空手界の統一に奔走し、さらに文化振興まで担ってきた一大功労者が、戦後の沖縄空手が歩んだ軌跡と、その唯一無二の価値たる「平和の武」を語る!
太極拳を学ぶ人たちにとって、その基本功を体得することはとても重要である。しかし、それは套路をただ繰り返すだけで身につくものではない。「太極拳の動作をどのように理解して」取り組むかにかかっているのだ。
本連載では、若くして太極拳を学び、長年にわたり独自に研鑽を重ねてきた真北斐図師範が太極拳の基本動作に隠されている極意を明らかにしていく。
それは太極拳を上達させ、功夫を高める要諦であり、またあらゆる武術の奥義にも通じている。さあ、太極拳の動作を学びながら、武術の極意に迫っていこう!
プロのボディガードとして数多の経験を持ち、防犯・護身・警護に精通したエキスパートである加藤一統氏(暴犯被害相談センター代表)。
一般市民までもが「治安の悪化」を感じる昨今、凶刃のターゲットとならないためにも知っておくべき、「危険・暴力・犯罪の特性」と、その“備え”を加藤氏に徹底解説していただこう。
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