自らの身長をも超える長大な武器。
現代社会においては携帯すら憚られるそんな武器たちは今の世の中、まさに〝無用の長物〟とされても仕方がないように思える。
しかし、本当にそうだろうか?
近現代の武人である八極拳の達人、李書文は強大な発勁の威力で知られる一方、長大な六合大槍を操り神妙の域に達して〝神槍〟の異名で呼ばれた。
相手の身体の奥深くまで透徹する強大な威力の源泉には、長大な武器の先端まで威力を届ける身体の使い方が、大いに関係していることは想像に難くない。
現在も多くの伝統武術が伝え残す長大な武器術、そこに何があるのか?
今特集では、身体内部から導き出す発力=浸透する威力を、長大武器の鍛錬の数々に学んでみたい。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
ブルース・リーが示した「ワンインチパンチ」。その基礎を築かせたと目される、香港は葉問一門に伝えられた詠春拳は、細密な手技による連続攻撃を得意としているが、その一方で、太く、約3メートルの長大な棒を駆使する「六點半棍」が伝えられている。ワンインチパンチを可能ならしめる詠春拳の短勁を養う上で、重要な役割を担うというその技術と体系の一端を、葉問の香港における第1期生である梁相の系統に学んだ日本人伝承者、和泉貴志、新部敏の両師傳(※香港詠春拳では「老師」ではなく、「師傳」を使うのが一般的)にご紹介いただいた。
大陸を駆け巡った古の英雄たちが振りかざした長大な大刀。
その操法を今に伝えるのが、太極拳の源流・陳氏太極拳の春秋大刀の技術。そこに秘められた陳氏独特の勁力「纒絲勁」と春秋大刀訓練の関係性を安田洋介老師にお聞きした。
特集最後の締めは、香港で許式意拳・六合八法を伝える許傑華老師に、長兵器の雄〝大杆子(穂先を外した大槍)〟の鍛錬と意拳独特の〝站樁〟との関係性を「勁力養成」の観点から紐解いていただいた。
人体構造に基づく科学的な解析から見えてきた、長物武器がもたらす〝貫く力〟の源とは何か!?
3メートルを優に超える、長大な管槍を自在に操る尾張貫流槍術。
その長さと重さは修行者の「枷」となり、同時に身体を拓く道標となる。
特集コラムでは、春風館道場・赤羽根大介師範に、尾張貫流の二間槍が導く身体感覚と、あらゆる武器術に通ずる普遍の理を語っていただいた!
「後世に名を残すレジェンド級の達人たちは皆、催眠によって神懸かり的な力を得ていた」
そう説くのは、斬新な心身開発メソッド「スキンドライブシステム」の創始者・新井洋次師だ。
伝説の催眠術師・吉田かずお氏に学び、療術や武術にも深く精通する新井師の元には現在、超一流の格闘家やアスリートが集い、催眠を用いた能力開発で大きな成果を挙げているという。
身体操法だけでは到達できない、高次元の達人領域に至るための極意に迫る!
かの達摩大師(菩提達摩)が、かつて嵩山少林寺の僧侶たちに伝えたとされ、今や中国における四大気功の一つとして広く知られている「易筋経」。そして本誌2023年8月号に続き、総合武道研究会玄武館・岡部武央師にご紹介いただく熊氏易筋経は、養生色の強い一般的な易筋経とは異なり、呼吸法によって武術のカラダを造ることを主目的としたものだ。
現代の筋力トレーニングを凌駕する、古代中国の身体鍛錬法をここに示す!
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