取っ組み合いや殴り合いにおいては、体格に勝るものが断然有利であり、「小が大を制す」ことは困難を極める。だからこそ、「小よく大を制す」は、武道の一つの理想として捉えられ、多くの武道家がその実現のために技術を磨き続けてきた。
しかし、古くから伝わる武術には、その理想を体現するための術理が元より備えられている。本特集では、武術が有する「小よく大を制す」ための知恵と工夫を紹介していく。また、「小が大を制す」ことがより困難である競技武道も取り上げ、体格差に負けない心身の鍛え方に迫った。小き者(物)が大きな者(物)を制すための「戦略」「心身」「術」「剣理」が示される!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
特集序章では、体格差を覆すことがいかに難しいかについて言及した上で、武術の世界に存在した「小よく大を制す」を体現してきた達人たちを幾人かあげた。競技武道や格闘技との比較も示しつつ、日本の武術が有する「体格や体力を凌駕する智慧と工夫」について見ていこう。
1991年、極真空手第5回全世界大会を制したのは、「小さな巨人」と謳われた緑健児選手だった。自分よりはるかに大きい選手たちと何試合も戦い抜き、優勝を勝ち取ることができた要因には、徹底的に鍛え抜かれた心身の充実があった。現在は新極真会代表として活動する緑氏に、選手時代のことを改めて聞かせてもらうとともに、2019年の世界大会を制した現役選手の南原朱里選手にも協力いただき、極真空手における「小能く大を制す」ための鍛え方、戦い方に迫った。
特集最後の章でお話を伺うのは、日本武術の要たる剣術の理合。長短さまざまな武器が戦い合う古流において、「小よく大を制す」はどのような理をもって成立させたのか? ここでは、名門「小野派一刀流」の小太刀技法について、同流を伝えた笹森順造先生に直伝を受けた白嶺北天会の宮内一先生にお話を伺った。
幕末の剣客たちが、ともに同じ時代を生きた〝最強の剣客〟について語り合う……
そんな浪漫溢れる問いに、実際の古流道場への綿密な取材と、漫画家ならではの想像力と筆勢で迫る連載作品『ツワモノガタリ』が、「ヤングマガジン」誌上で始まった。
今号の「秘伝なヒト」では、大注目の〝幕末最強剣士譚〟を描く漫画家の細川忠孝先生に、『ツワモノガタリ』制作秘話について物語っていただいた!
取材協力◎講談社 ヤングマガジン編集部
空手の世界チャンピオンをはじめ、多くの著名な空手指導者や格闘技選手たちがその無類の“技の威力”に教えを請う道場があるという。それが「秀徹」だ。
今回は武術・格闘界を席巻せんとする「秀徹」の誕生秘話と、その特徴を直撃取材。
驚異的な“爆発力”を生む、その稽古の模様を特別誌上公開しよう!
“勝つ”ことよりも、“負けない”術(すべ)を構築することを提唱する「剣─TSURUGI─護身術」。
その創始者である通称ヒーロ黒木師は、若き頃よりフルコンタクト空手に情熱を燃やし、自衛隊時代は訓練とは別に自らを鍛錬する日々を過ごした後、大東流合気武道に出会い、武術の深奥に触れると共に、それらの経験を活かした独自の護身武道を体系づけた。
一般人はもちろん、企業の護身研修や教育機関における防犯指導などでも広く活用される、「敵を倒さず、無事帰宅する」ことを旨とする考え方と技術の一端を御紹介いただいた。
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