本特集は「神武不殺」とも言われる日本武術の最高峰の技を実現する「殺活術」を紹介。極まれば一瞬で“落としてしまう”当身や絞め技などの「殺法」と、仮死状態から蘇生させることを主体とする「活法」とを表裏一体とする技術体系の高度な発達は、世界へ誇るべき日本生まれの「技術的文化遺産」と言えるのではないか。
「殺活」という日本武術が到達した高い理念を正確に継承することで、この貴重な技術群を後世へ伝えていける資質が育つことを、本特集を通じて念願するところである。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
本特集の序章として、脳神経外科医であり、自身、大東流合気柔術を修め、また、 古来より伝わる殺活法の内容を現代風にわかりやすく著した『古流柔術の殺法・活法』を著書に持つ江夏怜師に、武術の技により人がなぜ気絶するのか、そのメカニズムについて、急所との関係性や医学的見地から紹介いただこう。
日本で醸成された「絞め技」の文化を、世界へ広めた立役者である講道館柔道。先の東京五輪2020においても、その威力が遺憾なく発揮され、物議を醸したのは記憶に新しい。
特集第2章では、そんな講道館柔道の中で培われた「絞め技の理」を、〝平成の寝技師〟の異名を持つ柔道家、小室宏二師にお訊きした。
撮影協力◎早稲田実業学校柔道部主将・岩崎愛依
今特集の最後に考察するのは、広く海外へ飛び出した日本の柔術・柔道が、新たに根付いた現地でもって独自の発展をとげた姿を追ってみたい。その代表格とも言えるのが、グレイシー柔術に代表されるブラジリアン柔術だ。
まだまだ謎の多いブラジリアン柔術の世界について、今回、絞め技の発展を軸に、グレイシー一族へ多大な影響を与えた、知られざる日本人の影など、長年、ブラジリアン柔術を実践・研究する奥田照幸師に語っていただいた。
撮影協力◎エクストリーム柔術アカデミー・中山英朗(ABLAZE八王子)
【考察】活法における「当身」──“経絡技法”との関係
文◎霞 拳太郎
【研究】欧米レスリングにおける「紳士のマナーと鑑賞競技のジレンマ」
文◎那嵯涼介
【随想】「死を想起させ、生を実感させるもの」中井祐樹の“活かす”柔術
文◎中井祐樹
6月に開催された内閣総理大臣杯第63回全国空手道選手権大会において、 「一般女子 形の部」で見事初優勝を遂げたニューヒロイン・志村珠妃選手。 その師であり、全日本選手権を10度、世界選手権を3度制した栗原一晃師範。 形競技の最高峰を極めた師弟コンビに、試合で勝つための秘訣、 そしてスポーツにとどまらない武道空手の形の本質を語っていただいた!
不世出の達人・塩田剛三師の最晩年の内弟子として薫陶を受けた千野進師。一瞬の集中力で切り下ろすその合気は、まさに剛三師の生き写しだ。 今回は剛三師が示した数々の神技の中でもとりわけ印象的な、〝放したくても離れない手〟の原理と極意を千野師に示していただいた!
自分も相手も傷つけない。それが廣木道心宗家が創始した「護道」の根幹にある哲学であり、その思想に基づいて技法体系も構築されている。
今回、廣木宗家と武術格闘家の菊野克紀選手の対談が実現した。
護道の技と術を可能ならしめている不覚筋動を用いた一体化や脳波の共振などについて、実際に技を示してもらうとともに、詳しく語ってもらった。
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