ブルース・リーといえば、「アチョ~」の怪鳥音と共に、誰もが思い浮かべるのが〝ヌンチャク〟。その研ぎ澄まされた肉体と俊逸なアクションに勝るとも劣らない、変幻自在にして素晴らしい威力を見せつけたヌンチャク技法は、たちまち世界中の若者たちをトリコにし、多くの俄ヌンチャク使いを生み出したばかりでなく、本家本元の武術界においても、この「沖縄という一地方の古武器」が見直されるきっかけとなっていった。
「ヌンチャク」はまさに世相を揺り動かした未曾有の武器だが、その一方で、ブルース・リーの見せた独特の動きは「ヌンチャクではなく、ダン・イノサントを通じて習得したフィリピン武器術『タバク・トヨク』だ」とも耳にする。「タバク・トヨク」とは一体、どのようなものなのか?
今特集では、そんな「ヌンチャク幻想」の深奥を様々な角度から尋ねてみた。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
特集第1章では、ブルース・リーによるヌンチャク技法の実演が、いかに大きな波紋となって世界へ浸透し、今なおその余波が続いていることを、リーの多くの訳本を手掛け、当時、最前線で取材をした松宮康生氏に寄稿いただいた。
ブルース・リーのヌンチャクテクニック=タバク・トヨクについて、従来言われてきた「フィリピンの伝統武術」に由来するという説に疑問を呈する声は、実は少なくない。
第2章では、長年にわたってフィリピンを訪れ、長年にわたって現地武術の実地練習と研究を重ねてきたフジ・アーニス・クラブの大嶋良介師範に、その成果に基づく事実と、そこから割り出された見解について、ご寄稿いただいた。
多彩な動きで人々を魅了したブルース・リーのヌンチャクには、果たして、沖縄伝来の古武術「ヌンチャク」の影は見えないのか?
特集第3章では、沖縄のチャンプルー文化を如実に感じさせる武術名家、又吉家伝来古武術「ヌンチャク術」について、龍ヶ崎光道館の早坂義文師範にお聞きした。
第4章では、いよいよブルース・リーへ実際〝ヌンチャク技法〟を授けたダン・イノサント師父を、ロス在住で古くから親交のある三谷愛武師によって直撃インタビューしていただいた。ブルース・リーを通じて世界が魅了された「ヌンチャク」とは何だったのか? 貴重な歴史的証言をお届けする!
特集コラムでは、ブルース・リーのヌンチャクによって人生が決まった“ヌンチャクアーティスト”ことニンジャHIROKI師による「ブルース・リー映画ヌンチャクの解析」。本土におけるヌンチャク黎明期の指導現場を直接体験した、本誌ではおなじみの総合武道研究会玄武館の岡部武央師による「私のヌンチャク修行体験」。そして、かつて少年誌では定番の「通信講座」の世界と、在りし日のヌンチャクブーム時の劇画との微妙な関係性を紐解いていく。
パリ五輪でのレスリングTEAM JAPANの大活躍も記憶に新しい今回、お話を伺ったのはレスリングカメラマンとして長年にわたり、選手たちの側に寄り添い、支え続け、その姿を撮影・発信している保高幸子さん。
RIZIN公式カメラマンとしても活躍中の保高さんに、日本レスリングの現在と、自身のライフワークについて伺うべく、日大レスリング部にて直撃取材!
世界的な人気を誇る対戦型格闘ゲーム「鉄拳」(バンダイナムコエンターテイメント)。本作に影響を受けた読者諸兄も多いことだろう。
誕生から30周年を迎えたこの度、「鉄拳プロジェクト」のキーパーソンに集まっていただき、多くの武道武術家たちも制作に協力した名作格闘ゲームの制作秘話について、語っていただいた。
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