伝統芸能が伝える身遣いとしての「ナンバ」に焦点が当てられてから三四半世紀。その後、江戸時代以前の日本人の歩き方として、「ナンバ」は人口に膾炙した。
“同側の動き、捻らない”といったイメージが根強いナンバ歩きは、これまでに何度もその語源や実態について、多くの議論が交わされてきた。だが、その間、ナンバにより生まれる【省エネ・高出力】の動きは、武道・武術家や身体操法を伝える者たちにより研究が重ねられ、第一線のアスリートにも取り入れられるなど、驚くべき効果を上げて来た。
日本人伝統の「ナンバ」は、いまや、現代の先進者たちの手により研究・研鑽・工夫が重ねられ、より応用範囲を広げる進化(深化)を遂げつつあると言えるのではないか。
本特集では人類普遍の構え、動き、身遣いとしての“ユニバーサル”なナンバの姿態を『深発見』する歩みをお届けしよう!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
学生時代、武智鉄二の「伝統芸能のナンバ」と出会い、その後、甲野善紀師の「武術としてのナンバ」に触れ、以後、半身動作(≒ナンバ)と称した武術の原理から、人の姿勢、構造、動作、運動について研究を重ねてきた動作術の会・中島章夫師。
本年、古希を迎えた中島師が、半世紀にわたり探究してきた「ナンバの要」についての論考から、本特集を始めよう!
今を遡ること二十余年、スポーツ界を席巻した「ナンバ」。その古の身体操法は、スポーツの常識ではありえない、数多の奇跡を実現させてみせた。特集第2章では、当時ナンバをバスケットボールに応用した「古武術バスケ」で注目を集め、現在は杏林大学バスケットボール部を率いる金田伸夫監督と、同校コーチにしてナンバの第一人者の矢野龍彦師範が、ナンバのもたらすバスケの進化を語り合う!
ナンバ術協会特別師範にして、書道十段、合氣道八段のウィリアム・リード師から、弓道家のジェシカ・ゲリティー氏がナンバ歩きを学ぶ。
特集第3章では、その指導内容を通して、ナンバの感覚を養うための運動から実際に歩く際のポイントまで、ナンバ歩きの要点を紹介していく。ナンバ歩きを取り入れることによる素晴らしき効用が明らかになる!
特集の最後は、武道・舞踊研究家として、フランスを拠点に、和の伝統文化を伝え広めている松浦眞人師に、能楽と剣術の歩行から見た身体技法を紹介いただいた。
歴史的にも関係が深い能楽と新陰流、そのカマエ(構え)とハコビ(歩法)はナンバの特徴を有しつつも、その本質には、大宇宙の旋回を成すものがあった!?
本誌「月刊秘伝」において、団長によるBOOKレビュー「現代的虎の巻」が始まったのが2007年12月号。それから17年近くが経とうとしている。その間、毎号、2つずつの書評を記してきてもらった。〝本のソムリエ〟として、読書に関する講演を数多く行い、本を読むことの大切さを多くの人に伝えている団長に、読書時の心身の整え方や、なぜ読書することが重要なのかについて語ってもらった。
どんなに時代が進んでも、「本を読むことは武器になる」という真理は変わらない!
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