日本の諸武術が大きく変革することを求められた、近世から近代への急速な変換期。そんな時代を背景に、武田惣角という稀代の達人によって日本各地へ伝えられた「大東流合気柔術」。ときに〝日本柔術が最後に辿り着いた未曾有の術理〟とも見做される〝合気〟だが、そんな鮮烈な印象を抱かせるにたる、不可思議にして絶大なる威力と精妙さを体現して見せたのが、惣角の愛弟子の一人であった堀川幸道によって伝えた系統であった。
相手との接触点を通じて瞬時に相手を「無力化」し、意のままにコントロールして見せる、その柔らかな妙技は、あたかも相手が張り付いたかのように自由を奪われ、ときには術者が手を離してなお、しばらくは硬直したままの姿を晒してしまう。それが、ただ堀川幸道という達人だけに成し得たものでなく、世代を越えて連綿と体現されていくことに、「技術」としての確かさを垣間見せるのである。
そこには一体、何があるのか? 堀川幸道から井上祐助師範、新保建雄師範を経て伝わった〝合気〟の系譜を受け継ぐ、大東流合氣柔術 幸心会・野本禎師範(本部長 免許皆伝)が今回、未だその多くがベールに包まれていた堀川伝大東流の〝合気〟への門戸を初めて開く緊急特集。
全ては未来へとつなぐ〝合気〟の為に!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
大東流が伝えた“合気(合気之術)”。近世から近代へ時代が大きく移り変わる中で生まれ、時に〝日本柔術が最後に辿り着いた究極の奥儀〟とも見做される未曾有の術理とは、一体、どのようなものなのか? 今特集序章では、長年、合気系武術の諸相を分析、研究されてきた「煉丹修道 両儀堂」の清水豊氏に、まずは氏の分析による“合気”の本質とその伝承者たちによるそれぞれの“深化”について、まとめていただいた。
第2章ではいよいよ堀川伝大東流合気柔術における〝合気〟に迫るべく、幸心会の教授体系から「合気」養成の基礎概念と具体的な練法の一端を、野本禎師範に明かしていただいた。その根幹をなす「攻め合気」の実相とは!?
あまりに鮮烈な印象を与える堀川伝の合気技法の数々。
しかし、その根幹にはしっかりとした「柔術技法」という土台が構築されていることは、あまり知られていない。
第3章では、これまであまり注目されてこなかった堀川伝大東流の「柔術」にスポットを当て、「合気」との相関性について考察してみたい。
堀川伝最大の特徴「合気の固め技」の考察から、「合気」の現代的な存在意義を問う。
立川流一門初の女性落語家・立川こはるは、今年5月真打に昇進し、立川小春志と改名した。その小春志師匠は、和伝流の木﨑克彦師範のもとで手裏剣を修行する“武女子”でもある。
小春志師匠が手裏剣と出会ったきっかけを木﨑師範とともに振り返ってもらいつつ、落語と武術の共通点や、小春志師匠にとっての手裏剣修行の意義について語ってもらった。
日本で北京陳式を伝える諸団体が、それぞれの技術を互いに比較研究し合う「北京陳式太極拳交流会」が、6月17日(土)に川崎市国際交流センターで開催された。
第三回となる今回は、陳発科公から伝承されている套路「二路」をテーマとし、陳式宗家の拳を継ぐ一流の太極拳名師たちによる武宴が繰り広げられた。
一般公開は初となる、その交流模様を現地より徹底レポートでお届けしよう!
『忍道』師範忍を務める習志野青龍窟師は、時に陰忍として、自ら伝統の修行や武術稽古の実践に励み、時に陽忍として、忍びの心と術を遍く伝える忍道家である。
本連載では習志野師が自らの経験を基に、武術の理をも包含した驚異の“忍者修行世界”について詳らかにしていく! 忍術・武術参究者たちよ、混沌の現世を和すために、今こそ忍ぶべし!!
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