船腰義珍の松濤館流、宮城長順の剛柔流、摩文仁賢和の糸東流、そして大塚博紀の和道流。
本土空手の黎明期を支え、牽引してきた四大流派にあってさえ、空手の命ともいわれる「形(型)」の用法・分解に絶対無比の〝正解〟は用意されていなかった。
一人で演じられる空手の形(型)は、そこに含まれる動作の意味を読み解くことによって、はじめて実践の用をこなすことができる。
すなわち「分けて、解す」ことによって、空手形は真の姿を我々に見せてくれる。
幾重にも重なった先人たちの〝想い〟が文字通り「形」となった空手形という〝課題〟に対して、それを受け継ぐ空手家たちはどのような〝答え〟を見出したのか? 本土四大流派・極真空手・沖縄空手の師範に訊く!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
糸洲安恒と東恩納寛量という沖縄空手の二大大家に加え、呉賢貴(白鶴拳)の形までも伝える唯一の流派・糸東流。本土柔術も学び、そのエッセンスをも取り込んだ「摩文仁の形」を古伝の法則で紐解くと、そこに秘められた〝技の宝庫〟から、打投極が融合した新たな空手の姿が見えてくる!
第2章の最初に登場いただくのは、本土における剛柔流普及の先鞭を担った全日本空手道剛柔会。「型分解組手」を競技として実践する同団体が、更なる研究の上にまとめあげた、剛・柔の基礎を創る特徴的な「小手掛け合わせ」を中心に、そこから展開される高段者用の稽古法「返し組手」についてお訊きした。
船越義珍は、型稽古の意義を「体育、護身術、及び精神修養の効用がある」と説いた。金澤弘和宗家が創設した國際松濤館にも、こうした型稽古の在り方が脈々と受け継がれている。國際松濤館を継承した金澤伸明館長に、型稽古の意義と「生きた技」を鍛錬するための基本、型、組手、三位一体の在り方について解説いただいた。
沖縄空手と日本柔術が融合したハイブリッドの魁たる和道流。形によって身体内部を練り上げ、技に還元することを主眼とする、その独自の形解析を大塚博紀三代宗家に示していただいた!
一時は「競技至上主義」を標榜する中で、「型不要論」も一部に唱えられたフルコンタクト空手の総本山、「極真空手」。そんな極真空手にあって、型競技委員会や技術委員会などのトップを歴任された、現・極真空手道連盟極真館首席師範、岡崎寛人師範に、型分解に限らない、極真空手における型の再考と発展について御寄稿いただいた。
空手の発祥地・沖縄。その地で行われる形分解もまた、千差万別の解釈が個々の師範たちによって伝承されている。ここでは、米国の地で沖縄空手の特徴的な身体操作から、画期的な形分解をも発表して注目される、国際沖縄空手道無想会代表、新垣清師範に御寄稿いただいた。
今号の秘伝な人では、 合気道SA調布代表指導員・伊藤慎一師を特集。
対テロ・ゲリラ訓練や要人警護のスペシャリストとして 専門機関での指導や要人警護の仕事を営みつつ、 スカイダイビングやウイングスーツフライングで 多数のギネス記録を持つ「鳥人」合気道家だ。
飛行・要人警護・武道と多ジャンルに跨る 活躍のモチベーションと共通する極意について訊いた。
写真協力◎伊藤慎一
本年5月号の特集「武道・武術家はこう使え!YouTubeの奥義」でも紹介された、 現在、人気急上昇中の古武術系チャンネル「古武道 浅山一傳会」を主宰する関展秀師範。
浅山一傳流兵法第二十二世宗家を嗣ぐ、古武道界では未だ若手に属する 師の伝統に囚われない自由な発想は、どのようなバックボーンに由来するのか?
今号ではそのルーツを訪ねると共に、剣を主体として様々な武器へと展開する 浅山一傳流兵法の術理の一端をも改めて御披露いただいた。
万生館合氣道創始者、砂泊諴秀師が追究した〝結び〟。すなわち〝相手と一体化すること〟は、 実は合気道のみならず、武術、そして種々格闘技を含んでの究極の極意であり、 史上空前絶後の大発見だと言っても決して過言ではない。
しかしそれが「100%かかる技」を実現した方法論であるという事は、あまり認識されて いないのではないだろうか?
合気道がやらせなのか「100%かかる技」なのかは、 〝結び〟を知ればわかる。では、結ぶには?
武術が辿り着いた究極の境地を、〝火の国〟熊本の地、権藤聡師が語る。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。