ブルース・リーのデモンストレーションにより一躍有名となった「ワンインチパンチ」。
わずか拳一つ分空けた状態より、拳を加速させる距離なくして相手に効かせる「寸勁」打法は、中国武術をはじめとした多くの武術が養成し用いる「力の運用法」の一環であり、古くから考案され伝わってきた必倒の「近接戦闘術」である。
本特集では寸勁の“強力な威力”の秘密はもとより、「なぜ武術に寸勁は必要なのか」「それをどのように使うのか」、様々な武術における“寸勁の真の姿”をお届けしよう。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
さまざまな武術・門派におけるそれぞれの寸勁、身に刻まれるその“感触”こそが、武術に「寸勁」技法が長年確かに存在してきたことの証であろう。
本編の前に、これまでに多くの老師たちの“寸勁”を自らの身体に受け、取材を重ねてきた武術ライター野村暁彦氏による寸勁概観を紹介しよう!
黄飛鴻の無影脚に代表されるように、中国武術では視覚で捉え難い妙技を「無影」と形容し、称えてきた。
ごく接近した距離から僅かな動作で放たれる寸勁は、まさに目には見えない察知不能の無影打法といえる。
特集1章では、沖縄の実戦中国武術家 宮平保師範が、寸勁のメカニズムから実戦用法まで徹底解説する!
「必要なものを取り入れ、不要なものを捨て去る」 ジークンドーの創始者、ブルース・リーの言葉である。特集第二章では、このブルース・リーの理念を柱にすえて活動する、丹勇二師範率いるDefficに登場いただいた。ブルース・リーにとってのワンインチパンチとは、どのような意味合いの技術だったのか?を考察しつつ、Defficにおける寸勁打法の技術と原理を示してもらった。
数キロにも及ぶ人の腕、その重さが十分に発揮された打撃こそが、システマのストライクの真骨頂であろう。〝システマ式寸勁〟とも言えるショートストライク──その「衝撃的に重く鋭い拳」の養成法と用法について、システマ東京代表・北川貴英師に紹介いただいた!
特集の最後を締め括るのは、日本空手協会の中達也師範。昔日の空手家が示した、一見、何気ない所作から繰り出されながら、威力が相手の身体奥深くまで浸透していく突き。そこに、今特集で追い求める近接打法「寸勁」に通じるものがあるのではないか? 伝統空手の雄「日本空手協会」にあって、源流である沖縄空手へも身近く接する機会の多い中師範に、独自の探求からなる「近接打法の生み出し方」をお訊きした。
「侍、古流武芸、日本刀、武士道……」日本の歴史や精神性を代表するものとして、当然のごとく私たちがそれらに抱くイメージの数々が、実は誤謬に満ちたものだとしたら?
今回、お話をうかがったのは、長年にわたり学術的観点から古流や侍の歴史を研究している歴史学者カール・フライデー博士。自身、鹿島神流を修めるなど、広く武道に精通するフライデー博士が語る、人口に膾炙した「サムライ神話」の“真実”とは!?
梁山泊空手道連合 総帥・富樫宜弘最高師範が提唱する〝実践に耐えうる柔らかい空手〟について、本誌2020年7月号にて紹介した。
そして今回、梁山泊空手における技の威力の源泉について詳しく訊くことができた。
最小のモーションから最大の威力を生み出す打撃理論をここに示す!
作刀に携わり40年以上、武道の経歴はそれ以上という、国内でも稀有な存在である〝刀鍛冶武道家〟松葉國正師範。
「合気道は剣の術理から成り立っている」とはよく言われることだが、今回、武の器としての日本刀の歴史・用法、剣の術理が、なぜ合気道の心・気・技・体に結びついていくのかを、松葉師範が追求する「劍心合気道」の特徴とともに紹介いただいた。
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