武道の稽古やスポーツの練習時に、しばしば用いられる「体軸」という言葉。しかし、その定義は用いる人によって違いが見られます。今特集では各章ごとに、それぞれの" 体軸観" について明らかにするとともに、その養成法と活用法を紹介。強く、しなやかな「軸」をつくり、武道やスポーツに活かす方法が示されます!
こちらのコーナーでは、各章の詳細と関連する書籍、DVD など関連情報をご紹介しております。是非今月号と合わせてお楽しみください!
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特集の序章として、河野智聖師に人間の身体学的観点と日本の文化論的観点から「体軸」を論じてもらった。野生動物から進化していった人間の二足歩行を可能にしたものが、〝第三の脚〟とも言える「体軸」であった。野生を無くし、「軸」が衰えつつある現代において、「体軸」を養成する日本の作法や伝統の重要性を改めて提言する。
特集第一章に登場いただくのは、スポーツバイオメカニクスとともに、古武術の動きをもとに、多くのアスリートへの指導を行ってきた高橋佳三先生。
「体軸をつくるために動くのではく、目的にあった動きをすると結果的に体軸はできる」と高橋先生は言う。では、〝目的にあった動きができる体〟をいかにしてつくるのか。そのために欠かせない、肩甲骨、股関節、足の指を働かせて、全身を繋げるトレーニング法を示してもらった。
「体軸=地面から垂直に伸びる一本の棒」というイメージを持っている方は多いだろう。しかし、本特集第二章にご登場頂く広沢成山師は、体軸とは骨の「支え」と筋肉の「重さ」によって実現するものであり、決まった形はないと説く。必要な条件さえ満たせば、いかなる姿勢であっても失われない体軸の習得法をここに紹介!
特集第三章に登場いただくのは、体軸コンディショニングスクールを運営する高橋龍三氏。数多くの実験を通して、刺激を加えることで、軸状の意識が形成される筋肉群を把握してきた。
体軸筋と呼んでいる、それらの筋肉群を繋げるスイッチを示すとともに、スポーツや武道において、強く、且つ、ぶれない動きを身につけるためのボディワークを紹介する。
特集の結びは、日野晃師範に「軸」につていの論考を寄稿いただいた。「軸」に囚われず、役立たせるために必要なこととは? 「軸」をうまく使いこなすためのコツを、「守破離」の観点から説く!