中国武術劇画の金字塔『拳児』が伝えた夢とロマン
時を経て解明される、その“真の姿”とは!?
月刊秘伝2021年6月号
好評発売中!

かつて本誌でも連載していただいた中国武術の実践研究家にしてそのパイオニア、松田隆智師が原作を手掛け、多くの若者に中国武術の魅力を伝えた劇画『拳児』(画:藤原芳秀)。本誌が2017年に行った「最強マンガ大賞」においてもグランプリを獲得したこの伝説的な劇画によって、中国武術に興味を持ち、あるいは自ら実践者となって今や指導的立場として後進を導く人々も少なくない。

そんな『拳児』だが、そこで描かれる中国武術の姿は、松田隆智という原作者個人の経験と研究に基づくことが大半を占め、現在からみれば正確性に欠ける部分も否めないのが現実だ。時代的な制約など、パイオニアゆえの功罪と言えるだろう。

では、そんな〝『拳児』ワールド〟で語られた夢とロマンの中国武術とは、この現代でどのような姿で伝えられ、さらに未来へと手渡されようとしているのか?

『拳児』の核となった達人、李書文の伝えた『八極拳』、強烈な発勁が読者を驚かせた異色の太極拳『太極忽雷架』、そして、これも印象的だった達人、宮宝田が伝えた不可思議な拳法『八卦掌』へ焦点を当て、その現実の姿を今特集では追った。合わせて、近年、作画の藤原芳秀先生によって新たに始動した『拳児2』の近況から、幻の読切短編『皇帝武師』についてインタビューをさせていただいた。

『拳児』を通じて垣間見た中国武術の夢とロマン、その道は今なお、延々と続いていることを、今特集で確認していただきたい──。

月刊秘伝2021年6月号
発売日:5月14日(金)
定価:1,000円(税込)

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特集序章

劇画『拳児』とは、どのように生み出され、
何を育んだのか?
劇画『拳児』とは何だったのか?

特集序章では、劇画『拳児』がどのようにして生み出され、何を残したのか?
本邦中国武術史に一石を投じた、その意味合いについて検証してみたい。

特集第一章 達人・李書文が伝えた“剛猛なる発勁”

李書文伝の実戦性を堅持する
長春八極拳 その達人たちの技と心

肘部を多用した打法、大音響と共に地面を踏み鳴らす震脚、そして豪快かつ強力な力を生み出す発勁──。
『拳児』原作者、松田隆智師が生涯をかけて探求し、自らの研鑽の成果を作品に反映させることで、多くの読者へその魅力が伝えられた八極拳。特に無敗を誇った李書文の伝説と、その技術を学んだ拳児の活躍は今なお読者の心に残り、八極拳は現在も日本で最も人気を博す門派となっている。
李書文の開門弟子、霍殿閣の流れを汲む長春八極拳は、李書文が伝えた剛猛なる一撃を堅持し、綺羅星の如き名人達人を生み出し続けた。そんな長春八極拳の歴史と技術を、現地の長老たる何松吉老師に語っていただいた。

何 松吉 He Songji
1944年、吉林省扶余県出身。1957年より少林拳を学び、1963年に譚吉堂老師に拝師し八極拳を学習する。霍慶雲、斎徳昭、張耀権といった師叔・師伯より八極門の器械套路等を学ぶ。中国武術六段、武術一級裁判員、全国優秀社会体育指導員、吉林省武術協会副主席、中国国際八極拳培訓中心顧問

特集第二章 『拳児』の中で強烈な印象を残した太極拳

秘匿されし“峻烈なる太極拳”
太極忽雷架 その形成と発展(技術編)

特集第2章では、『拳児』の中でその激しい発勁をもって強烈な印象を残した太極拳の一派「(太極)忽雷架」を紹介したい。
『拳児』では既に陳家溝では失伝したとされた忽雷架だが、その隣村「陳新庄」には代々この未曾有の拳法が張家によって伝承されてきている。
本年1月号で詳説された「歴史編」に続く、太極忽雷架の革新的な技術体系を、その正宗、張随勝老師の解説で御紹介いただいた。

張 随勝 Zhang Suisheng
1967年、中国河南省温県陳新庄出身。張国棟忽雷太極拳研究会副会長兼総教練。 張国棟の曾孫として、幼少時より祖父・張宝成や父・張敬玉より家伝の太極拳・忽雷架を指導される。現在は、張国棟伝の忽雷架の代表として、中国・世界各地へ指導に赴く。国家武術六段。国際太極拳年会優秀百名拳師。温県優秀十佳拳師。

特集第三章 中国思想で補完された“理詰めの柔の技”

不可思議にして理に適った科学的武芸
劉公宮式八卦掌

今特集最後に登場いただくのは、2020年10月号特集「中国武術の科学」で、蘇昱彰伝八極拳「六大開拳」を解説いただいた「武学マーシャルアーツ・システム(武学MAS)」の數﨑重信師範。
今回は、八卦掌創始者董海川と同じく宮中の護院に勤めた宮宝田から劉雲樵老師、蘇昱彰老師へと伝わった「劉公伝宮式八卦掌」について解説いただいた。
『拳児』で劉月侠(劉雲樵老師がモデル)が拳児へ指導した八卦掌、その実態とは!?

數崎 信重 Kazusaki Nobushige
1976年神戸生まれ。高校2年生で「八極螳螂武藝總舘兵庫支部」に入会、兵庫支部が「八極劈掛拳藝館」に移行したため「八極劈掛拳藝館」に入会。その後、拳芸会神戸支部→武学推拡拳社関西武館の指導員として活動、その間も師の指導と助言をいただきながら自らの練習に励む。この時期に健康運動実践指導者の資格を取得(H.19~H.24)、指導の幅を広げる。また武術の幅を拡げるため『フィリピン武術の全貌』の著者大嶋良介氏(フジアーニスクラブ主宰)より年に数回アーニスの指導を受けている。2016年、武学推拡拳社関西武館の指導員退任を機に、それまでに学んだ「武学」を推拡するため「武学マーシャルアーツシステム」の構想を師に相談、認定を受ける。現在、プライベートレッスン、オンラインレッスン、セミナーの開催、セミナー依頼の受付をしながら「武学マーシャルアーツシステム」の師範として悩み多き日を楽しんでいる。

特集コラム 藤原芳秀“幻の読み切り” 『皇帝武師』秘話

『拳児』作画 藤原芳秀先生インタビュー
ラストエンペラーを護った拳

原作・松田隆智師/作画・藤原芳秀先生の『拳児』タッグによる知られざる名作『皇帝武師』。
ラストエンペラーを護った八極拳士たちの激闘を描いた、この幻の読み切り秘話と『拳児2』の最新情報を藤原先生に語っていただいた!

藤原 芳秀 Fujiwara Yoshihide
1966年生まれ。高校在学中に『魔利巣(マリス)』で小学館新人コミック大賞に入選。卒業後、池上遼一のアシスタントを経て、1986年、『私立終点高校』(原作・きむらはじめ)でデビュー。その後、本宮ひろ志のアシスタントとしても活動。1988年、週刊少年サンデーにて、原作・松田隆智の『拳児』を連載開始。1992年まで連載される。ほかに、『ジーザス』、『コンデ・コマ』、『闇のイージス』、『BUGS LAND』(原作・七月鏡一)、『冥府の剣 死神幻十郎』(原作・黒崎裕一郎)、『たびごはん―みさと 駅弁メモリーズ―』など。現在、「サンデーうぇぶり」にて『拳児2』を連載中。

巻頭 ジェイ・ノイズ(西洋剣術)× 田中克実(黒鋼衆)

鋼の戦場でまみえる「騎士」と「武士」

鋼の甲冑をまとったファイターたちによる本格的な戦闘競技「アーマードバトル」。
その日本リーグを主宰するキャッスル・ティンタジェル城主 ジェイ・ノイズ師と、 日本武道をバックボーンに持つ甲冑武士団「黒鋼衆」の頭領 田中克実選手。
鋼の戦場でまみえる騎士と武士が、洋の東西を超えた甲冑バトルの魅力を語り合う!

特別企画 システマ東京・北川貴英

「健康な戦士は不健康な戦士を圧倒する」
システマの「活殺自在」最強の非破壊トレーニング!

「健康な戦士は不健康な戦士を圧倒する」とは、 ロシア武術システマの特徴をよく表した標語である。
システマにおける〝健康〟とは、〝リラックスしていること〟と定義できる。 では、なぜ「リラックスが進んだ状態」が強さへとつながるのか。
敵を破壊する前に自分を癒すことを趣旨とした独自の理論と、 マーシャルアーツへと直結した「システマ式コンディショニング法」について、 システマ東京代表・北川貴英師に紹介いただいた。

特別企画 平直行(ストライプル・サムライメソッドやわらぎ)

グレイシー柔術に秘められた武術の「力」とは!?

1990年代から2000年代前半の格闘技界において、〝最強〟の名をほしいままにしていたグレイシー柔術。
しかし、カーリー・グレイシーに学び、日本で初めて アカデミーを開いた平直行師は、グレイシー柔術は 決して〝最強〟の格闘技を目指したものではないと語る。
無意識のシステムを稼働させ、武術の力を引き出す、 グレイシー柔術に秘められた驚異の身体智を本邦初公開!

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