武術の世界でもスポーツの世界でも、あるいは日常生活においても、「感覚」という言葉はごく一般的に使われている。では一体、感覚とは何を指すのだろうか?
辞書的には以下のように定義される。「外界からの光・音・におい・味・寒温・触などの刺激を感じる働きと、それによって起こる意識。視覚・聴覚・嗅覚 ・味覚・触覚や、温覚・冷覚・痛覚など」(goo辞書)。要約すると「身体に備わる五感から感知すること」と言えるが、それに加えて、「意識」という言葉が含まれていることも見逃すことができないポイントである。
本特集では、武術やスポーツにおける達人や第一線で活躍する選手たちに、「感知する」とは、どういうことなのかを伺うとともに、その能力を高めるための稽古法や意識のあり方も示してもらった。
人間の身体能力の可能性を押し拡げる「感覚」を徹底探求する!
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2021年の初邂逅以来、交流を温めてきた 斯道の達人二人が「感覚」をテーマに語り尽くす 特集豪華対談がここに開幕! 武道とスポーツ界の両雄は、 身体感覚の捉え方にどのような見解を示すのだろうか。
手には「持つ」という機能のほかに、大きな働きとして「触る」「探る」という機能が備わっている。その感覚を磨くことで、武術の技をかける技量も高めることができる。第2章では、太極拳の師範にして、長年瞑想の指導なども行ってきた真北斐図師に、手指の感覚を段階的に磨き、武術の技に繋げていく稽古法を示してもらった。手指の“センサー機能”を高めるために、目を瞑るところから始めてみよう。
視覚からの情報がない中で、音を頼りにボールと相手選手・味方選手の位置を捉え、ゴールまでの距離を計る。ブラインドサッカーは、全てのプレーにおいて「感知する能力」が問われるスポーツである。本章では、日本代表の練習を取材するとともに、キャプテンを務める川村怜選手に、どのようにボールを操り、空間を把握しているのか、詳しく聞かせてもらった。聴力を中心とした感覚に基づき、空間をイメージする驚異の能力に迫った。
皮膚が持つ能力については、近年研究が進み、従来から明らかにされていたものに加えて、より多く、より広がりがあることが解明されているという。長年、発達段階での身体接触の影響やタッチケアによる心身への効果などを研究してきた山口創教授に、“第三の脳”とも言える皮膚の「感知する力」についてお聞かせいただいた。
武術において、相手の力の強さや方向を察知する感性は門派やジャンルを問わず、非常に重要な能力といえる。本特集のトリを飾る第4章では、誰もが安全に相手の力を“聴ける”身体を獲得可能な新競技「棒相撲」を紹介!創設者である武田健志会長に本競技の魅力と、競い合いを通じて磨かれる武術のセンサーについて語っていただいた!
ロシア軍によるウクライナへの侵略、イスラエル軍によるガザへの侵攻、韓国の尹錫悦大統領の騒動、そして能登半島の地震……。
世界ではつねに紛争・騒乱が続いているが、そうした戦地や被災地、極地で写真を撮り続けているのが、「不肖・宮嶋」こと報道カメラマンの宮嶋茂樹氏だ。
人の生死に直面する危険な現場で数々のスクープ写真をものにしてきた宮嶋氏。何が氏を現場に駆り立てたのか。そして死地から生還する秘訣とは何かを訊ねてみた。
柔道六段にして、現在、選手としては柔術に専従する形で活躍し、また高本道場において多くの柔道家、柔術家を指導・育成している高本裕和師範。2024年は、3団体(IBJJF、SJJIF、AJP)の世界選手権で優勝し、前人未到の3冠を達成した。
今回は、まさに柔術家として脂の乗り切った状態にある高本師範に、柔術技を確実に極める方法を「腕十字固め」を中心に実演、解説してもらった。必ず極めに至る高本師範の合理的、且つ論理的な技のほどこし方を紹介する。
大整体と武術を融合させた独自の武術身体論を提唱する河野智聖師。
そして今回紹介する「進化トレーニング」は、河野師が新たに開発した画期的メソッドであり、人が本来持っている身体能力を呼び覚ますものだ。
人類の進化の過程に則したシンプルな運動法が、身体と合気の新次元を拓く!
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