アテネを制した足技、パリ驚愕の固技、嘉納翁の手技、
如何にして“柔道技”は決まるのか!?
月刊秘伝2024年11月号
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柔道は、オリンピックの正式種目となってからも60年の年月が経ち、今では日本発の武道として世界中に広まっている。2024年においては、パリ五輪での激戦の記憶が多くの人の中に鮮明に残っていることだろう。
今号の特集では、「柔道技」について理合別に深く掘り下げていく。
パリ五輪の柔道男子日本代表監督であり、現役時代には五輪金メダリストとなった鈴木桂治師の「足技」。
パリで圧倒的な強さを見せた角田夏実選手が寝技技術を磨き上げた、そのきっかけの場を提供した柔道家にして柔術家の「固技」。
嘉納治五郎と合気道開祖・植芝盛平、両師範が研鑽・研究した古流柔術を追う中で見出された「投技(手技・腰技)」。
また、空気投げ研究家の田島大義氏が柔道技の文字分析から、その体系についてを紹介。
試合での勝利に繋がる技術としての、また受け継がれ形作られてきたものとしての「柔道技」。様々な観点から、その極意に迫った。

発売日:2024年10月11日
定価:1,000円(税込)

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書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。

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第1章 【足技】鈴木桂治(Keiji Judo Academy)
世界を制した“鈴木流”足技の極意

重心の崩しとタイミングで決める!

パリオリンピックでの日本人選手たちの 奮闘に湧いた日々から数ヶ月が経った9月某日。そのオリンピックで柔道男子日本代表監督として選手を率いた鈴木桂治師への取材が実現した。選手時代には、2004年アテネオリンピックの 金メダルを始め、多くの輝かしい戦績を残した鈴木師だが、その最大の要因とも言えるものが卓越した「足技」技術であった。特集第1章では、世界を制した「足技」の数々のほんの一部だが、鈴木師に実演してもらうと共に、足技を決めるための要諦と、技術を向上させるための取り組み方について、お話を伺った。

鈴木桂治
1980年生まれ。茨城県出身。幼少期より柔道に親しみ、小学生の時には並行してサッカーにも取り組む。国士館大学入学後は、斎藤仁監督(1984年ロス、1988年ソウル五輪95kg超級金メダリスト)のもと技術を磨き、2004年アテネ五輪100kg超級金メダル、世界柔道選手権100kg級・無差別級優勝、全日本柔道選手権大会4回優勝。2021年9月には全日本代表チームの監督に就任。国士館大学体育学部教授。2024年1月、東京都町田市に自身の道場「KJA (Keiji Judo Academy)」を開設。

第2章 【手技・腰技】
佐藤忠之(早稲田大学スポーツ科学部講師、日本合気道協会師範)
体の運用で創り出す精緻なる“浮”の原理

古流柔術→講道館柔道へと受け継がれた
「崩し」と「投げ」の関係性

特集第2章では、自由攻防に対応する合気道として知られる通称「富木合気道」を推進する日本合気道協会師範にして、その主唱者である富木謙治師範の薫陶を直に受けた佐藤忠之師範にご登場いただいた。嘉納治五郎師範が描いた柔道の理想像を求めて、稀代の武術家・植芝盛平翁の吸収、研鑽、解析に生涯を睹した富木師範が、両師範が研鑽・研究した古流柔術(起倒流)を追うことで、見出された「投げ技」の極意とは!? 植芝の「合気道」へ生かされ、講道館柔道最高位に位置付けられる「古式の形」を通じて「柔道」に託された、日本柔術“究極奥義”の一端が、ここに明かされる!

佐藤忠之
1957年生まれ。早稲田大学合気道部師範。警察大学校逮捕術科講師。天理高校時代までは柔道部、早稲田大学教育学部に進学し、富木謙治・大庭英雄に師事し、合気道を学ぶ。現在、早稲田大学講師、同大合気道部師範や志道館・気帥館・凌江會・陵霄會の師範、静岡大学スポーツ合気道部師範、西日本合気道競技連盟師範、日本合気道協会師範を務める。著書に『富木謙治の合気道』(志々田文明と共著)、DVD『富木謙治の合気道シリーズ(全二巻)』、『合気道の乱取り』(共にBABジャパン刊)などがある。

第3章 【固技】高本裕和(柔道・柔術家/高本道場)
手順を踏んで極めに至る寝技の技術

パリ五輪金メダリスト 角田夏実選手の
寝技の原点に迫る

パリオリンピックにおいて、戦前の予想通りに、見事女子柔道48キロ級を制した角田夏実選手。その得意技が巴投げと関節技などの寝技(固技)であることは、メディアなどを通して広く知られるところとなった。では、「角田選手の寝技の原点はどこにあるのか」と、そのルーツを辿っていくと、同じ大学のOBである高本裕和師が主宰していた柔術やサンボの練習会に行き当たる。特集第3章では、高本師に角田選手の強さの要因を伺うと共に、柔道にも活かすことができる寝技技術の幾つかについて解説してもらった。

高本裕和(たかもとひろかず)
1976年生まれ、山口県岩国市出身。高校から柔道を始め、東京学芸大学入学後も柔道部で腕を磨く。その後、サンボやブラジリアン柔術、MMAなどの格闘技にも取り組む。ブラジリアン柔術の全日本マスター柔術選手権で2017年から6連覇中。2020年には同大会の年齢制限のないカテゴリーで優勝。2023年の世界選手権では無差別級3位。柔道六段。現在は、東京都小平市の高本道場(青梅市に支部あり)で指導者としても活動している。
2024年6月、千葉ポートアリーナで行われたIBJJF(国際ブラジリアン柔術連盟)主催のアジア選手権で、柔術界のレジェンド、エドゥアルド・テレス選手と初戦を戦う高本師。この大会、高本師はこの試合を含めて全ての試合で一本勝ちを収めた。

第4章 【「技文字」分析】田島大義(空気投げ研究家)
柔道技「一文字」分析

三船久蔵十段の「空気投げ」を専門に研究する田島大義師。その技法探求において、嘉納治五郎師範が制定した形と出会い学び、さらに近年着手しているのが、「柔道技」の名前につく漢字一文字から、その体系を考察し直す研究である。その一端を紹介する本稿より、改めて“市井の柔道家”も挑み得る嘉納翁の理論と、そこから生まれる柔道技法の深みを感じていただきたい。

田島大義(たじまたいぎ)
2007年、たまたま手にした甲野善紀氏のDVDを見たことから、同氏の講座に参加し衝撃を受ける。以来、甲野氏の講座や松聲館技法の稽古ができる中島章夫氏の半身動作研究会(現・動作術の会)に参加する傍ら、様々な武術系セミナーに参加、すっかり身体の不思議、面白さを楽しむ日々を過ごすこととなる。2013年11 月、甲野善紀氏より「松聲館技法研究員」認可。同月、講道館柔道へ入門。現在「空気投げ研究家」を名乗り、広く活動している。2024年、全柔連公認C指導員合格。DVD『空気投げの極意!』(BABジャパン刊)。

特集コラム 【武道論】増田俊也(作家/七帝柔道)
“勝ちたい”柔道家のリアルな武道論

特集コラムとして、作家にして柔道家の増田俊也氏に、パリ五輪の柔道を契機として思い馳せた「武道論」について、特別寄稿いただいた。

増田俊也
1965年、愛知県生まれ。北海道大学中退。2006年、デビュー作『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を、2012年、評伝『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で大宅賞と新潮ドキュメント賞を受賞。北海道大学柔道部で寝技中心の七帝柔道を経験。2013年、その時代を描いた自伝青春小説『七帝柔道記』、2024年には『七帝柔道記Ⅱ』(ともに角川書店)を刊行。2016年、中日新聞を早期退職し、作家専業になった。

【巻頭】三道を歩む多才の忍びが、忍術の現代活用法を語る!
齊藤きよし(Shinobi Design Project)
忍者パルクールの術と道

忍術・パルクール・デザインの三道に通じ、近年ではNHK『明鏡止水 〜武の五輪〜』への出演も果たした新進気鋭の若き忍者。それが今回、本誌初登場となる齊藤きよし氏だ。
今という時代に忍びのスキルを活かすべく、先進的かつ多角的な活動を行う齊藤氏に、忍術の可能性と、その現代活用法を語っていただいた!

【特別企画】堀川幸道伝・錦戸無光創始「光道の合気」とは!?
大東流合気柔術 光道 総師範 古賀武光
開かれた手と神気=光の爆発!

大東流合気柔術“永世名人”堀川幸道の最晩年に師事し、「光道」を創始した錦戸無光師範。
その伝を受け継いだ古賀武光総師範による「光道関東講習会」が、先ごろ都内で開催された。
自然体となり、「気の体」を練り、“合する合気”へと到る、力を超えた「光道の合気」の本質が垣間見えた講習会の模様を紹介しよう!

【特別企画】(一社)暴犯被害相談センター代表・加藤一統
ボディガードの“プロ”が教える
防犯・護身の3つの砦

プロボディガードとしての30年近くの業界歴において、1000件以上の警護依頼を請け負ってきた加藤一統氏は、暴力被害の現場とは、コンマ刻みで危険レベルが変化すると語る。
今回、身の危険を3段階の状況に分け、そこでやるべきこと、また護身用品の特徴や用法について、加藤氏に紹介いただいた!

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