柔道は、オリンピックの正式種目となってからも60年の年月が経ち、今では日本発の武道として世界中に広まっている。2024年においては、パリ五輪での激戦の記憶が多くの人の中に鮮明に残っていることだろう。
今号の特集では、「柔道技」について理合別に深く掘り下げていく。
パリ五輪の柔道男子日本代表監督であり、現役時代には五輪金メダリストとなった鈴木桂治師の「足技」。
パリで圧倒的な強さを見せた角田夏実選手が寝技技術を磨き上げた、そのきっかけの場を提供した柔道家にして柔術家の「固技」。
嘉納治五郎と合気道開祖・植芝盛平、両師範が研鑽・研究した古流柔術を追う中で見出された「投技(手技・腰技)」。
また、空気投げ研究家の田島大義氏が柔道技の文字分析から、その体系についてを紹介。
試合での勝利に繋がる技術としての、また受け継がれ形作られてきたものとしての「柔道技」。様々な観点から、その極意に迫った。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
パリオリンピックでの日本人選手たちの 奮闘に湧いた日々から数ヶ月が経った9月某日。そのオリンピックで柔道男子日本代表監督として選手を率いた鈴木桂治師への取材が実現した。選手時代には、2004年アテネオリンピックの 金メダルを始め、多くの輝かしい戦績を残した鈴木師だが、その最大の要因とも言えるものが卓越した「足技」技術であった。特集第1章では、世界を制した「足技」の数々のほんの一部だが、鈴木師に実演してもらうと共に、足技を決めるための要諦と、技術を向上させるための取り組み方について、お話を伺った。
特集第2章では、自由攻防に対応する合気道として知られる通称「富木合気道」を推進する日本合気道協会師範にして、その主唱者である富木謙治師範の薫陶を直に受けた佐藤忠之師範にご登場いただいた。嘉納治五郎師範が描いた柔道の理想像を求めて、稀代の武術家・植芝盛平翁の吸収、研鑽、解析に生涯を睹した富木師範が、両師範が研鑽・研究した古流柔術(起倒流)を追うことで、見出された「投げ技」の極意とは!? 植芝の「合気道」へ生かされ、講道館柔道最高位に位置付けられる「古式の形」を通じて「柔道」に託された、日本柔術“究極奥義”の一端が、ここに明かされる!
パリオリンピックにおいて、戦前の予想通りに、見事女子柔道48キロ級を制した角田夏実選手。その得意技が巴投げと関節技などの寝技(固技)であることは、メディアなどを通して広く知られるところとなった。では、「角田選手の寝技の原点はどこにあるのか」と、そのルーツを辿っていくと、同じ大学のOBである高本裕和師が主宰していた柔術やサンボの練習会に行き当たる。特集第3章では、高本師に角田選手の強さの要因を伺うと共に、柔道にも活かすことができる寝技技術の幾つかについて解説してもらった。
三船久蔵十段の「空気投げ」を専門に研究する田島大義師。その技法探求において、嘉納治五郎師範が制定した形と出会い学び、さらに近年着手しているのが、「柔道技」の名前につく漢字一文字から、その体系を考察し直す研究である。その一端を紹介する本稿より、改めて“市井の柔道家”も挑み得る嘉納翁の理論と、そこから生まれる柔道技法の深みを感じていただきたい。
特集コラムとして、作家にして柔道家の増田俊也氏に、パリ五輪の柔道を契機として思い馳せた「武道論」について、特別寄稿いただいた。
忍術・パルクール・デザインの三道に通じ、近年ではNHK『明鏡止水 〜武の五輪〜』への出演も果たした新進気鋭の若き忍者。それが今回、本誌初登場となる齊藤きよし氏だ。
今という時代に忍びのスキルを活かすべく、先進的かつ多角的な活動を行う齊藤氏に、忍術の可能性と、その現代活用法を語っていただいた!
プロボディガードとしての30年近くの業界歴において、1000件以上の警護依頼を請け負ってきた加藤一統氏は、暴力被害の現場とは、コンマ刻みで危険レベルが変化すると語る。
今回、身の危険を3段階の状況に分け、そこでやるべきこと、また護身用品の特徴や用法について、加藤氏に紹介いただいた!
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