体重も身長も平均を大きく下回る小柄な体格。そして、年齢は今年2月に76歳となった。そんな武道家が駆使する筋力や加齢を超えた「技」や「身使い」。それは「柔よく剛を制す」、つまり、体格や年齢に左右されない身体の用い方を、一心に何十年にも渡り探求し続けてきたから可能となったものである。本特集では、日野晃師が磨き続けてきた「衰えない力」の原理と実際の運用法を、記者による取材と日野師自身の解析、さらには中達也師範(日本空手協会)との対談を通して、様々な視点から取り上げている。また、武道家以前の時代も含めた来歴を紹介するセクションも設け、如何にして現在の「日野晃」が形づくられてきたのかについても多角的に迫った。“日野式”身体操法を徹底解明する!
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
特集のはじめに「日野晃とはどんな武道家なのか」について改めて紹介したい。どのように武道の道に入り、どんな武道遍歴を辿り、そして何を核として武道を探求してきたのか。さらには、武道に携わる以前の経歴も取り上げ、日野晃師の土台となっている部分も掘り下げている。稀代の武道家・日野晃の来歴を紐解いていこう。
日野晃師の身体操法理論は、武術的な身体の使い方を研究する中で編み出されてきた。そして、武術の技全般の基礎となるものに「体重移動」があるとの気付きを得て、それを最大限活用できるよう修練を重ねてきた。“日野式”身体操法の技術を深掘りしていく第二部、その「part1」では、自重を力に転換する「体重移動」の要諦について、記者による取材と、日野師自身による論考によって詳しく解析する。
「体重移動」に続いては「連動」を取り上げる。身体内部の作用によって各関節間を連携させ、「力」を生み出し発する。それを可能にするのは、身体への刺激をごく微小なものでも感知できる「感覚能力」である。各部位を“感覚化”させることで、関節間に線を通し、全身を一つのラインで繋げることができる。「連動」からの「力の出現」を解析する。
“日野式”身体操法を深掘りする第二部の最後は、「力まない動き」を解析する。「人はなぜ力んでしまうのか?」その問いに、日野師の答えは明確である。それは「自意識が幼いからだ」と。「幼い自意識」から解放された身体での運動は、力みなく、滑らかなものとなる。そして、力みが無ければ、相手の力に反応しない・反射しないため、相手も力まないという現象が起こると日野師は説く。「力まない」ことの重要性を改めて問う。
あらゆるジャンルに通用する普遍性を備えた日野晃師の身体論は、 流儀を問わず、数多の一流武道家たちから大きな支持を得ている。 かつて、NHK『明鏡止水 ~武のKAMIWAZA~』で共演を果たした、 日本空手協会総本部師範・中達也師もその一人であり、 本特集のトリを飾る第三部では、日野師と中師による超豪華対談が実現! 空手界のスターが体験し驚愕した、別次元のカラダと技に迫る!
“新極真空手の革命児”の異名をとり、現役時代には最年少および最年長の世界タイトルをはじめとした数々の優勝経験を持つ現・新極真会世田谷・杉並支部 支部長、塚本徳臣師範。
遠近自在の間合いを駆使した多彩な蹴り技で相手を翻弄した独特な「塚本空手」は、どのようにして次代へ継承されるのか!?
写真・取材協力◎新極真会
『バットマン』や『アウトロー』など数々のハリウッド映画のアクションに採用され、本誌2017年6月号の特集でも紹介した、スペイン発の超近接戦闘術「KEYSI(ケイシ)」。
その創始者であるフスト・ディエゲス師による初の来日セミナーが、昨年9月、四日間にわたって東京で開催された。
競技スポーツではなく、ストリートでのリアルな護身に特化した驚異の技術と、日本武道にも相通ずる深遠な哲学を、メソッド創始者より直伝で学ぶスペシャルセミナーの模様をお伝えしよう!
一刀流〝秘中の秘〟として伝わる「払捨刀」。それは元祖・伊藤一刀斎が自らの不覚から多数の敵に襲われ、窮地を脱した体験を基に、後に編んだ〝動〟の組太刀である。上下の落差、左右への転化、回り込み、潜り抜けなど、体と刀が四方八方へ存分に働く、この極意の剣について、小野派一刀流免許皆伝石崎徹師(神夢想林崎流居合宗家)に紹介いただいた。
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