“不世出”という代名詞が最もシックリとくる武術家――それが大東流合気武術の故・佐川幸義宗範だろう。
95歳という高齢で亡くなる直前まで独自の鍛錬を絶やすことなく、自らの「合気」を変化・成長させ続けた伝説の武人。
1998年の没後、四半世紀が過ぎようとする現在なお、その高みを極めた境地を目指して、多くの修行者が研鑽を重ねている。
その磨かれ続けた「合気」や、特殊性を印象付けた「透明な力」は、宗範を失った今、再び蘇ることはないのか?
今特集では、先ごろ刊行された『合気写真集』で公開された多くの秘蔵写真と共に、今なお師の後を追い続ける旧「佐川道場」門人たちの証言を元に、「佐川幸義の未曾有の合気」の実像を探ってみたい。
書店では、今月号だけでなく秘伝誌のバックナンバーを始め弊社の書籍、DVDもお取り扱いお取り寄せが可能です。是非書店でお手にとってご覧ください。
未曾有の合気の達人として今なお多くの後進の道標となる「佐川幸義」という存在。その特異性について第1章では改めて考察してみたい。
特集第2章では、佐川道場で稽古の日々を送った方々に、自ら感じとった佐川幸義宗範の「合気」について語り合っていただく。伝説の武人が遺した「武の深奥への道標」とは!?
数多の武道専門家を輩出している筑波大学出身、いずれも剣道に深く通じ、現在は大学にて教鞭を振るっている前林教授、酒井教授、菊本教授。
特集本章では、武道のプロフェッショナルたちが出会い、感じ、学んだ佐川宗範と大東流合気武術について鼎談形式にて語っていただいた。
特集コラム①では、佐川道場奥伝四段に「代師範」の肩書きを受けていた小原良雄師範に、その身で受けた佐川宗範の合気の感触を語っていただいた。
特集コラム②では、本誌連載「〝日本柔術史〟新研究」でもお馴染みの高橋賢師範に、佐川宗範が生涯を掛けた「合気」とは、そもそも何であったのか?大東流が発見、醸成した「合気之術」=相手を崩す技術のさらなる探求について語っていただいた。
佐川宗範を世に知らしめた『透明な力』の著者であり、最も熱心に間近で宗範の教えを請うた弟子である木村達雄師範。本章では、師との出会いから最晩年まで、傍で過ごした“合気の時間”を、貴重な宗範語録とともに寄稿いただいた。
特集を締めくくるのは、既に本誌でも既報の通り(2019年2月号)、佐川道場閉鎖後、合気司家・佐川敬行氏の御遺言から「道場(佐川邸)跡地を『合気公園』としてほしい」との希望について、その進捗状況を御報告いただいた。
代々、卜傳流剣術を継承する武家に生まれ育ち、本州最北の地で育くまれた技法と文化を伝える小山隆秀師範。
今回は、歴史上、「尚武」の地として栄えてきた〝武の聖地〟弘前の風土について小山師範を直撃。
剣を手にして、〝北〟へ向かい、同地の歴史と文化を訪ねてみよう!
『体伝・口伝・心伝』の3つの伝承方法にて、500年雨宮家に脈々と受け継がれてきた家伝武術。
本誌6月号にて、同流初の『書伝』として、「鎧通し」という独自の当身を紹介いただいたが、
今回は現代に創始された影武流合氣体術におけるもう一つの技法体系「柔法」とその術理について、解説いただこう!
中国武術界の英雄、黄飛鴻が用いた拳法であり、その知名度や実戦性の高さから中国南派拳術の雄と呼べる洪拳(洪家拳)。
眞武洪拳國術會を主宰する松向浩三氏は、若き日より本場香港に渡り、彼の地で激しい修行に明け暮れた。
剛強にして精妙なる洪拳の真髄を、数少ない日本人伝承者がここに示す!
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