神速の達人・黒田鉄山Remembering Tetsuzan Kuroda

古流武術における当代きっての達人、振武舘第15代宗家・黒田鉄山師範（1950～2024)。
幼少時より家伝の武術の薫陶を受け、「平成武道界の英傑」として若き時代から注目を集め、令和の時代に至るまでその術理を深め体現した黒田師範の存在は、世界中の多くの武道武術愛好家たちに多大な影響を与えました。
黒田師範には本誌（月刊「秘伝」）創刊当初より30年以上にわたり、多くの現代人にとっては“未知”の運動法則を保持する日本古伝武術「型」世界の深奥を、様々な武道・武術家との対談、特集、そして連載記事などを通して、紹介し続けていただきました。
『「型」とは単なる実戦のヒナ型ではない。古人の伝えるすべてがそこにある』と生涯変わらずに語ってこられた黒田師範。至極の型から生まれる精妙なる身体運用を体現した黒田師範の動きは、まさに“神速”と称されるにふさわしく、その“見えない動き”は多くの後進たちの憧れと指針でありました。

この度、黒田鉄山師範の偉大なる功績を顕彰するため、その事績の一端を紹介する特設ページを作成しました。鉄山師範の映像、記事、写真、動画に改めて触れていただくことで、黒田師範の理論と術技、想いを次世代へと繋いでいくための一助となれましたら幸いです。

WEBアーカイブ　特別公開
振武舘の五武術　その歴史と黒田鉄山師範による「術」実演

積み重ねられてきた武術的身体

黒田鉄山師範が伝えた振武舘の五武術【民弥流居合術、駒川改心流剣術、四心多久間四代見日流柔術、椿木小天狗流棒術、誠玉小栗流殺活術】について、黒田師範自らによる実演と解説で紹介したアーカイブ記事「振武舘の五武術」（月刊秘伝2014年2月号掲載）を特別公開しております。

閲覧する

PHOTOギャラリー

秘伝誌にて長年ご登場いただいた黒田鉄山師範のほんの一部ですが、PHOTOギャラリーを作成いたしました。どうぞご覧ください。

左右の矢印をクリックしますと、
たくさんのお写真をご覧いただけます。

取材映像集

DVD映像作品・著書

黒田師範の理論と術技、
想いを次世代へと繋いでいく

「消える動き」を探求・研鑽し、観る者の想像を絶する「速さ」を体現する古流武術家──振武舘・黒田鉄山師範が自ら指導・監修した映像シリーズと執筆いただいた著書をご紹介いたします。当ページで公開中の「極意指南」シリーズから始まり、中達也師範と競演した「神技の稽古会」まで全19タイトルの映像シリーズ。古流に秘められた身体改造理論や問答集などの著書。是非お手にとってご覧ください。

珠玉のDVDシリーズ
全19タイトルはこちら

剣術から柔術、絶技の感覚から稽古法、古流に秘められた身体改造論まで

• 

  書籍　鉄山に訊け

• 

  書籍　気剣体一致の「極」
  〈新装改訂版〉

• 

  書籍　気剣体一致の「改」
  〈新装改訂版〉

黒田鉄山　Kuroda Tetsuzan ‒ 振武舘黒田道場

1950（昭和25）～2024（令和6） 「振武舘黒田道場」師範。埼玉県大宮市（現さいたま市）にて、黒田繁樹の長男として生を受ける。祖父・泰治の号「鉄心斎」や曾祖父・正の幼名「鉄之助」などから、「鉄山」と名付けられる。第10代黒田弥平正好が嘉永元年（1898）、富山市に黒田道場創設以来、代を受け継ぎ、今日に至る。明治27年、旧富山藩主前田利同公より第11代黒田寛正郡が「振武舘」の号を賜り、爾来、振武舘黒田道場と称する。指導流儀は、駒川改心流剣術、四心多久間四代見日流柔術、民弥流居合術のほか、椿木小天狗流棒術、誠玉小栗流殺活術の5流儀を宗家として伝えている。祖父の代、知人の招きにより埼玉県に移住。父繁樹の代より接骨院を経営し道場を維持してきた（平成14年接骨院廃業）。幼少時より道場で型稽古になじんで育つ。一時、中学、高校在学時剣道部に籍を置くが、大学入学を機に、本格的に家伝武術の修行に励み、19歳のときに祖父泰治の推薦を受け、戦後新たに組織された大日本武徳会より教士号を、ついで1970年、20歳で古武道八段範士の称号を受ける。1983年には同会埼玉県支部長となり、その後、本部理事なども務めたこともあった。80年代後半より自らの指導理念にもとづく独自の武術理論の数々をまとめ、自身、体現しつつ、「武術的身体の獲得」を根本に置く型稽古の本質的な追求を続ける。「月刊秘伝」にて「鉄山に訊け」連載。2024年3月3日（日）21時9分逝去。享年73。

黒田泰正　Kuroda Yasumasa ‒ 振武舘黒田道場