秘伝トピックス

古武術に秘められていた、
何にでも応用可能な"全身を繋げて使う"コツ！

武術でも、格闘技でも、さまざまなスポーツでも、またダンスでも、"上手くやるコツ"がすべてに共通して一つだけある。それは、全身を繋げて使う事だ。強い力が出せない、素早く移動できない、美しく動けない......、これらはすべて原因は、体を"部分"でしか使えていない事による。
その、"全身を繋げて使う"事を何より必死に追い求めてきたのが、古武術だった。命を賭ける事を前提に追究されたそれらの術技において、筋力によるスピードやパワーをもって相手に勝つという方法論を選んだ流儀は、ただの一つもなかった。ではどうやって勝つのか？　それは、身体を合理的に使って、最大限のパフォーマンスを発揮させる事、すなわち"全身を総動員させる事"に他ならない。

本書は、古武術にある"全身を総動員させるメソッド"をわかりやすく、広く一般に応用できる形で提示する、画期的なエクササイズ書だ。
著者の赤羽根龍夫氏は、柳生新陰流、円明流、尾張貫流槍術を継承する古武術家。本書でとくにスポットを当てているのが、骨格上、上半身と下半身の結節点になっている「仙骨」だ。「仙骨」を運動の主軸にすえると自然に全身が連動するところに着目し、オリジナルの「仙骨体操」や、古流武術を元にしたさまざなエクササイズなど、誰でも実践できる"身体システム改造術"が収録されている。
また、実際の古武術技法も、その隠された"理"を踏まえてわかりやすく紹介されている。それらをみれば確かに、古武術の技法が「仙骨」を中心に作られていた事がわかるのだ。
本書はなぜか野球の話から始まる。最近、全身が使えず、いわゆる「手投げ」になってしまう子供が多いそうだが、それを克服できるカギが古武術にあるというのだ。子供たちの体育教育から、高度なレベルでステップアップに挑んでいる方までジャンル問わず、大きな身体変革のきっかけとなる一冊だ。
「人間本来の合理的な動きを取り戻す事」......本書に書かれているのは実はこれに尽きるのだ。

BOOK『古武術「仙骨操法」のススメ』