秘伝トピックス

【巻頭特集】真に"動けるカラダ"の追求から見えてくる
機能的身体［ファンクショナル・ボディ］の獲得
【注目記事１】大東流合気柔術六方会の系譜　
岡本正剛を継ぐ者たちの現在
【注目記事２】伝説の空手家・江上茂の「重力と鞭」の身法

2015年最後の月である、12月14日（月）に発売となる月刊秘伝2016年１月号。

巻頭特集は、「真に"動けるカラダ"とは何か？」「その獲得方法とは!?」を題材とした「機能的身体の獲得」。

武道・武術の修行者が求める身体とは、単に筋肉隆々なマッチョマンのそれではなく、いかに全身が連携し、より無駄なく機能的に動くものでしょう。

そんな身体を獲得するには、どのような鍛練を積むべきなのか？　いやいや、その前に、"身体"というものをどのように捉えるべきなのか!?

そんな命題を「秘伝」ならではの視点から模索してみました。

特集第一部では、従来、身体を各パーツごとに鍛える筋力強化トレーニングが主流であったトレーニング業界にあって、今、最も注目されている、その名も「ファンクショナル（機能的な）・トレーニング」。その実体を探るべく、スポーツ誌などでも活躍されている「ファンクショナルトレーニングラボ クエスト」代表の岩沢陽介師に御登場いただきました。自重を使った「オンタイム・フィードバック」の専用器具や、その武道・武術にも通じる最新のトレーニング理論の一端を御紹介いただいています。

第二部では昨年（2014年）11月号の初登場から反響著しい、小用茂夫師範の創始された「刀禅」の再登場。そこで提唱されるのが、従来の関節運動主体の運動形態を補完し、武術史に名を成す達人たちに見られる"柔らかく、捉えどころが無い上に、それでいて重い"動きを実現する「内圧運動」という概念。本来、武術で培われてきた特異な身体作りを、現代人に資するボディワークとして提唱する刀禅の真骨頂が垣間見られます。

第三部では、書籍『「機能姿勢」に気づく本』も好調の池上悟朗氏が、改めてその基礎概念となる三軸修正法の成り立ちと、日常で簡単に実践できる応用法を紹介。日常、本人は気づかずとも、刻一刻と状態を変える我々の身体、その"最適な状態"を模索する機能姿勢のあり方は、武道・武術の修行者にも多くの示唆を与えることでしょう。

そして、しんがりの第四部では、キックボクシング黎明期のブームを支えた名選手の一人であり、日本空手史にその実戦性をもって特異な足跡を残す日本拳法空手道の継承者でもある江口和明師範創始の「至道」。中高年限定のキック・イベント「ナイスミドル」で、その稽古生が活躍するという至道とは、一体、いかなるものなのか？　丹田呼吸鍛練を主軸とするという、至道で培われる心身に迫ります。

なお、特集コラムでは、多くの伝統武術修行者から反響著しい『形意拳に学ぶ　最速！内部エネルギー発生法』著者、スコット・メレディス氏による、「内部エネルギーに満ちた、形意拳『戦士の腕』獲得法」。著書からは割愛された内容が、ここに公開されています。

また注目記事では、本年（2015年）１月16日に逝去された、「日本武術史を変えた」とも称される合気の体現者、岡本正剛師範の跡を受け、その高弟である林正明師範を中心として再スタートを切った大東流合気柔術六方会の今を取材。稀代の名人の知られざる面影を偲びつつ、新たなる一歩への抱負を語っていただいた。

また、「武としての空手道」を追求し、特異な"柔らかい空手"を次代へ伝えた江上茂師範の薫陶を受け、長年、スペインで指導をされてきたスペイン松濤會、昼間厚雄師範が本誌初登場。重力を味方とした、鞭の体動から繰り出される突きは、身体運用の一つの極致を垣間見せる。

この他、改めて「メモリーズ・オブ・ドラゴン」のタイトルでお送りする好評連載「ブルース・リー交友録」は今回、実弟のロバート・リーが登場。また、"甲賀流忍術十四世"を喧伝した「異能の人"藤田西湖"研究」、阿吽会欧州セミナー報告を軸とした「『内動』で"見えない力"を自在に操る」、和道流三代の系譜を改めて紐解く「沖縄伝来の唐手と日本武術の理合との融合」、システマ「ザイコフスキー師特別セミナー・レビュー」稽古の会公開シンポジウム「伝統の生命『型』（中編）」ほか、好評連載多数の「月刊秘伝」新春１月号をお見逃しなく！

「秘伝1月号」は12月14日（月）発売です。全国の書店、ネット書店、秘伝ウェブショップなどでお求め下さい。