蘇る失伝技法! 古流ルネサンス“幻の流儀の技”を今に活かす! 月刊秘伝2021年2月号
好評発売中!

“今や幻の中にしか存在しない古流武術の復元・再生への試み”
それは、賛否両論と言うよりも「否定」的見解が支配的であったのが、従来の古流武術の世界であろう。そんな〝紛い物〟のレッテルが当たり前に貼られてしまう「復元・再生」とは、真に価値のないものなのだろうか?
時代の移り変わりの中で、今なお多くが失われ、あるいは変容していく古流武術という存在が、未曾有の時代を生き抜き、後世へ受け継がせるものとは何なのか?
そこに「復元・再生」という試みがどのように関わることができるのか?
平成の30年、古流武術を見続け、共に歩んできた本誌だから……
今、新たな時代へ向けた提言の一つとして、今特集に〝挑み〟ます。

月刊秘伝2021年2月号
発売日:1月14日
定価:1,000円(税込)

月刊秘伝2021年2月号 
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特集序章 今、なぜ、古流の“復元・再生”か?

特集序章では、〝今なぜ、古流武術の復元・再生へ目を向けるのか?〟
その現状や問題点、難しさを改めて確認し、翻って、
復元や再生という試みが持つ可能性について考えてみたい。

特集第一章 講道館柔道の最大最強ライバル
戸塚派揚心流の系譜を継ぐ流儀

やわらの先達が託した遺産
保立謙三師範伝楊心古流柔術

近代となって新たに勃興した講道館柔道の前に、最初に立ちはだかった最大最強の古流柔術、それが「戸塚派揚心流」。その系譜を継いだ楊心古流柔術も昭和の終わり頃には関東周辺にその姿を見る機会は無かった。
そんな流儀の行く末を見据え、筆の中にその想いを託した最後の伝承者、保立謙三師範の遺産から、昔日の姿を再生する試みについて特集第1章では御報告いただいた。

稽古会・江東友の会
斎藤 豊 Saito Yutaka

1970年生まれ。山形県出身。大学進学と共に武道に触れ、合気道養神館に入門。1993年には、甲野善紀師範の武術稽古研究会・松聲館へ入門。2001年より甲野師範の朝日カルチャーセンター講座「古武術からの発想」で助手を務める。2003年の松聲館解散に伴い、2004年より中島章夫氏(当時:半身動作研究会)と共に、同講座の講師を引き継ぐ。その後、「稽古会・江東友の会」として、古文献から独自に起倒流や天神真楊流柔術の技法を復元するなど、古流武術や合気道の研究を続け、現在に至る。

特集第二章 伝承断絶の危機を越えて
地域に根ざした武の系脈を保つ

郷土の武芸の継承と再生
林崎新夢想流居合・本覚克己流和術

特集第2章では、好評連載「津軽の剣」でもお馴染みの、卜傳流剣術伝承者・小山隆秀師範の登場。郷土武芸再生の試みから見えてきた、未来へ繋ぐ伝統継承の在り方について御寄稿いただいた。

武術研究稽古会 修武堂
小山 隆秀 Oyama Takahide

武術研究稽古会修武堂主宰・弘前市無形文化財卜傳流剣術伝承者。1969年、青森県弘前市生まれ。旧弘前藩で代々、卜傳流剣術および林崎新夢想流居合の師範家を務めてきた家に生まれる。5歳から、卜傳流宗家の祖父秀雄(剣道範士七段)と父秀弘(剣道教士八段)に師事して同流剣術を、6歳からは北辰堂で祖父及び父の他、多くの小野派一刀流師範から剣道を学び、各種大会へ出場。2004年、家伝の研鑽と各古流再生のため、異なる様々な武術や武道と交流する「武術研究稽古会修武堂」を設立。毎週、一般向け無料稽古会を実施。公立博物館学芸員、弘前大学非常勤講師・客員研究員として勤務する傍ら、民俗学専攻を活かして近代日本の身体と武術の歴史的変容についても実践的研究を行っている。

特集第三章 失われた中世西洋の戦闘法の再生

現代に蘇る“騎士の剣”
西洋剣術

失伝した古流の復元が試みられているのは日本武術だけではない。
特集第3章では、キャッスル・ティンタジェル城主 ジェイ・ノイズ師が長年にわたって取り組んできた西洋剣術再生の道、そして現代に甦った中世西欧の〝騎士の剣〟、その知られざる戦闘法を紹介する!

キャッスル・ティンタジェル
ジェイ・ノイズ Jay Noyes

キャッスル・ティンタジェル城主。ドイツ剣術(14世紀型のロングソード)、ドイツ流護身術全般をフィールドに活躍中。アニメ『ベルセルク』・TVゲーム『ファイナルファンタジーⅫ』などの剣術スタントアドバイザー及び指導を担当。2012年にアメリカで開催されたHEMAアライアンス(中世西洋剣術大会)にて優勝。2013年ジャパン・アーマードバトル・リーグを結成。代表作DVD『西洋剣術入門』(BABジャパン)。

特集第四章 剣聖を生み出した
剣術流儀の幻の柔術体系を探る

剣術を支えた柔術体系の復興
法神流躰術

特集最後の第4章では、〝昭和の剣聖〟と言われた剣道家、持田盛二を育んだ上州の名流「法神流」。
辛くも命脈を保った同流には、今は失われてしまった〝剣を支えた〟躰(体)術体系があった。
その復興を試みる同流伝承会の試みを訪ねた。
兵法法神流流儀伝承会

特集コラム 相撲の失われた身体文化を求めて

四股の変遷は身体文化の変遷

江戸時代からの身体文化をそのまま、今に伝えていると見られがちな「相撲」。
しかし、そこにも伝統的な「断絶」は現れているという。
相撲鍛錬を代表する「四股」を中心に、失われつつある伝統的な相撲文化の効用を探求する松田哲博(元・一ノ矢)氏に、その現状を語っていただいた。

巻頭 『もういっぽん!』作者・村岡ユウ
今最も熱い青春女子柔道漫画 で描かれる「自他共栄」の“一本みち”

勝ち負けを超えた柔道の〝楽しさ〟を、等身大の 少女たちの青春を通して描く『もういっぽん!』。
今回は、この新世代の柔道漫画の作者であり、 自身も柔道経験を持つという村岡ユウ先生に、 本作に込めた想いと柔道の魅力を語って頂いた!
取材協力◎秋田書店

特別企画 振武舘 黒田鉄山
一点集中で極意を追求する“一人稽古”と“遊び稽古”

コロナ禍によって、多くの武術がこれまでのような稽古が不可能になり、 その収束の予兆はいまだ見えていない。しかし、このような状況であっても術技を磨く方法はある。
ひとつは〝一人稽古〟。そしてもうひとつが、木刀などの武器を介した〝遊び稽古〟だ。
今回は、現代を代表する達人の一角こと黒田鉄山師範が重ねてきた一人稽古の軌跡と、 非接触を保ちつつ一点集中で極意を追究可能な、新たなる遊び稽古を紹介しよう!
振武舘 黒田 鉄山

特別企画 天然理心流武術保存会 加藤恭司
侍が知っておくべき最低限の心得と用法
天然理心流「居合術」

幕末の世に勇名を轟かせた天然理心流は、 その体系のうちに居合・抜刀術を組み込んでいる。
居合専門流派ではない、剣術流派の「居合」とは、 いかなるものであるのか。
不意打ち、要人警護、あるいは急襲……。 〝行住座臥〟戦う者としての 心得を求められた侍たちの、 実戦用法がそこには秘められている!
天然理心流武術保存会 加藤 恭司

月刊秘伝2021年2月号 
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